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10/27/2007

タイムリープ体験版 - これがいわゆる仕草萌え

タイムリープ体験版(393MB)

タイムリープブートベンチから数ヶ月。
待望の体験版が公開されました。


fpsは60 - 90で推移で軽くて安心。視点が切り替わるベンチと違って、体験版では固定視点でキャラの寸劇を見るだけですから、それほどパフォーマンスも圧迫しないでしょう。

さすがM@YAさんが関わっているだけあって、3Dになっても「3D特有の不気味の壁」は現れず、2次元同様に萌えるものになっています。「2次元が飛び出した」そんな表現がしっくりくる。

まず、目に飛び込んでくるのがキャラクターの細かな仕草。髪をかき上げたり、指を器用に動かしたりと仕草がとても可愛い。そして、アニメーションの細かさは身体だけに留まらず、表情も機微もちゃんと読めるようになっています。目を細めてみたり、口を尖がらせたり…仕草萌えと言わざるを得ません。

仕草萌え。これは3Dだけに許された特権。
3Dになることで、一枚絵では表現できないことも容易に表すことが出来ます。例えば「彼女は頬が赤らんだのを隠すかのように、顔を両手で覆った」とか「思い切り振り上げた足を、勢いよく振り下ろした」等、一枚絵のCGでは想像する(もしくはCGを切り替える)しか出来ないことも、3Dで常時アニメーションで表現が可能になり、それによりリアリティや存在感を孕んできます。3Dにした恩恵はここにあると言っていいでしょう。

ただ、これはこのジャンルの草分け的存在であるらぶデスが既に実践していることです。らぶデスでは上記の「仕草萌え」が話題を呼びましたが、同時に3Dの活用性については発展途上で考えさせられる内容でした。細かなアニメーションによってキャラの表現方法は飛躍的に向上しましたが、残念ながら3Dの空間を活かせてはいなかったのです。

次元が加わった以上、奥行きも活用すべきではないか?という意見が浮かび上がるのも自然なことでした。視点の移動や3D空間の移動を出来るようにするべきではないか。それにより、「電子紙芝居」から脱却したADVが完成するのではと考えたりもしました。体験版をやる限りではタイムリープがやっていることは、従来のエロゲーのフォーマットの延長線上に過ぎません。3Dを十二分に活用しているとは正直言い難い。



しかし、エロゲーが今の形に落ち着いているのは、プレイヤーとの利便性が一番合致しているからなのです。もし3D空間を自由に動けるようになったとして、メリットはあるのでしょうか?キャラを様々な視点から鑑賞できるのは利点だと言えるでしょう。しかし、利点と言えるのはそれぐらいで、むしろデメリットの方が多く浮かびます。

変にインタラクティブ性を加えてしまうと、従来のエロゲーのような「物語り」が出来なくなり、クリエイターが意図したテンポも崩れてきます。ADVのように選択肢(アクション)だらけで会話するよりも、時たま選択肢を選んで後は読みすすめるだけの方が「物語を楽しむ」スタンスに合致し、没入感も高まる。なんでもかんでも干渉できるようになると、逆に没入感が損なわれることもあるのです。例えば某3Dエロゲー会社のシリーズもの。あれ、やっていて虚しくなりませんか?

そして、3D空間の箱庭を用意するには膨大なリソースも必要とします。容量はそれだけ誇大化し、おまけにパソコンのスペックも高くなる。従来のエロゲー的な物語を展開するのであれば、今のタイムリープの形で問題はないと言っていいでしょう。変に、3Dを活かそうとすると、逆に泥沼化します。

上記の戯言は別にどうでもいいのですが、体験版をプレイしてみて、純粋に続きが読みたくなりました。突如目の前に現れた「もう一人の歩」。「また」の言葉が意味するのは…。製品版が楽しみです。