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12/30/2007

Deus Ex - 命は進化するその時を待ち

乙女恥曝遊戯やら責められてシリーズやらをやっていたんで更新ペースは著しく静止しています。冬休みかわいいよ冬休み。そろそろFPS脳を活性化するかというわけで、日本語版のパッチを当てると日本語化されることが先日明らかになったDeus Exを始めます。

本来なら倉庫に埋もれているはずの日本語版を探した方がいいのでしょうが、もはや七面倒臭い。確保してあったSold Out版には日本語パッチが無事適用出来ました。アングラ的ですが、Eidos Japanが撤退し、日本語版が入手難になった今は仕方が無い。まぁこのサイトはアングラ系ですから…だから背景も意図して暗め。



Deus Exはサイバーパンクの題材ゆえテクニカルターム満載の会話が多く、話を理解できるか否かでゲームの楽しみ及び進行自体にも大きく影響します。そこらのFPSよりも日本語版の必要性が高い。日本語でプレイ出来るのは有り難いことです。

Deus Exの魅力と言えば、秀逸な正統派サイバーパンク(カウンターカルチャーであるサイバーパンクに正統派なんてあるのかという疑問は置いておいて、サイバーパンクの祖であるとされるギブスンやティプトリィの魂を変な齟齬なく正統に反映してる意味で)の世界設定もありますが、やはり解法の多いゲームプレイでしょう。

目の前の障害を超えるにはどうすればいいか?
・物を積んで物理的に超える
・ハイテクに頼る
・他の道を探す

Deus Exでは一つの障害に対し、様々な解決方法を用意していて、それらが巧妙に絡み合い、破綻なく構成されています。一つのパズルに対し、一つの解決方法しか用意されていない平凡なFPSの愚直なパズルとは違う。様々なアプローチを容認しているため、答えを発見していくのがより楽しく感じられ、こんな方法もあったんだと新たな発見をした時がとにかく気持ち良く、おまけにその膨大なパズルによって豊富なリプレイ性も生み出しています。ハイテクに頼るのか、ローテクで強引に解決していくかだけでも繰り返しのプレイに耐えます。



最近ではBio Shockが近いタイプですが、これの場合は敢えて枷を与えずに万能タイプでプレイ出来るスタンスがDeus Exとは大きく異なる点です。Deus Exでは戦士タイプか、魔法使いタイプかを選択していくことになりますが、Bio Shockは魔法戦士タイプに育ち、枷がほとんどありません。Bio Shockのスタンスは一回のプレイでゲームの魅力を100%与えられる利点がありますが、逆にリプレイ性に関して言えば低くなってしまいます。

個人的にそこが残念な部分。クリアしてしまうと一気に醒めて、底が浅いと感じてしまった感が否めません。ここがBio Shockを個人的2007年のベストゲームに挙げなかった点だと思います。

底が深いか浅いか…ようは見せ方のスタンスの問題。魔法戦士で10時間かけてクリアするよりも、戦士タイプで10時間かけてクリア、魔法使いタイプで10時間かけてクリア出来る方が、例え前者と後者の内容が同じだとしてもゲームは豊かなように見えます。ここは戦士だったら楽に越せるのだろう、逆にここは魔法使いの方が楽に越せるに違いない…そういう風に思わせることで深遠に感じさせる。

Bio Shockはそういったハッタリがなかったせいで、クリアした時にゲームプレイが薄っぺらく見えてしまいました。ただ、これはあくまで私の個人的な嗜好。Bio Shockのスタンスは万人受けを狙い、事実見事に高評価に繋がっているのですから一概に悪いとは言えません。

Stalkerはゲームプレイに枷を与えていませんでしたが、ノンリニアRPG的な部分をうまくFPSに落とし込むことでリプレイ性を孕ませることに成功していました。A-Lifeは言葉通りに実現できていなかったものの、それらしく見せかけるのが巧みでハッタリを上手く誤魔化していましたし、なにより崩壊寸前のロシアの箱庭は彷徨うだけでドキドキと胸を高鳴らせた。反復行動が楽しく、賞味期限が長いゲームだったと言えます。

Stalkerのスタンスはこれからのトレンドとなるのは必至。リソース製作に膨大な時間を掛かり、ゲームのボリュームが5時間 - 10時間が当たり前になっている昨今、そういう問題を打開する解決策の一つになり得るでしょう。実際、来年発売のラインナップを見てもそれらしいのが目立っています。

Borderlands(Gearbox)は広大な箱庭、大量のミッション、カスタマイズ性の高い武器を用意することでDiabloのような中毒性のある深いゲームプレイを提供。White Gold: War in Paradise(Deep Shadows)はあまり評判が芳しくなかったBoiling Point: Road To Hellをブラッシュアップして雪辱を晴らす。Rage(id Software)はこれまでのタイトルを強襲しつつ、ドライブシム&レースの要素を取り入れて今までとは一味違ったゲームプレイを目指す。Far Cry 2(Ubisoft)はノンリニアな舞台を用意してFar Cryのゲリラ戦のスケールをさらに大規模なものへ。Fallout 3(Bethesda Softworks)はシリーズを強襲した自由なゲームプレイを提供、M&M的な変則的戦闘スタイルを取り入れることでFPSのようなプレイを可能になるということですからFPSプレイヤーも見逃せません。


・ビキニお姉ちゃんが魅力的なWhite Gold

他にも来年は期待作が色々とありますが、個人的に注目したい変り種はLone Wolf: Flight From The Dark(ksatria Gameworks)Zeno Clash(Aceteam)でしょうか。両方ともファンタジー世界を舞台にしたFPActionもの。世間ではあまり良い評価は得られませんでしたがDark Messiah M&Mが好きだった人は要注目ではないでしょうか。


・ゲームブックが原作のLone Wolf: Flight from the Dark。画像はDark Messiahキックを彷彿とさせる。

考え無しに書いていたら、なんのまとまりもない日記になってしまいましたが、それがUNKさんの脱線クオリティ!ということで許してください。来年もFPS脳フルスロットルで幸せに暮らせるといいね。