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06/30/2008

Alone in the Dark - 電撃イライラ棒

確かに「苛立たせる要素満載」には納得。操作にしても、ゲーム進行にしてもイライラするところが散見し、神経を逆撫でしてくれる。



視点は客観・主観・定点と三つ用意されており、客観と主観はプレイヤーで切替が可能。しかし、それぞれ操作方法が異なるため、勝手に視点が切り替わるとその度に戸惑わざるを得ない。主観と客観の特性を認識した上で状況に適した視点でプレイさせようとする意図は理解できる。だが、プレイヤーが望まないところでも勝手に視点が切替るので思わずイラッとしてしまう。

それに主観でも客観でも、それぞれの視点で全ての動作が行えるようにした方が操作に一貫性が保てて、気持ちよくアクションできるだろう。主観では物を持って殴れないとか、客観では銃を撃てないとか、面倒臭い無駄な操作が多すぎる。せっかく二つの視点を用意しているのだから、どちらの視点でアクションするかは任せて欲しいものだ。やりづらく感じたのならプレイヤー自らが視点を切り替えるだろうし、いちいち制限まで与えて強制する必要性はない。



殴打の動作はかなり頂けない。アニメーションは非常にぎこちなく、アクションのレスポンスが悪い。おまけに当たり判定がなまじリアルにできているせいで物の先端がどこかにぶつかってしまうと最後まで振り切れずに攻撃が中断されてしまう。ドアを殴って破壊するフューチャーがあるのだが、この仕様のせいで壊すのが難しくなっている。ドアの縁にぶつかってしまい、なかなかドア自体に攻撃できないのは日常茶飯事。これは歩くときも同様で、持っている物が壁にぶつかって進行を阻害する時がある。

アイテムには幾つかの使い方がある。たとえば油のボトルなら地面にこぼして引火させたり、ボトルを投げつけたところを銃で撃って爆発させたり、銃弾に油をふりかけて炎弾として使用することができる。アイテムを組み合わせることで様々な使用用途が生まれるのは面白いのだが、そのアイテムでなにができるかが初めはわかりづらい。使用する方法は一々段取りを踏まないとならないのが難点だ。ボトルとライターを装備して、ボトルと銃を装備して…と一々操作が面倒臭い。一応、装備のショートカット機能が用意されているが拡張性が低いため、全ての組み合わせには対応できない。



インベントリが一風変わっていて、主人公のジャケットの中を見下ろした画面になっている。確かに設定としてはリアルだが、これはアイテムを選択するのが面倒臭い以外の何物でもなく、旧作のような普通のインベントリにしてくれた方が機能性は高い。

まだたき機能なんてのが搭載されており、敵のゲロ攻撃などで視界が悪くなるとまだたきをして視界の回復が行える。これまた面倒臭いだけで面白みがない。ほんと思い付きのアイデアが多すぎる。普通アイデアってのは熟考して、面白いか否かを見極めてから導入するものだろう。ゲームに取り入れたとしても、やはり面白くなくて没というのもあると思う。しかし、これの場合は「面白いアイデアみっけ→これ最高じゃね」で安易に採用したまま。しょうもないアイデアのオンパレードでカオス化を迎えている。



ゲームは旧世代的な一本道アドベンチャースタイル。開発者の意思にそぐわない行動を取るとゲームオーバーなアレだ。見た目はシネマチックなカットシーンとゲームプレイをシームレスに切り替えて、なかなか見ごたえのあるビジュアルになっている。

しかし、シネマチックな表現にこだわるあまり、操作しづらいところが多々あり、チャプター2のドライブシーンは地獄だった。地震と共に画面が揺れ、建物の倒壊に勝手に画面がフォーカスし、操作しづらいのなんの。おまけにここは答えから外れた行動を取ると即ゲームオーバーでイライラが募る。敵の攻撃に巻き込まれたり、穴に落ちて死亡ってのは理解できるが、止まっている車にぶつかるとゲームオーバーというのが解せない。ゲームオーバーになる根拠がどこにあるのか、納得のいく説明を所望する。



炎がフィーチャーのひとつらしく、炎を活かしたパズルが多い。椅子や棒などの物体を火に近づけると引火する。これを使って障害物を燃焼させたり、敵を焼き殺す時(炎がトドメになる)などに使う。また、暗い場所では松明代わりにもできる。逆に、消火器を使ってファイアデパートメンのごとく炎を消しながら進んでいくところもある。どこかで見たような気もするが、本作で唯一面白い要素だ。

これは酷い。どうみても…と声高々にして言いたかった。先にネガティブな噂を耳にしているからだろうか、そんなに悪くないんじゃないかと思ったりしている。よろしくない操作性、思いついた稚拙なアイデアを片っ端から採用しているマズさはあるが、周りの環境を活かしながら解いていくサバイバルパズル自体は面白く、ADVとしては悪くない出来だと感じている(理不尽な死亡はこのシリーズの伝統なので深くは追求しない)。それとも、これからもっといやーんな出来事が起こるのだろうか。