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06/24/2008

the witcher - 一日一回金朋地獄

てことで、The Witcher開始。イントロムービーはバケモノとゲラルトさんの戦い。ゲラルトさんの身のこなしに思わず「ゲラルトさんカッケー」と呟いてしまうが、もしかしてThe Witcherは家ゲー的なロールプレイおざなりRPGではないかと危惧感が生まれた。我はゲラルトさんの“活躍を見たい”んじゃなくて、ゲラルトさんになりきって“活躍したい”んだ。



その後、ゲームがスタートすると、イントロムービーから数年後にゲラルトさんは記憶喪失の状態で他のウィッチャーに保護されたと知らされる。剣術は体が覚えているが、サイン(魔法)やウィッチャーに関連する知識はこれまでの記憶共々失われているようだ。力業ではあるがこのようにしてプレイヤーとのすり合わせが行われ、スムーズにゲーム世界へと移行する処置が取られている。ゲラルトが記憶を失くした理由も物語の主題に関わってきそうだ。

原作が人気ファンタジー小説だけに(日本では翻訳されていない)付いていけるか心配だったが、ゲームから入った一見さんでも問題なくプレイ出来るようになっている。原作を知っていれば、より深く楽しめるのは確かだろうが…。

初めはチュートリアル的なステージだからかもしれないがリアルタイムムービーでダイアログがガンガン流れて、いかにも家ゲー的な鼻のつくところがある。どちらに助太刀するかを選択するシーンがあったが、プレイヤーのモラルを問うような選択ではない。先日プレイしたMass Effectとどうしても比較してしまうが、The Witcherの会話やムービーシーンは前時代的で主人公との距離を感じてしまう作り。プレイしているというよりも、見ているというニュアンスが先行する。この点に関しては後々、自己主張できる選択が現れることを期待しておこう。

 

戦闘はNWNに若干のアクション要素を追加したタイプ。敵を選択すると自動的に攻撃モーションへと入るが、剣を切りつけた時にタイミングよくクリックすることでチェーンコンボが発動する。うまくコンボを繋げられると大ダメージを食らわせられるという仕様。それにより、敵を選択したら後はボーっと見ているだけのような退屈さを与えないようになっている。

また、攻撃スタイルがストロング(重)・ファスト(速)・グループ(複数)と三つ用意されており、敵のタイプに合わせて使用することで有利に戦える。素早い敵にはファストスタイル、複数の敵に囲まれたらグループスタイルのように状況に合わせて使い分けるのがベスト。

方向キーを素早く二度押しすることで、ローリングやジャンプなどの回避行動が発動する。ただ、これはテンポが悪く、回避行動を取ってしまうとコンボが中断されてしまうため、この戦闘システムにマッチしているとは言い難い。パリー(受け流し)は自動で処理してくれるようだが、これはスキル値が反映されているようだ。今のところ戦闘システムに関してはアクションなのか、RPGなのか、どっちつかずで芳しくない印象。



ゲームの進行はFableが近いか。ノンリニアタイプではなく、チャプター毎に行けるエリアが区切られているようだが、エリアは結構広くて探索し甲斐がある。クエストも豊富で、歩き回っていたら10近くのお使いをもらった。クエスト毎のバリエーションはもう少しやってみないと分からないね。

登場するキャラクターの造形はメインのみならず、普通の住人もバラエティに富んでいて、使い回しが少ない。それぞれ個性があって良い味が出ている。オヤジキャラは渋め、女性キャラは洋ゲーにしてはなかなか良い線を行っているのではないか。

景観は幻想的という言葉がバッチリ似合う雰囲気が醸し出され、思わずうっとりしてしまう。使われているデータ自体が高品質なものではあるが、初代Unrealの時のようなアート的な美しさとでも言おうか。有無を言わせずに魅了させられてしまう説得力が内包している。やはり本場の人間が作り出す世界は一味違うもんだ。西洋のファンタジーは西洋の人間にしか作れない。



ダイアログが大量に押し寄せるので流石にナナメ読みでも厳しい。そこで有志の日本語訳をありがたく使用させて頂いている。意訳版は古いバージョン用のため、現在は機械翻訳版しか公開されていないが、それでも有るのと無いのでは大きく違う。確かに機械翻訳らしい怪しい文法は多々見られるものの、音声を聞きながら文節を拾っていけばニュアンスは伝わるので問題なしだ。金朋地獄すなわちカネトモフロムヘルに比べればなんてことはない。意訳版が出るまではまったりプレイするつもり。