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04/07/2009
F.E.A.R. 2: Project Origin - FEAR改
一定水準を保った大作だが、前作と比べると改“悪”されている部分が多い。デモの時に少しだけ言ったが、もう一度悪い点をおさらいしてみよう。
・リーンの廃止
リーン(覗き込み)がなくなってしまった。曲がり角を覗き込みながらの銃撃や索敵ができなくなっている。その代わりにちゃぶ台返し(一部のオブジェクトを動かせる)が追加されているが使い所がない。ちゃぶ台返しなんていらないからリーンを復活させろ。そもそも敵はリーンしてくる癖に、主人公だけリーンできないのはおかしいだろう。
・EAXの廃止
1ではAdvanced
HDに対応していて、定位感や奥行きがはっきりと表現されていた。だが、2ではEAXがなくなっている。そのため、サウンドから距離感や強弱が失われ、聞き分けがしづらい。サウンド全般の迫力が低下してしまっている。
・プレイヤーが有利すぎるレベルデザイン
マップの進行方向は一定で四方八方から裏取りされることがない。敵が登場する場面はマップの作りやBGMで分かるようになっており、不意打ちを突かれるような心配が薄い。予定調和な展開に終始してしまっている。どこかしらに安全地帯(キャンプポイント)が用意されていて、スローモ時間が回復し放題なのも問題だろう。敵の襲ってくる間隔が単発的でテンポが緩くなったようにも感じる。
・回復アイテムが過剰&ダメージ設定がぬるい
アーマーが頑丈過ぎる(敵の攻撃が弱い?)上に、大量に配置されている。アーマーでダメージを防げるため、ヘルスまで減ることがない。回復アイテムも過剰に配置され過ぎていて、余らせることがほとんど。難易度ノーマルはかなり甘い設定になっている。
・銃撃感の劣化
2では銃のリコイル(反動)がほとんどない。リコイルコントロールしなくてもバシバシ命中するため、味気なく感じる。
・武器の劣化
2のハンドガンは単発のサブマシン的な性能で存在価値が薄い。1では二挺拳銃ができたが、2ではできない。ショットガンも威力が減退して、使いどころが狭まっている。グレネードの威力も低下していて、使いづらくなってしまった。リーンが廃止された為、グレネードで敵が吹っ飛ぶ様子も確認できない。
・クリーチャーが弱い
2では実験者(ゾンビ)が登場するが、スローモのカモで脅威に感じられない。1の光学迷彩忍者やEPのガイコツには遠く及ばない。
・マップが明るい
1では懐中電灯の明かり一つで探索する場面が多かったが、2では全体的にマップが明るく、懐中電灯なしでも普通に進めてしまう。2で懐中電灯が常時点灯できる為、電池が切れて真っ暗になる恐れもない。
・クイックタイムイベントがうざい
ボタン押しイベントが用意されているが面白みが感じられない。毎回、クリックの連打ばかりで飽きる。
・ホラーゲーム?
マップが明るくなったせいか、サイコロジーホラー的な薄気味悪い恐怖感が薄れている。ナイトメアシークエンスは直接的なシーンが多くなっているが、恐怖とはちょっとニュアンスが異なる。
・幼女の出番が少ない
少女のアルマさんはうんざりするほど出てくるが、幼女のアルマちゃんが出てこない。あと、ストークスちゃんをもっと出せ。
いま考えられるのはこのくらいだろうか。まだ途中(インターバル3)なのでそのまま鵜呑みにはしないで欲しい。
FPSとしての基本はしっかり押さえていて、安心して楽しめる作品だと思う。しかし、前作と比べると銃撃戦の駆け引きの退化が目についてしまう。前作のクローン兵に感じた脅威が、今作では一切感じられない。始めてからずっーと低回転なままで煮え切らない状態が続いている。
主人公(ベケット)がスローモを使える理由はカットシーンで示唆されていた。スローモの作用が後々ストーリーに関係してきそうだ。
裸のアルマさんはよく現れるが、幼女のアルマちゃんはなかなか顔を出さない。前作では「裸アルマ=タナトス(憎悪・破壊)」、「幼女アルマ=エロス(生・慈愛)」として表現されていたが、今回はどのような狙いがあるのだろうか。それにベケットの立ち位置も今のところ不明だ。