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11/14/2008

Fallout 3 - 争いは決してなくならない

  クリア。やや呆気ない幕引き。最後のリニアな展開は見ていて楽しいことは楽しいが、俺っちにやらせろよと不満を覚える部分もある。旧作に比べて戦闘がヌルくなったのに加え、マスターミュータント的な圧倒的なボスキャラの不在が物足りなさを与える要因か。

  ノーマルでプレイした限りでは、難しいと感じるシーンはほとんど存在せず、プレイヤーのインフレに敵キャラが追いついていない印象があった。物足りないと感じた時点で難易度を上げておくべきだろう。Veryhighにすれば敵の体力がかなり高くなる。ただ、それでも回復アイテムや弾の重量制限がなく、ゴリ押し可能なシステムのため、自分で縛らない限りシビアさを味わうのは難しい。ベッドで全回復、放射能除去機を家に設置できるので回復アイテムが腐るほど余り、回復手段に困ることがない。

  V.A.T.Sは個人的にはアリ。リアルタイム性に切り替わったが、旧作の雰囲気を共存させることに成功していたんじゃないだろうか。V.A.T.Sのスローモーション中に「当たれ、当たれ」と思わず念じてしまう点は旧作を彷彿とさせた。敵の部位を攻撃する戦術的なシステムは旧作以上に活かされていると思う。Bethesdaが言っていたようにエイミングが苦手な人でもV.A.T.Sのお陰で上手く立ち回れる。V.A.T.S使用→隠れてAPリチャージは使い勝手が良すぎる部分はあるものの、個人的にはこれくらいでも許容範囲。

  ストーリーはFalloutのテーマである「何かを救う為には何かを犠牲にしなければならない」が見事に掲示されていた。これは最後までしっかり貫かれている。それゆえプレイの端々で様々な選択に頭を悩ませることになるだろう。自分の信じた道を進んで、時には後悔しつつ、ロールプレイを楽しんで欲しい。やたらとお金を掛けたムービーや凝ったカットシーンはゲーム中に存在しないが、キャラクターに成りきって遊ぶための仕掛けは随所に用意されている。Fallout 3はロールプレイの楽しみ方を知っている人ほど楽しめるはずだ。

  今作では両親との絆が描かれていることで納得のいく、救い甲斐のある幕引きで後味は良い。Fallout 1のような「どう見ても救われません、本当にありがとうございました。俺って一体なんだったんだ」的な絶望的終幕ではない。そのため万人が受け入れやすいと思われるが、逆に、絶望マニアは物足りなさを覚えるかもしれない。

  40時間で初回クリアとなったが、まだまだ遊びつくしていないと思う。とにかくメインクエスト以外の作り込みが尋常ではなく、あちらこちらに仕掛けがあって探索が非常に楽しい。Oblivionよりもマップの範囲は狭くなったかもしれないが、範囲当たりの密度としてはこちらの方が濃い。地下もコピーアンドペーストはなく、ちゃんと作られている。2週、3週は軽く遊べそうな印象だ。2周目を始めるか、一区切りして感想を書くか考え中です。

 
泣ける