« Fallout1 - 日本語 | トップページ | CRIMES of WAR - お兄ちゃん、かっこよすぎ »
06/22/2008
CRIMES of WAR - 良く言えば拡張版、悪く言えば二番煎じ
Crimes of
Warなんて有りがちなタイトルに変わってしまっているが、本作は見紛う事なきUbersoldierの続編である。ストーリーは前作から続いているので、前作はプレイしたおいた方が望ましいだろう。キャラクターの関係性や前作の展開は知っておいた方がいい。
主人公は前作から引き続いてカール。恋人(?)のマリア、レジスタンスのおいちゃんも登場する。懐かしくて、感慨深いものが込み上げた。マリアは髪型を変えたようでイモ臭さが薄れた感じだ。
前作は3Dのムービーシーンのみだけだったが、今作ではグラフィックノベル風のシーンが挿入。もともとUbersoldierはアメコミっぽい(ロシアのゲームだけど)ストーリーやプロットを持っていただけに、それほど違和感もなく受け入れられる。前作はどうでもいいようなムービーシーンのみで無個性な印象を受けたが、今回はこれによって独自の味が出ているように感じた。
前作ではヴェールに包まれたままだったナチスのスーパーソルジャーが今回は積極的に登場し、宿敵的な存在として描かれている。物語の面白みは今作の方が上手だ。
ただ、これらのカットシーンとゲームの繋ぎが相変わらず雑で、いきなりロケーションが別の場所に変わったり、前触れもなく回想シーンに入ったりするなど面食らう所が多々ある。
ゲームプレイは基本的に前作を強襲しているが、変更もいくつか加えられている。4人をナイフキルすると発動するバーサク、同じくヘッドショットで4人を倒すと発動するユーベルスナイパーは一定時間だけスローモ&無敵状態で殺戮を行えるというもの。
バーサクやユーベルスナイパーの発動に成功するとXPが得られ、これはステージクリア時にスキルとして振り分けられる。用意されているスキルは5つ。ヘルス(体力値上昇)、エネルギー(スプリント&タイムシールド時間増加)、ステイシスシールド(弾丸を跳ね返せる時間増加)、エモーションタイム(バーサク、ユーベルスナイパー時間増加)、アキュラシー(命中率上昇)。
登場する敵はナチス兵ばかりで、プレイフィール自体は前作とあまり変わり映えしない印象を受ける。ただでさえタイムシールドという能力があるにも拘わらず、追加された能力のバーサクとユーベルスナイパーは無敵状態+スローモーションで強力すぎる感は否めない。
ただ、一度に登場する敵の数が多く設定されており、主人公の足が遅くなっている為、普段は消極的な行動が望ましいが能力発動時は積極的に交戦できるので戦闘のアクセントとして働いているように感じる。この能力が無ければ、より一層無味乾燥なゲームプレイになっていただろう。
主人公の足が遅くなってしまったのは好ましい変更とは言い難い。前作は結構広めのレベルデザインの中を走り回りながら進んでいくアクション性の高いゲームプレイだったが、今作では動きが鈍重になってしまったのでタクティカル寄りのプレイに変わってしまっている。スプリントが用意されているが、これはタイムシールドと兼用なので常時スプリント状態というわけにはいかない。また、スプリントを使用しても、前作には及ばない速度で動きが爽快感に欠ける。歩行速度に合わせて全体的にレベルデザインが縮小化されており、狭い場所での戦いが中心で息苦しい。
スキル値の振り分けは個人的に面白みを見出せない。1XP当たりがどの程度の効果を齎すのか分からず、アップグレードしても実感に欠ける。ライフゲージが少し長くなって、「ああ、ちょっと上昇したんだ」と感じる程度だ。前作ではナイフキルを繰り返すと、ライフが上昇するのをすぐに実感できて、嬉しさがあったのだが、今作のスキル性はあまりうまく機能していないように思う。
それに、たくさんXPを得る為にバーサクとユーベルスナイパーを狙いすぎて、戦闘の主従が逆転しているにも感じる。能力が発動せずに敵を倒してしまうと、敵を倒したのに後ろ髪を引かれる思いをするのは私だけだろうか。本来ならば敵を有利に倒す為に能力は使われて然るべきなのだが、まるで能力を発動する為に戦っているような感じさえ覚える。得られるのなら一つでも多くのポイント(XP)を狙ってしまうのが人間の性(さが)だろう?
ゲームプレイは前作から変わらず、拡張版的な内容という印象。敵はナチス兵ばかりで単調さを感じてきた。後半は超能力者やスーパーソルジャーが登場して、メリハリが付けられることを願う。お話は今回で完結するんだろうか。