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03/23/2008
The Elder Scrolls:Arena - 礎を叩いて渡る
G-XTHをプレイし、無性にRPGがやりたくなってきた。ほったらかしにしていた偽典・女神転生ことギガテンでもやろうかと思い立つ。しかしながら、探してみたが見つからなくて候。ということで断念。
当時、ギガテンを途中放棄してしまったのはバグの多さに閉口してだったと思う。そもそも女神転生と言えば、ほとんどバグゲーというのが一般常識だ。ロウヒーローは死んでも戦っているし、ドミネーターはドミネーターだし、アイテムを拾ったそばから落としているし、などなど素敵なウルテクが日常茶飯事。
しかし、ギガテンはそれらを超越した常軌を逸するバグの特盛で、ゲーム進行もままならない。特に、とある中ボスの凶悪さが有名。Win版では戦闘中にリアルタイムに敵が思考して、攻撃するシステムが取り入れられているのだが、この思考時間がPCのスペックに比例する。つまりPCのスペックが高ければ高いほど、敵の攻撃が激しくなるわけだ。こちらが命令する前に、敵が高橋名人の如く16連攻撃を展開してきたりする。前述のとある中ボスは一回の攻撃でも脅威なのに、そのような連続攻撃をしてくるため対処に負えず、高スペックのプレイヤーを泣かすハメになった。
ギガテンの発売当時と言えば、Pen
II 266MHzあたりが適当なスペックで、これに対してプログラムされたのだろう。私が少し経ってからプレイした時は既にPen III
966Mhzの時代。想像通り尋常ではない割り込みをされ、とてもじゃないが対応出来る状況ではなかった。PCに負荷をかけるソフトを使用して、なんとかプレイも試みてみたが、他の動作がもたついてストレスが溜まる。こうしたイライラから放棄してしまったわけだ。他にも不利益なバグを被って、不満が高まっていたのももちろんあるが…。
ゲームシステムの完成度は著しく低いギガテンではあるが、シナリオ及び世界設定はメガテンシリーズの中でも上位に位置する出来映え。プラットフォームがPCオンリーというのも幸いしたのだろう。恐らくシリーズ中一番エグイ表現が初っ端から繰り広げられ、メガテンのエログロさが存分に発揮されている。メガテンは悪魔ならず神までも愚弄するようなストーリーが魅力。宗教的な主張まで盛り込まれているため、日本以外では発禁の対応を受けている。ギガテンはそれに加えて直接的なエログロまで盛り込んでおり、それによって表現の幅は広がっているが、日本のハードでもお子様が遊べるようなものでは絶対発売できない位置まで到達している。
特に、ヒロインが生きながらにして上級悪魔たちに四肢損壊され死亡(一枚絵で表示される)、主人公がヒロインの妹を食う、娘が母親を殺して肉塊の悪魔へと合体するイベントなどはトラウマものである。これなんてエロゲ?と、私は衝撃を受けたことを覚えている。どう見てもコンシューマでは出せません、本当にありがとうございました。それがギガテンクオリティなのである。
ハードな表現からなるストーリー展開は評価が高いのだが、いかんせん前述するようなバグだらけのスパゲッティー仕様により、悲しい哉ダメゲーの烙印を押されてしまった。というか、私もまともに進めないようなゲームをクリアしようと思わない。システムさえ真シリーズなみに完成されていれば、評価もまるで違っただろうと思う。アスキーさんパッチマダー?
