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06/04/2008

Mass Effect - システマティック/シネマティック

届いた。届いたよ。こんなに待ち遠しい思いを抱いたのは何年振りだろう。小学生の頃の誕生日を思い出すぜ。



戦闘はてっきりNWNやKOTORのようなリアルタイムタクティクス系かと思っていたが、良い意味で裏切られた。リアルタイムなTPSの操作。ズーム時にショルダービューに変わり、遮蔽物に近付くと自動的にカバー発動(勝手に発動してしまうことも)。プレイフィールはアクションゲームのそれに近く、すんなり操作に馴染める。操作性に安っぽさやぎこちなさはなく、スムーズに動作する。

バランスがあくまでRPG的でガチンコなアクション性は必要とされない。反射神経よりも地形を活かした戦い方すなわち戦術性の方が重要ではあるが、難易度は緩めの味付け。RPGのアクション性としては十分な出来でしょう。

プレイヤーには二人のヘンチマンが追従し、普段は独自に判断して行動する。カバーもしっかりするので、命令しなくても割と心配せずに済む。というか、結構アシストしてくれて便利。もちろんプレイヤーからも命令を下せて、あそこへ行けだの、特殊能力使えだの指示ができる。



テクスチャの解像度はあまり高いとは言えないが、シェーダーがバリバリ効いていて質感がリアル。人物の肌は特に気合が入っている。フィルムグレイン(アナクロなフィルムの質感を再現する効果)は効果的で、独特の空気感を与えている。フィルムグレインを切ってしまうとスッキリし過ぎて味気ない。

キャラクターはフルボイスで口パクをちゃんとするし、アニメーションも驚くほど滑らか。これでかなりリアリティが高まっている。カットシーンはやたらと多いが、どこかの国のゲームのような見せつけ(押しつけ)られている嫌な気分にはならない。ここはカットシーンという区切りは感じるものの、あくまでインゲームの延長線上にある自然な見せ方。インゲームとカットシーンの境界線が極めて近く、それ故にプレイを分断させずに没入感が持続する。

ダイアログも非常に多いが、それに比例するかのように選択肢もまた多い。一問一答の如く、NPCの問いかけには大抵反応が出来る。そして、プレイヤーの反応にNPCもしっかり反応を見せてくれる。この“会話”が面白い。会話シーンにもインタラクティブ性を用意した結果、プレイヤーをゲームに上手く引き寄せる。

これはTRPGをゲームでどう表現するか拘ってきたBiowareだからできる芸当かもしれない。TRPGがバックボーンにあるメーカーのロールプレイングゲームはやはり一味違う。どこかの国みたいにハイクオリティなムービーを作るのに一生懸命になり、変な方向へは突き進んでいない。

ここまで“プレイさせる”ことに拘った姿勢はある意味、革新的だ。シネマティックを肯定化し、一つの答えを導き出した。本物の“映画的なゲーム”とは見るだけじゃなく、“体験”ができる。いい歳こいたオヤジが「戦争は変わった」だの、年端もいかないガキが「愚かな人類はどうたらこうたら」と延々とほざいている、ゲームにもなれない、映画にもなれないオナニーと対極にいるのがMass Effectだ。



ゲームが始まると、まずキャラメイクを行う。性別は男女用意され、顔もいくつかの種類がある。ラストネームはシェパードで固定のようだ。そして、生い立ちは温室育ちの英雄、スキルタイプはバイオティックと銃器をまんべんなく扱うVanguardにした。ガチンコのソルジャータイプでもよかったのだが、サイキック能力に憧れてしまった。

初っ端からダイアログが滝のように流れるが、会話内容はわりと頭の中に入る。法に縛られることのない選ばれた存在スペクター、謎の物体ビーコンに触れて見えたビジョン。これが物語の主軸かな。展開が早くて、次のページをついついめくっちゃう感じ。ワクワクが止まらない。ロマンティックも止まらないから、毎度お騒がせします。ファーストインプレッションは大変よろしい。

でも、やはり日本語がいいね。対話がよく出来ているだけに、普通に楽しめたらなぁと思います。良い返しをするとNPCがニコッてわらったりして、これこそコミュニケーションって具合が楽しい。エロゲーってここまで進化したんだと思わせる一品。パッケージに18禁でセクシャルシーンズって書いてますから、これエロゲーですよね。