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02/10/2008

Boiling Point: Road to Hell - ロードは抹殺すべきもの

もしかしてそれは恋ではないでしょうか。そういうことでBoiling Pointですよ。

市長を○した犯人の居場所は警察署長に教えてもらった(金で買った)。犯人はこの街から8km離れたジャングルの奥地に居るらしい。8kmならばハンヴィーを駆ればすぐの距離だ。娘に関する情報をヤツから聞き出すべく、ねぐらへと向かった。

ねぐらに到着したが案の定、家の周りはガードが見張っており、容易には近づけない雰囲気だ。強行するのも良いが誤射をして犯人を殺してしまう危険は否めない。ここはおばあちゃんの有り難いことわざに従うことにする。そこでスマートに手榴弾で一掃することに決めた(えー)。

コロンビアのおばあちゃんは言いました。
「案ずるより手榴弾が易し、急がば手榴弾、三十六計手榴弾に如かず」

死体から回収していたら、いつのまにか60個近く溜まってしまっていた手榴弾を気前良くファイアインザホール。家の中から阿鼻叫喚とした断末魔の叫びが聞こえてくる。家から飛び出してきたヤツには直接手榴弾をぶつけてやる(Boiling Pointでは手榴弾をぶつけてダメージを与えられる)。

声が聞こえなくなったところでねぐらの中へと進入。予想通り、死体が散らばっていた。一体一体から所持品を回収しながら、犯人を探す。すると、ヤツは二階で腹を抑えて倒れていた。息は既に事切れている。なんということだ。誤射を恐れて手榴弾を使ったというのに!



死んでしまったものはもう仕方がない。人間はいつかは死んでしまうのだ。死期が少し短くなっただけに過ぎない。情報は諦め、犯人の体をまさぐると、なんとスナイパーライフルを持っていた!5000ペソ惜しんで購入していなかったスナイパーライフルがこんなところで手に入るとは思ってもいない牡丹餅だ。有り難く頂戴し、警察署長へ犯人を片付けたことを伝えに行く。

警察署長へ顛末を伝えると、娘の情報を知っているかもしれない人間が居るらしい。だが、そいつの場所を教えてもらうにはまた金を出せといいやがる。おまけに今度は12,000ペソと高額。いったいそれだけのお金があればドーナツが一体何個買えると思っているんだ。5.56mm弾が何個買えると思っているんだ。ドーナツなら1,200個。弾なら6,000発だ。トンでもない暴利屋。もはや情報弱者に対する暴力である。

しかしながら、それ以外の当てがあるかと言えば正直ない。渋々、12,000ペソを支払い、情報を聞き出す。そいつの場所は十数km離れており、移動するのが億劫。資金も心配になってきた頃合だし、なにかバイトでもしようか。政府軍の任務は全て完了させてしまったのでもう頼りには出来ない。今度はどの勢力に加担しよう。

○今日のBoiling Point



他のゲームに比べて、AIが自由奔放に生きているBoiling Point。今日は道中で出会った人々を撮影してみた。
路上の撃ち合いは台本で用意されていることだが(道路の各ポイントに台本が用意されていて、主人公が通りがかると確立で発生する仕組み)、その後の銃撃戦の出来事はAI達の即興すなわちアドリブである。観察してみると意外に面白い出来事が発生したりするんだぜ。


○ロード時間は抹殺すべきもの

Boiling Pointではゲーム中にロードが発生しない。開始前のロードをしてしまえば、後は何時間プレイしようとリアルタイムにストリーミングされて進んでいく。これはゲームにとって非常に大切なことだとプレイしていて実感した。特にBoiling Pointのようなゲームではその恩恵が大きい。余計な中断を生まないことによって、プレイヤーの集中は高まり、没入も持続されて良い事ずくめだ。

場面が切り替わるシーンがあるゲームではロードは暗転の意味を含むかもしれない。それでもない方がいいが。しかし、ゲームプレイが一貫してリアルタイムに続くようなタイプであればロードは完全に不要なものであり、排除すべきだ。区域が変わるたびにロードなんてしていたらそれだけで興醒めしてしまうことだろう。プレイヤーに手持ち無沙汰を与えては決してならない。ロード時間は必要悪ではなく不要なものである。ゲームから失くす努力をすべきだ。

たとえばPostal2やHL2は悪しき例だろう。Postal2の場合は区間が変わる度にロードが始まるため、区間を移動するのがとても面倒臭い仕様だった。隣の区間へ行ってみようかという好奇心を殺すクソ仕様と言っていい。
HL2ではゲームプレイは一貫して地続きで行われる癖に、やたらとプレイを寸断するロードを小刻みに挟むというゲーム世界からプレイヤーを剥離させてしまうこれまたクソ仕様。プレイ途中にセンスの欠片もないシークバーが突如現れ、没入感も興奮も何もかもブツ切りにしていく。

その他のゲームでも一枚絵とシークバーを表示させてロードするようなゲームばかりで昔から進歩が見られない。プレイヤーに待ち時間を感じさせないごまかしをして欲しいものだ。



最近のゲームでセンスのあるロード時間と言えばCoD4が際立っていた。CoD4ではミッションの状況を説明するブリーフィングムービーを流しながら、裏でロードをしている仕様。ブリーフィングが終わればすぐゲームスタート(スペックにも関係あるが)と理に叶った作りで、ロード時間をまるで感じさせない努力が見えた。これによりゲーム世界へとプレイヤーをうまく引き込んだまま演出が展開され、ゲームプレイの持続性が高くなっている。

その他に、対戦ゲームではロード中にミニゲームを遊べるようにしてプレイヤーの手持ち無沙汰を失くしているものもある。

ハードの性能が上がれど、それに伴い消費するリソースも莫大に増加するゲームではロード時間を失くすのは難しいかもしれない。しかし、ロード時間を感じさせない努力なら現実的に可能だろう。没入感、Immersionという言葉をよく耳にするが、ロード時間もそれらに密接に関係しているのではないかとBoiling Pointをプレイしていて思った。

いつものごとく思い付きと書き殴りで書いているのでまるきり検討ハズレなら嘲笑して欲しい。喜ぶ。