で、完全に脱線したわけだが、ギガテンをプレイするのは断念した。しかし、何かRPGをやりたい。とびきり硬派で、今までやったことないやつを。ということで、The
Elder Scrolls: Arenaに初めて手を出してみる。今回の主題はここからだ。
The
Elder
Scrollsは今更言わないでもご存知だろう。TESはMorrowindやOblivionで有名なシリーズ。ArenaはTESの第一作にあたる記念碑的なRPGである。Arenaは開発元のBethesda
Softworksの粋な計らいにより、2004年からフリーウェアとして公開されている。よって誰でも遊べるようになった。
まず公式サイトでファイルをダウンロード。どちらもダウンロードが出来たらArena106.exeを起動し、インストール先を選ぶ。
次にDOSBoxのサイトからWindows版をダウンロードする。メッセージに従ってインストール。
そして、ARENA(デフォルトならC:ARENA)のフォルダを、DOSBoxのアイコンへとドラッグする。
するとDOSBoxのコマンドラインが起動するはずだ。
install
とコマンドを打つ。これでゲームの設定画面が表示される。
ここでは
Configure Game を選択し、サウンドの設定を行う。
Select
Music Card 、 Select Sound Card を選んで
Sound Blaster or SB16 (or compatible) に設定する。
変更できたら
Done して Exit 。そして y
を押す。
またDOS画面に戻った。
ここで
arena と入力すればようやくゲーム起動だ。
ここまでの操作はD-Fendでテンプレート化しておくと便利。CUIもGUIもあまり操作に詳しくないので説明しない(できない)。なお、Arenaの動作が少し遅いなと感じたら、Ctrl+F11(サイクルダウン)・Ctrl+F12(サイクルアップ)して速度を調整しよう。だいたい、20000
- 30000前後が適正。
新規キャラクターを作成する。
私はRPGをはじめてプレイする時は大抵、戦士(脳筋)でやるようにしている。理由は、単に戦士が単純明快で操作も理解し易いから。今回もそれに倣って戦士クラスのKnightを選択した。クラスは全て合わせて19。TESシリーズでは一般的なものが揃っている。
次に種族だが、Redguardにしておく。これは能力がノーマルの普通の人間タイプ。初回プレイでは望ましい。種族もTESシリーズで見慣れたキャラが揃っているようだ。Elves系はもちろん、爬虫類のArgonian、ネコマタのKhajiit(Arenaでは猫っぽくない)、BretonにNordも居る。
今回の主人公。平均的な戦士を目指した。
操作方法を簡単に説明しておく。
移動は↑↓のアローキー。ターンは←→のアローキー。
選択は左クリック、キャンセルは右クリック。
ジャンプはJ。前進ジャンプはShift+J。
盗むはP。マップはM。全体マップはShift+M。休むはR。ログ画面はL。アイテム仕様はU。ステータス画面はF1。
攻撃は武器を構えてから、右クリックをドラッグ。左右にドラッグすれば横斬り、ナナメなら袈裟斬り、上なら突き、下なら振り下ろしとドラッグする方向で攻撃方法が変わる。
魔法はC。使いたい魔法を選び、対象を選択する。
ゲームが始めると牢獄からスタート。これはTESではお馴染みだ。しかし、Arenaは初代だけあって、新しいものとは一味違う。端的に申し上げるとムズイ。まさに洋ゲー中の洋ゲーの如く、始めから異様に難しい。というか、始めだけが異常に難しい。ここで新規プレイヤーの出鼻を挫く作戦なんだろう。今だったらクソゲーと投げられかねないが、当時のプレイヤーは牢獄に何度も挑戦し、脱出できた時のカタルシス、そして目の前に現れた広大な地形に感動したのだろうと思う。
この牢獄が難しい原因は複雑な地形、攻撃力の高い敵にある。地形に高低差があり、非常に入り組んだ構造。マップを確認しても、ゴール地点が分からず、延々と迷うハメになる。
そして、敵がやたらと登場するのも問題だ。やつらは体力こそ低く、三発程度で倒せるが、攻撃力が高い。体力を高めた戦士タイプでも10回も殴られれば容易に死ぬ。戦士タイプでは回復する術がなく(寝てもすぐに敵に見つかって回復が中断される)、ヒーラーもマナが低いのでヒールが何度もできない。よって迷えば迷うほど、敵にエンカウントしてしまいジリ損を味わうハメになる。正直に言うと、私はゴールを見つけるまで何度も死に、キャラを作りなおした。ここはゴールまでの道を覚えて、最短で脱出するのが適当。いわゆるチュートリアルステージではない。
