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04/05/2009
Shellshock 2: Blood Trails - 戦争神経症と死の欲動
久しぶりにFPSをしたからだろうか。少しプレイしただけで精神的に疲労を感じる。特に感染者との戦いは神経をすり減らす思いだ。
ベトナム戦争にゾンビ(感染者)の要素を盛り込んだ点は新鮮味があり、同時に狂気的な恐怖感を醸し出している。戦争による神経障害を体験させるのが、このゲームの狙いだとすれば成功を収めているのではないだろうか。
便宜的に感染者として表現されているが、このゲームの感染者は精神障害の暗喩と捉えるのが適切かもしれない。戦争によって精神に異常をきたした兵士は、死に物狂いで襲ってくる人間が“人以外の何か”のように見えても不思議ではないだろう。心の内面に潜む恐怖が具現化し、それらと戦わなければならないシチュエーションはCondemned:
Criminal Origines(実際には存在しないはずのゾンビやゴーストと戦う)と共通する部分がある。
感染者がどいつもこいつもクスリをキメたような顔をしているのは評価できる点だ。ゲーム中はそうでもないが、スクリーンショットをまじまじと見返していると「恐ッ!」「おしっこ行けないっ!」と思うものがいくつかあった。
感染者の大半はベトナム人のため、普通のゾンビモノとは異質な感じがある。欧米のゾンビが登場するゲームは数多く存在するが、アジアのゾンビが登場するゲームは少ない。日本人は何か感じるものがあるのではないか。
感染者のバリエーションが少ないのは残念な点だ。同じ顔した敵が何人も並んで登場することも珍しくない。顔に見慣れると恐怖感も次第に薄れてくる。
昨日の日記でも言ったように、ベトコンとの銃撃戦はバリューゲームのような出来だ。感染者との戦い、感染者とベトコンとの三つ巴戦はサバイバルホラー的な駆け引きがあって面白く感じる。
惜しむらくは自動回復方式な点、打撃が強すぎる点(二回殴れば感染者を倒せる)だ。ここがもう少しシビアであれば、じりじりと追い詰められていく恐怖感も与えられたのではないだろうか。
相変わらずクイックタイムイベントが多い。バイオなんたら5のような集落では、同じクイックタイムイベントを五回ほど要求されて、ほとほとウンザリしている。一回、二回なら焦らせる効果はあるが、しつこく何度も要求するのは作業感を生むだけだ。
この感染者だらけの集落では驚かされることが多かった。感染者が扉を叩き割って現れたり、塀を乗り越えて登場してくる。いきなり感染者の集団に囲まれることがあり、パニックホラー的な演出が楽しめた。
朝・昼・夜、村・洞窟・塹壕・遺跡・ジャングルなど、シチュエーションの変化はある方だろう。そのお陰かは分からないが、単調な感じはしない。
後半に行くつれて、個人的な印象は良くなっている。前半が安っぽいから、余計にそう感じるのかもしれない。感染者が現れだしてからはバリューゲームのような安っぽさは薄れた。もうそろそろクリアしそうだ。