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01/01/2008

Deus Ex - 必殺龍牙剣!

はい、年越しFPSならぬ年越しDeus。香港へと到着。サイバーパンクと言えば、ネオン、意味のない漢字の洪水、自己主張の激しい建物、胡散臭い雰囲気があって然るべき。ようやくそのような光景を拝め、気持ちが盛り上がってきた。

ただ、昔プレイした頃に比べると、グラフィックの古臭さが否めず、時代の流れは早いものだと痛感する次第。現代的なロケーションを採用しているゲームは少し時間が経つと鑑賞に耐えないビジュアルが多い。ゴシック建築や未知の惑星はそうでもないのだが…。



以前にプレイした時は重火器ガンガン行こうぜモードで進めた記憶があるので、今回はローテク/ピストル/スナイパーライフルのスタイリッシュなスタイルを採用。粗雑/クルードだと思われているなら繊細/テクニカルにやり、繊細/テクニカルだと思われているなら粗雑/クルードにやる。ボクはとても繊細/テクニカルな青少年。どこの記憶屋だよというツッコミは要りません。

毎回思うのだが、ドラゴントゥースソード/龍牙剣はバランス崩壊へと導く悪しき存在に思えてならない。香港へ来るまではそこそこ良いバランスで調和されているが、これが現れた途端にパワーバランスが傾いていく。ダメージ250で確実に一発死を奪え、ドアやロッカーさえも破壊してしまう圧倒的な攻撃力。これさえあれば敵の背後へ忍びナイフを振るう必要も、ロックピックも持つ必要も皆無であり、音を立てて敵を誘い出して斬りつけていれば楽にクリア出来てしまう。終盤で登場なら理解出来るが、これを入手するのは中盤であまりにも早い。

「使わなければいいじゃん」と簡単にあなたは言うかもしれない。しかし、浅ましい心の人間が強い力を手に入れると、その魅力に溺れてしまうのは必然的な行動原則であり、手放すことや自制することは困難極まりない。どうしても強い力に頼ってしまうのである。今回もまた性懲りもなくドラゴントゥースソードを振り回している有様だ。倒すと爆発するサイバネ野朗がいるが、ギリギリのところで掠るように切りながら後退すればほとんどダメージを受けない技も会得してしまった。力に目覚めてしまった今、もはや自分自身を制御することもままならない。


・母さん、ボクの心はダークフォースに染まりました

展開をほとんど忘れているので、その場しのぎの選択でそのまま進めているが、「これで本当にいいのか」と疑問を浮かべるところが多少出てきた。曖昧な疑念は胸にしこりを残していく。Deus Exでは、他のFPSのように答えが必ず1とは限らない、0.5の時もあれば2の時もある。

パズルの解法が多いのがDeus Exの利点。目的は一つだが、プロセスや結果は複数用意されて、なおかつ整合性も保たれている。しかし、逆にそこに煮え切らない気持ち悪さが潜んでいるのも事実だ。大人になって、当たり障りのない答えというものを学んだボクはDeus Exでも当たり障りのない最善の答えをいつのまにか探している。ゲームは現実とは違い、やり直しが効く。それが一番の元凶だ。行き当たりばったりの答えに満足出来る、心にゆとりのある人間になりたい。