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08/09/2008
STALKER - さて、みなさん
帰宅後、一気にクリア。これだけリプレイしていても、高いテンションが持続するFPSなんてそうそうないのではなかろうか。プリチャピからチェルノブイリのルートはまるで我を忘れてしまったかのようなトリップ状態だった。これがSTALKERの魔力。延期に延期を重ねた血と汗と野望と怨念の結晶。
トゥルーへの道は開いていたが、敢えて俺はこの青い石を選ぶぜ!というわけで、毎度のごとく成金エンドを選択。STALKERには5つのバッドエンディングが存在するが、私がプレイすると大抵の場合は成金エンドだ。バニラはどうしてもお金が溜まってしまうので仕方がない。もちろん、私が守銭奴という理由もある。そこで今日はSTALKERのバッドエンド(願望機エンド)について感じたことを書き連ねたい。なお、完全に浜村淳仕様なので未プレイの方は注意願いたい。
その前に『願望機』に登場したエピソードを一つ紹介しておく。
ヤマアラシというストーカーが居た。彼はストーカーとして確かな腕前の持ち主で、ゾーンへと進入しても必ず生還する手練れである。ある日、ヤマアラシは弟と一緒にゾーンへと出かけた。しかし、帰ってきたのはヤマアラシ一人だけだった。ゾーンでなにがあったのかは本人以外は誰も知らない。彼はしばらくしてゾーンのあそこを目指すといって出かけた。その後、彼は無事に帰宅し、大金持ちになった。その二週間後に彼は首を吊って死んだ。
ヤマアラシの自殺原因について、こう推察した者が居る。ヤマアラシは弟が亡くなってしまったことに責任を感じ、弟を生き返らせる為にあそこを目指した。そして、うまく到着することが出来た。だが、ヤマアラシは願望機に弟を生き返らせて欲しいと頼んだが、叶ってしまったのは大金持ちになる願いだった。ヤマアラシは自分自身の人間性に絶望し、自殺を選んだのではないかと。
ここで注目してほしいのは願望機の仕様。STALKERをプレイ済みの方はご存知だろうが、STALKERの願望機はマークドワンが口にした願いを叶えている。一方『願望機』に登場する願望機は建前を完全に無視して、本人の心の奥底に眠る本物の願望を投影する違いがある。
ただし、マークドワンが口にする願い事とはこれまでプレイヤーが歩んできたプロセスから決定された結果であり、こちらもある意味では本性を投影する能力が働いていると言えよう。STALKERの願望機で面白い点は確かに願い事を叶えてくれるものの、人間の常識から外れた叶え方をしている点である。どれも皮肉が効いていて実に痛快だ。
・I
want to be a rich.
「お金持ちになりたい」頭上から金貨が降り注いできた。マークドワンはその光景にうっとりとする。金貨は見る見るうちに増え、最後はそれに押しつぶされてしまう。しかし、マークドワンが金貨だと思っていた物はただのナット。他人から見れば、すべてガラクタに過ぎない。価値観や感覚は人それぞれ。いまならゴミ屋敷の主の気持ちも理解できるような気がする。
・I
want the zone to disappear.
「ゾーンが消滅してほしい」目の前には美しい草原の風景が広がる。しかし、なにかおかしい。目を開けようとしても、白目を剥いたままのマークドワン。そう、彼の感覚は遮断されてしまった。これでもうZoneを見なくて済む。
・I
want to immortality.
「不死になりたい」マークドワンの体は未知の物質に覆われていき、最後は彫像のようになった。これならば決して死なない。文字通り、彼は不死の存在へと変わった。でも、死ぬという感覚とはそもそもなに?
・
I want to rule the world.
「私がこの世界を支配する」願望機に肉体を吸われるマークドワン。これで彼は願望機となった。ゾーンはもはや自分の支配下だ。
・Humanity
is corrupt, mankind must be controlled.
「堕落した人類は統制されるべき」次々と終末世界の光景が浮かび上がり、堕落した人々が現れる。もしかして、マークドワンも堕落した人間の一部ではないか。ならば、統制された方がいい。暗幕。