牢獄のゴールを見つけるとShift
Gateなるフォースフィールドが質問を投げかけてきて、これに対して的確に答えないとゲームオーバーとなる。私は答えが分からなかったため、テキトーに入力したら問答無用でゲームオーバーにされて噴いた。これは当時のコピー対策なんだろうか?マニュアルに記載されている数値を正確に入力すると合格になる。入力する答えはC:\ARENA\Docs\Passwords.txtに記載されているのでそちらを参照のこと。質問のキャスト名の横に書いてある数値が答えだ。質問の内容は毎回ランダムで選出される。
牢獄を脱出すると街の一角に佇んでいる。だが、始めに街へ出れた時だっただろうか。少しぶらぶらしたところで盗賊に出くわし、問答無用で強襲を受けた。こちとら牢獄の一戦でライフが減っていたため、一撃で殺されたのには噴いた。もうやめて、主人公のライフはゼロよ!これこそTESの真骨頂。序盤から突き放したような難易度こそTESの醍醐味である。それに比べてTES3やTES4はややライト気味だ。
序盤からことごとく粉砕されてばかり。Redguardの他に、KhajiitやBretonキャラも作ったが、電子の藻屑と消えていった。それで最終的にどこに行き着いたというと、Dark
ElvesのWorriorになった。別に理由はなく、たまたまこのキャラが牢獄から生還、街の酒場に到達できただけである。
街はだだっ広く、家が沢山建っている。大半の家は閉まっているものの、貧相なRPGとは一味違うのがTESシリーズ。どの家も鍵さえ壊してしまえば進入可能である。もちろん見つかったらそれ相応の処罰を受けることになるが。街には歩行しているNPCが沢山居て、人々が生活している雰囲気が漂っている。
街から出ると、広大な地形が目の前に広がる。大きな山々が彼方に表示され、スケール感を演出。まさしくノンリニアRPGに相応しい、膨大な風景がプレイヤーを持っており、プレイしていると伝わってくる自由さ加減はTESシリーズ共通のものである。正直、TESシリーズは初代で完成していていたのだなと感じる。
Arenaの膨大な世界はランダム生成要素に頼っているらしく、それによって生じるバグや不満も結構あるらしい。構造的におかしい建物、行くことのできない場所が生成される。ランダム生成のバリエーションが少なく、同じような風景が続くといった風に。街を出て、少しばかり旅をして、その傾向はなんとなく分かった。確かに世界は広いが、密度は薄い。トーストに塗られたマーガリンのごとく。薄く引き伸ばして広く見せている。
だが、RPGに大切なのは仮想の世界で旅をしている雰囲気を味わえるか否かだ。レベルを高めること、アイテムを集めることが本来のRPGの楽しみではない。あくまでそれは派生した楽しみである。Arenaは旅をしている雰囲気を味わえるかと言えば、しっかり味わえる!雪がちらつく雪原を歩き、小さな村へとたどり着いた時のほっとした安心感。森林地帯を迷った挙句にダンジョンを見つけた時の高揚感。瀕死で盗賊にバッタリ出くわした時の絶望感。これらの感覚を味わった時、旅をしているんだなと実感する。
確かにコピーペーストが否めない部分はあるが、豊富に干渉できる対象が存在するのは個人的に嬉しいばかりだ。だだっ広い地形だけよりも、たとえコピーペーストでもいいから街や村があった方がいいとArenaの場合は思う。他のRPGではどうかは分からないが。ただし、断っておくと、ArenaのマップはTES3のようなものではない。街の周辺に自動生成される中規模のマップがあるだけで、他の大きな街へとたどり着くにはFast
Travelを使用するしかない。地図では地続きに繋がっているように見えるが、実際はMorrowindの街ならMorrowind専用のお庭が付いているというだけ。メモリの制約上、ここが限界だったのだろう。
現在、ダンジョンを探して、お宝巡りに精を出している状態。始めると止め時の見つからない面白さがある。ノンリニア+Diaな感覚が珍しい。自動生成は好きだけど、マップが狭いのは嫌。ノンリニアは好きだけど、ハック&スラッシュの要素もないと嫌。そんな変わった人にガッチリハマるRPGである。牢獄の時点で投げようかと思ったが、意外や意外に今でも十分楽しめるではないですか。
・洞窟で発見したDai-Katana。手にしたものはスカト○ゲーしか作れなくなるという伝説の刀。