« Postal 2 - 派生していく群像劇 | トップページ | Brothers in Arms: Hell's Highway - 方向性を喪失した顔のないゲームたち »

10/12/2008

Postal 2:Apocalypse Weekend - それがモラルさ

 本編のShare The Painを終わらせ、拡張パックのApocalypse Weekendを始めたら、意外に面白くて一気にクリア。Apocalypse Weekendのミッションは本編からさらにカオス化し、狂気的な部分がより強調され、Postalらしいイカれた世界が堪能できて満足満足。

  Apocalypse Weekendのデュードさんは脳に障害を持った状態。ところどころで幻覚に悩まされることになる。この現実と幻覚との対比がなかなか強烈。周囲の恐ろしい変貌に心がゾクゾクと高鳴らざるを得ない。

  たとえば病院で幻覚が発生すると、入院患者は悪魔の顔をした小人に、看護士さんはケロイドに侵された人体に変化し、壁や床は汚物や血で汚れているように見える。牛頭を被った小人はカミカゼ攻撃を行い、悪魔の顔をした小人は手榴弾とハサミでランニングウィズシザーズしてくるので仕方なく応戦するわけだが、幻覚タイムが過ぎると小人は普通の入院患者へと戻り、俺なんて事しちまったんだ的なトリップ感に襲われるというわけ。

  ただ、平常時でも猫がカマイタチに変身し、人々を切り刻んでいく演出の意図はよく分からなかった。まぁ、実験用生物なので、突然変異したということにしておこう。



  巷では狂牛病が流行し、一般ピーポーはゾンビへと変身。ゾンビVS米軍VSアフガニスタンのみなさんVS市民、のような三つ巴戦ならぬ四つ巴へと戦いは発展していく。ゾンビは頭を潰さない限り死なないという設定で、人間相手とは違った戦い方が求められるのが新鮮だ。

  また、今回から生物兵器、スレッヂハンマー、マチェット、大鎌などが追加され、殺戮のバリエーションも増加。特に四肢切断を行えるマチェット、頭を一撃で潰せるスレッヂハンマー、上半身と下半身を強制離婚させる大鎌は魅力的な武器だ。本編での平坦な銃撃戦には飽き飽きしていたが、こういった変化があるお陰で戦闘は本編よりも楽しめるようになっている。

  アフガニスタンのみなさんや米軍と戦う場面がかなり多いが、マップがしっかり作り込まれているため、銃撃戦は本編よりも悪くはない出来。古き良きFPSを久々に満喫させてもらった。やはりライフ(ヘルス)は有限な方が燃える。攻撃されるとライフが減り、追い込まれていく緊張感、どう攻めようかと考えなければならない戦術性が問われて面白い。

  自動回復とかいうマルチゆとりプラットフォームFPSでは、こういった感覚が一切得られない。未来永劫得ることができない。安い快楽を求めた結果がこの有様。適所適材を弁えずになんでもかんでも自動回復を採用するクソゲー開発者は腹を切って死ぬべきであり、地獄の業火に焼かれて然るべきである。おまえらがFPSを破滅へと向かわせていることを自覚しろ。



  Apocalypse Weekendは本編よりもメリハリに富んだ展開になっているが、その犠牲として箱庭プレイはほとんど用意されていない。今回も箱庭プレイができると思っていると肩透かしを受けかねない。ここらへんはダブルスタンダードだ。個人的にはShare The Painで十分に箱庭プレイを味わったため、Apocalypse WeekendではShare The Painで足りないと感じていた部分(ミッションの作り込み)を楽しむことができて御の字である。

  今は詰め合わせセットのFudge Packゴールデンパックが発売されているので、Share The Pain→Apocalypse Weekendと続けてプレイすればバランスよく収まりが付くと思われる。

  Eternal DamnationというMODが面白いという話。まだまだGo Postalの日々が続きそうだ。

  弟の腕に包まれてどうたらとかいうホモ系FPSの最新作が届いているが、どう見ても出来の悪いスカトロゲーっぽいので開封していない。もう、開封しないまま積んだ方がいいんじゃないかと思っている。