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12/21/2007

Unreal - あん、りあるぅ…

久しぶりにUnrealを引っ張り出して遊ぶ。



Unrealの見所と言えば、やはりNa Paliのスケール感に尽きるだろう。宇宙船から一歩出た時に広がる見知らぬ土地の風景はとても幻想的。しっかりと構築されたこの箱庭世界はプレイヤーを圧倒し、一瞬にして魅了してしまう。あの向こうにはどんな風景が広がっているのだろう…と原始的冒険欲や好奇心をくすぐられて、ゲーム世界へとずりずり引きずり込まれる。

“ゲームをプレイしている”というより、まるで異国世界を旅しているような擬似感覚の方が近い。真実味のあるハッタリによって、本当にNa Paliという惑星を冒険している気分にさせる。Unrealのように移動やキー探しが楽しいと思えるFPSはそうはない。FPSの移動シーンというものは得てして退屈になりがちだ。これも作りこまれた世界観、ビジュアルに優れたレベルデザインの賜物なのであろう。



この惑星にはスカーやナイルといった種族が暮らし、原生生物達は日々生存競争を繰り広げている。強靭な肉体と鋭いツメを持ったスカーは好戦的な戦闘種族のいじめっ子、修行僧のようなナイルは気の弱いいじめられっ子。こういった生態系が形成されているお陰で、Na Paliのディティールを増すのに成功している。

例えばidのFPSのようにゲーム的に敵がわらわら現れたり、配置されているのではなく、Unrealはあくまでその生物がこの惑星に息づいて生活しているような見せ方に工夫を凝らしている。それによってキャラクターや舞台の存在感をより引き立たせているのだ。(別にidの方法が悪いと言ってるのではない)

AIのパスワークもそれまでのFPSのものとは一線を画しており、プレイヤーを見事なまでに翻弄してくる。こちらの攻撃を華麗に避けて、カウンター攻撃を仕掛けて来た時は驚いたものだ。一体一体との戦闘がとても歯応えがあり、敵が現れるたびにわくわくと胸が躍る。ただ、個人的に残念なのは、敵が地面を滑って移動しているように見えること。ストレイフ移動の時に一番違和感があり、ここが非常に惜しい。

ドッジングやプライマリを駆使して戦うのもUnreal特有のスタイルだろう。これらはガチンコの戦闘における攻略性の幅を広げている。ドッジングで華麗に避けて、プライマリのコンボ攻撃がうまく決まった時の高揚感と言ったら…素晴らしいことこの上なし。

BGMも特筆すべきだろう。普段のBGMはNa Paliを彷徨っている雰囲気を巧みに表現しており、聞いていて心地が良い。事態が急変した時や戦闘に入った時のビートサウンドは切り替わりがスムーズで、気分をグンと盛り上げる効果を生んでおり、シーンをドラマティックなものへと変える。特に、スカーと初めて対戦する時の演出と鬼気迫る音楽は相乗していて秀逸。あそこであのBGMがなければもっと味気ないものになっていただろう。



いまプレイしても全く色褪せていなかったUnreal。前にプレイした時は一気にやってしまった記憶がある。今回はゆっくり観光していきつつ進めたいと思う候。しかし、EpicはもうUnrealは作らないのだろうか。UTの需要が悲惨な現状をしっかり認識して、そろそろ原点回帰をしてほしい。それともこのまま家ゲーメーカー&エンジン屋として、生きていくのだろうか。それはとても残念かつ淋しいものである。