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05/01/2009
Cryostasis - 100万回死んだねこ
開発:Action
Formsと聞くと、Carnivores、CHASM : The Rift、あるいはVivisector: Beast
Withinを思い出す。なかでも私はCarnivoresのジュラシックパーク的箱庭感が大好きで、よくプレイしたものだった。Carnivoresは元ネタになったDeer
Hunterよりも手軽に遊べるのが、私の嗜好に合ったのかもしれない。
とことでCryostasis: Sleep of
Reason。事故を起こした砕氷船を探索するアクションアドベンチャーゲーム。物語は主人公が砕氷船へ到着したところから始まる。
主人公にはMental
Echoという超能力がある。これは死人の残留思念を読み取り、その人間が死ぬ間際まで時間を遡り、追体験ができる能力だ。サイコメトリーとタイムリープの混合版とでも思ってもらえればいい。
過去の記憶を見る能力はドラマや映画でよくある表現だが、過去の記憶からその時間へと介入できるのは珍しい。また、他人の記憶を日記やビデオテープで間接的に知るのは他の媒体でもできることだし、今までのゲームにも存在したが、他人の記憶自体を主観的に追体験できるのはこのゲームならではの表現である。
このMental
Echoを使い、人間を死から救うことで物語は進行していく。人間を助けると死体がなくなり、現代になにかしらの影響を与え、障害に遮られていた道が進めるようになる。凍りついた船と彷徨っている乗組員の魂をMental
Echoで探り、正しい道へと導いてあげるのがこのゲームのテーマのようだ。
Mental
Echo中のパズルは様々で、解いていくのが楽しい。パズル自体はさほど難しくない。二度、三度やり直せば必ず解けるものばかりだ。ちなみにMental
Echoにペナルティはないので、何回でもチャレンジ可能である。ただ、擬似的だが何度も死を迎えるのは気持ちのいいものではない。
ヘルスは暖気を取ると回復していく。暖かさによって回復できる上限が決まっており、たとえば電球なら小回復、モーターなら大回復となる。外気が寒いとヘルスは一定まで減少していくが、死に至ることはないようだ。
戦いはCondemnedのような近接戦闘。プライマリで攻撃、セカンダリでガードになっている。駆け引き性はCondemnedに及ばないどころか、The
Hunt以下。テキトーに殴っていれば勝ててしまうので手応えは薄い。戦闘はあくまでオマケと考えた方がよさそうだ。
敵からダメージを受けると水色のエフェクトが一瞬表示される。どうやら「敵からのダメージ=寒気」らしい。敵の存在は畏怖や恐怖心が生んだ幻想として解釈するのが適当だろうか。サブタイトルの「Sleep
of Reason(produces demons)-
理性が眠れば悪魔が生まれる」のごとく、理性を失い、感情(恐怖・焦燥・孤独)に支配された状態では、悪魔(敵)が幻想として現れるのかもしれない。
水の表現が凝っている。部屋の温度が上昇すると氷が溶けて、氷解水が流れ落ちたり、氷に覆われていたオブジェクトが本当の姿を表す。外気や雪などのパーティクルの粒子表現もリアルで、寒さが伝わってくるかのようだ。プレイしていて寒くなってくる。
主観視点のアドベンチャーゲームとしてプレイすると楽しめそうだ。舞台設定といい、ゲーム性といい、Penumbraシリーズが近いかもしれない。