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06/01/2009
Kane and Lynch: Dead Men - その男達、凶暴につき
主人公は元傭兵のケイン。ケインが死刑囚として護送されている途中で事故が発生し、リンチという男と共に逃亡する。事故を起こしたのは傭兵組織の「The
7」。
The
7はケインとリンチの弱みを握っており、それをネタに脅迫してくる。弱みを握られた二人が犯罪行為に手を染めていくというストーリー。
ゲームシステムはFreedom Fightersに酷似している。しかし、戦略性はFreedom
Fightersよりも低下しており、カジュアルなアクションゲームの趣が強い。
スカッドベースの要素はあるものの、それはあくまで雰囲気程度のものでしかない。主人公一人でも問題なく進められてしまう。
リンチやその他の仲間に特徴はなく、どれも似たり寄ったりの性能。ここらへんがFreedom
Fightersよりも戦略性が低いと感じてしまうところだろう。
仲間への命令は三種類。「付いて来い」「攻撃しろ」「迎撃しろ」で単純化されている。命令内容は漠然としていて、細かく指示はできない。また、仲間には別に命令を下さなくても自動的に行動してくれる。
このバランスを「いちいち命令しなくてもいいからラクチン」と考えるか、「的確に指示できなくてイライラする」と考えるかで本作に対する評価は変わってくるだろう。命令しなくても勝手に付いてきてくれるので煩わしさを感じないのは事実だが、仲間がアホな行動をしていてもそれを上手く制御できないのにはもどかしさを感じる場面もある。
ただ、本作はヌルめのアクションゲームであり、仲間の重要度が低いお陰でゲームプレイにあまり影響を及ぼさない。仲間が居れば弾丸避けになるが、別に仲間が居なくてもケイン一人で進められてしまうバランスだからだ。
ヘルスは自動回復方式。ヘルスがゼロになると倒れるが、仲間が近くに居る場合は蘇生してくれる。仲間が倒れている時は主人公が蘇生を行える。蘇生は一回まで。二回目の蘇生時はアドレナリンの大量摂取で死亡してしまう。
クラブでの銃乱射、ビル内での銃撃戦、刑務所からの脱走、カーチェイスなど、映画にありそうなシチュエーションが取り入れられている。チャプター毎にシチュエーションがガラッと変わるのは良い。
ただ、チャプター毎の繋がりが分かり辛い。アメリカでドンパチやっていると思ったら、次は日本のステージだったり。まるで話が飛び飛びになっているような…重要なシーンだけ切り取ったようなダイジェスト感がある。チャプター間にはケインとリンチの会話(文字だけ)があるのだが、とてもそれだけでは説明が足りない。
また、ケインと家族の関係性、リンチの人間性も掘り下げが足りないと感じる。プレイヤーがゲーム世界に入り込めず、傍観しているような気持ちにさせるのは多分そのせいだろう。
マップの構造は開放感があり、ゲーム的な窮屈な感じがない。街並の描写はなかなか凝っている。本作では日本が登場するのだが、ここでIO
Interactiveクオリティ(Hitman 2など)がいかんなく発揮されている。
「車」や「投資しなさい」という看板には思わず噴いた。あまりにも直球過ぎる。いくらなんでも「投資しなさい」は露骨過ぎるだろう。
また、日本のクラブで人がゴミのように集まっている光景は一見の価値あり(Hitman:Blood
Moneyでもあったが)。これだけ人間を描画してもフレームレートに影響がないのは素晴らしい。インスタンスの描画処理が上手いのだろう。
20ドルならそれほど悪くないかなという印象。タクティカル性もアクション性も中途半端な出来だが、めちゃくちゃ悪いというわけではない。サクッと遊びたい時には最適なゲームかもしれない。