« Mass Effect 2 - ワクワクし過ぎて待ちきれねぇ | トップページ | Neverwinter Nights 2 - 開始するまでに3年 »

02/22/2009

The Elder Scrolls III: Morrowind - メタ化された人達

  Morrowindの住人は共通の話題に対して、定型文で返答する。つまり、私が「この街の名前はなんですか?」と問えば、どの住人も「ここはハテナという街ですよ」と答え、「ではこの街の名産品はなんですか?」と問えば、「ハテナですよ」と答えるわけだ。

  これはTESシリーズの伝統システムであり、第一作のArenaからずっと継承されている。だが、それに不満を感じるプレイヤーも少なくない。口裏を合わせたように同じ答えしか返さないのはおかしい!と思うのも一理あると言える。しかし、誰も彼もが同じ返答をするのには二つの理由がある。

1.プレイヤーが情報を探し回る手間を省く

  これはしょうもないフラグ立て作業や聞きたくもない情報に対してのアンチテーゼである。他のRPGではNPCが一つの返答しかしてこないものを多く見かける。街の入り口に居るNPCに話しかけると「こんにちわ。勇者さま。ここはハテナという街ですよ」というあれだ。そのNPCはそれ以外を口にせず、壊れたおもちゃのように同じ台詞を連呼し続ける。

  私は街の名産品について知りたいのに、このNPCは街の名前しか教えてくれない。名産品を知るためには他のNPCを探し、徒労を重ねなければならないというわけだ。余計で無駄な作業以外の何物でもない。特殊な話題であればそのようなことも起きるが、自分の街の名産品くらい住人なら誰でも知っていることだろう。お前はどうやってこの街で暮らしているのかと問いたい。

2.受け答えが予想できうる問いに対して、答えが大きく食い違うことはない

  これは言ってみれば住人の総意である。あなたが街の名前や名産品を尋ねられたら、どう答えるだろうか。十中八九「ここはハテナという街で、ハテナが名産品ですよ」と答えるはずだ。外国人に日本のイメージを尋ねたら「フジヤマ、ゲイシャ、ニンジャ、サムライ」の一つくらいは出てくると思うのだがどうだろうか。

「TESってどんなゲームなの?」と聞かれたら「なにやっても自由なRPG」と答えるだろうし、
「Doomってどんなゲームなの?」と聞かれたら「海兵隊員がエイリアンをなぶり殺すFPS」と答えるだろうし、
「ライトニングさんってどんな人?」と聞かれたら「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」と答えることだろう。

  こう聞かれたら大抵の人はこのような返答をするだろうという意味でTESでは定型文が採用されている。もちろん、人によって答える内容が変わることもあるだろうし、全部が全部同じわけではない。それに対しては別の台詞を用意することで対応している場合もある。

  私はこのシステムを好意的に捉えている。ただ、細かく注文を付けるとしたら、少しくらいはバリエーションも変えて用意欲しい。大元の返答は同じで良いから、ちょっとくらいは変えて欲しいよねと思うことが少なからずある。やはり、同じ返答しか返ってこないと寂しいものだ。

  しかし、それを実行するとプレイヤーが逃してしまう情報があったり、印象が変わってしまう恐れもある。そして、ライターの作業量が大幅に増すのも問題だろう。これよりも優れた妥協案を探すのは難しい。