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12/30/2008

英雄伝説VI 空の軌跡FC - とうさんに似たもの

  ジュブナイル的、ライトノベル的なストーリーラインと演出は相も変わらず健在。出だしから展開が早く、グイグイと引っ張る力があります。思春期真っ盛りのエステルとヨシュアのコンビからは早くも甘酸っぱい展開を想起させ、先の展開が読めていても気になってしまう。いわゆるJRPGのノリが好きな人は楽しめそうなストーリーでしょうか。

  今回は主人公がエステルという女の子。英雄伝説で女の子が主人公というのは珍しい。もしかして、シリーズでは初めてではないでしょうか。男の子が主人公では表現できない物語を描きたいのではと開発陣の狙いが窺えます。



  戦闘システムは基本オートだった前作からうって変わって、アクティブターン性に変更。シンボルエンカウントで戦闘に入ると専用のマップへと移動し、速さと行動によって攻撃順が切り替わっていきます。戦闘マップはスクエア方式で一回移動するか、攻撃をするとそのターンは終了。

  攻撃順によってクリティカルやHP回復のボーナスが付きます。このボーナスは敵見方どちらにも効果があるため、なるべく敵には与えないように行動するのがベター。あらかじめどのターンにボーナスが付くかは表示されるので上手く狙って攻撃順を調整できると爽快です。

  攻撃を行ったり、ダメージを受けたりするとCP値が上昇し、一定値まで溜まるとクラフトと呼ばれるスキルが使えるようになります。クラフトは二回攻撃をしたり、補助を行えたりとお得な効果を持ったものが多く、上手く活用すると戦闘は格段に楽になる。CP値が100まで蓄積するとATブレイクをいつでも発動できるようになり、敵のターンであろうと無理矢理割り込めます。

  アクティブターンが鍵を握るシステムは戦略性が高く、歯応えのある戦闘が楽しめるようになっています。ただし、スクエア移動の重要性が低く、開始位置がパターン化しているのが残念なところです。戦闘マップは非常に狭い上に高低差がなく、ヒット&アウェイ等の戦術は発揮しづらくなっています。また、戦闘開始時の位置は2種類(背後を取られた場合と普通)しか用意されておらず、同じ敵と戦った場合は毎回同じ位置から始まるので新鮮味に欠けてしまいます。



  戦闘に勝利するとセピスという宝石を入手します。セピスを工房に持っていくとクオーツと呼ばれる魔法石を精製ができます。そして、精製したクオーツを各キャラクターのオーブメントにはめることでステータスアップや魔法の使用が可能になります。

  クオーツはいつでも付け替えることができるので場所に応じて付け替えるのが最適。苦戦した敵でもクオーツの組み合わせによっては楽に倒せるようになる可能性を秘めています。武器や防具などの装備の種類は少なく選り好みできなそうですが、その変わりにクオーツは色々と模索のしがいがありそうです。



  ジュブナイル的なシナリオは体のあちこちがこそばくなり、私の好みからは外れますが、アクティブターン性の戦闘は意外に手応えがあり、戦闘目当てで続きをやってみようかと思います。ガガーブトリロジーのような放置国家にならないといいのですが。