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05/11/2008
Death to Spies - 孤高の探求
ストイックな内容に思わずシビれる。ここまで骨のあるゲームは久しぶり。タイトル通りの硬派なスパイの世界が味わえる。暗殺できない暗殺者のパチモンゲーでも許されてしまう、昨今の甘々なクソったれゲーム業界で、こういう実直なタイトルの存在はまさに良心。
Death
to SpiesのシステムはCommandos Strike
ForceやHitmanに近いスニークアクションモノ。怪しまれない変装を繰り返し、諜報活動を実行していく。装備にマシンガンもあるが、基本は変装を用いたスニーク行動。
サイレンサーの付いていない銃器で銃撃戦しようものなら、大量の敵に蜂の巣にされるのがオチ。アサルトプレイはないものと考えていい。主力の武器は拳、クロロホルム、ナイフ。拳とクロロホルム、銃によるヘッドショットでしか服装は奪えない(血が付いている服には着替えられないという仕様)。
自分の服装よりも低位の者には怪しまれず、自由に敵地を闊歩できる。まず、いかにして高位の服装を入手するかが第一の目標。ただし、全員に怪しまれない服装はなく、ある一定の緊張は必ず強いられる。
Tabキーを押すとマップとレーダーが表示されて、敵の位置関係が把握できる。怪しむ人間は赤色で表されるので一目瞭然。敵の配置はかなりシビアな味付けで、レーダーを見ながら一瞬のスキを見つけてタイミングよく行動するのが重要。一見不可能に思えるような任務でも必ずどこかに穴がある。それを見つけられた時は快感。戦略的な色合いが濃く、アクションゲーム的な無茶はまかり通らないようになっている。
AIの行動は実直な自然さを持っている。視線で見えているところと見えていないところがハッキリしており、おかしな反応はしてこない。死体を発見すれば調べた後に警報を鳴らす。異様な足音や物音が聞こえれば振り返って調べる。スニークゲームに必要なシステムはしっかり備えており、AIの行動を逆手に取った解決方法も展開可能。
ジリジリした緊張感が常に漂い、非情に心地良いゲームプレイ。タイミング的にうまくいかず、何度もトライ&エラーを繰り返すところもあるが、それが余計にカタルシスを生む。少し考えれば必ず解けるパズル設計で、理不尽に感じるところはない。
初代Hitmanに似たカルト的な雰囲気を持ちながら、程好い洗練さ加減。まだステージ4だが、序盤にしては難易度が高いように感じるのでこれからが心配になる。ステージ毎に必ず難所があるタイプのゲームだと信じたい。ストイックなスニークものを求めている人にはうってつけのタイトルですよコレ。掘り出しものじゃないでしょうか。