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06/01/2008

Terrorist Takedown 2 - ボクの心もテイクダウンされそうです

クリア。正味3時間程度か。敵と戦うことに終始した単調な内容の為、これくらいの長さでいい。まぁ、そもそも看板にテロリストテイクダウンと付いているのだから、テロリストをやっつけるのは主題だとしても、もう少し変化が欲しかったところ。趣向を凝らした演出は皆無で展開にメリハリが足りない。また、演出の見せ方にも問題があるか。

 

デモをプレイしたら分かる通りFEARのリソースを流用しており、FEARの土台ありきの戦闘を楽しめる。FEARと違う点はライフが自動回復方式になったこと、スローモがない点だろうか。自動回復方式を採用しているお陰でCity Interactiveにありがちな偏屈なゲームバランスは解消され、理不尽に難しくて詰まる場面はない。

ただし、自動回復方式故にナーナーなプレイを許容し過ぎる面は否定できない。無理に突っ込んでいっても普通に倒せてしまうのは如何なものか。小さな部屋に敵が大量に配置されており、戦闘の質よりも量を重視しているように感じられる。

これらにより、AIの多彩な反応を楽しみながら戦うというより、現れた敵を次々と薙ぎ倒していくプレイに近く、FEARのAIのような賢さを実感する場面が少ない。つまり、せっかくFEARそのままの技術が扱えるにも拘わらず、自動回復方式とレベルデザインのバランス感覚のチグハグさにより、FEARのあの戦闘の面白みが十分に味わえないようになっている。

レベルデザインはアート面も不味い出来だ。明らかに敵が沸く用の空間が横道に幾つも用意されていたり、興醒めしてしまう有り得ない構造が散見している。中東辺りの街並の雰囲気は良いのだが、エンジンの特性を理解していない為にデザイン的にチグハグさが目立つ。ホラーテイストが漂う街並み、真っ暗闇で生活しているテロリスト。夜と室内をフィーチャーしたFEARそのままの設定に何も変化を加えていないのに、舞台は真昼間の中東なのだから違和感を覚える箇所が沢山出てしまうのは当たり前だ。

 

それにしてもLithtechはJupiter EXでFEARのリソース(エフェクト、AIのアルゴリズムやアニメーション、サウンド等々)をプリセットするようになったのだろうか。一昔前のLithtechはGods and Generals、Sniper: Path of Vengeanceのようなヒドイ出来のタイトルやバリューが多く、エンジンとは言うもののライブラリをまとめたフレームワークに近いものだと思っていた(どこまでがエンジンなのか、定義は分からないけど)。

NOLFのリソースがプリセットされていれば、Gods and GeneralsやSniper: Path of Vengeanceだって、もう少しマシなゲームになったのではと思う。それともNOLFコピー品になりたくなくて、描画以外は一から作り直したのか、ただ単にプリセットされていたけれど使いこなせなかったのか。そうだとすればCity Interactiveはプライドは低いが割とデキる方だったのかも。

LithtechのエディターDEditは面倒臭くて個人的に嫌いだ。AI一つ動かすのもノード設定が面倒、ブラシ作るのも面倒。Doom世代と並ぶ旧世代的な作りで進歩が見られない。NOLFにしろ、FEARにしろ評価が高いのに、シングルマップがあまり製作されない事情はエディターのせいではないかと思っている。



Terrorist Takedown 2はバリューと割り切れば楽しめるクオリティだろう。戦闘はFEARには及ばないもののそこ辺のFPSに比べれば優れており、それなりに楽しめるはず。感想は後程まとめます。ゴアスペが終わってからでもいいかな。