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10/31/2007

Clive Barker's Jericho - 帰ってきた犬刀

Jerichoやっています。ゲームは、Ubersoldierぽくなってきたところまで進行。リーダーがヌッ○されるまで結構長かった。電脳ハックゲー(エクトプラズムゲー)ということは事前情報で知っているので、驚きがスポイルされてしまっているのが残念。

グラフィックは期待通りヌルヌルグチョグチョで、バーカーのクリーチャーデザインも忠実に再現されている。近付いたらテクスチャボケボケ、ポリゴン丸出しで興醒めということはなく、クリーチャーのアップに耐える繊細な造詣は一見の価値有り。醜悪な世界に感動を覚える。

仲間と常時行動するため、ホラー的な恐怖感は無いと言っていい。


・醜悪で素敵なデザイン

ゲームの内容に関して、ある程度は覚悟していたので落胆は少ない。 リーダーが隊員に憑依しながら行動する部隊の発想はユニーク。CQB&ミドルレンジ中心の戦闘はあまり例がないため新鮮(Star Wars:Republic Commandoタイプ)。しかし、コンセプト倒れの感が否めず、技術的及びゲームデザインの部分で、太刀と同じ轍を歩んでしまっている。

ゲーム進行はとにかくリニア。メインの通路しか用意されていおらず、場所を活用して敵を翻弄する余地はない。ただただ、ベルトコンベアー式に進んで、現れる敵を排除していくのみ。こちらが部隊に与えられるのは「進め・戻れ」の漠然とした命令だけで、隊員は特定の位置に入ると定められた場所へと移動するようになっている。プレイヤーが部隊をマネージメントする労力は極力避けられており、ゲームは半ば自動的に進んでいくのだ。

ならばプレイヤーはドンパチに集中できるかと思いきや、そう上手く事は運ばない。命令しなくても、隊員は勝手にカバーしてくれるのだが(というより詳しく命令ができない)、予め決められた場所が埋まっている場合は仁王立ちする特性があり、戦闘にすら参加しないこともたまにある。一旦、戦闘に入ってしまうと、バカな隊員は命令を全く受け付けず、こちらは成す術が無いのだ。こんな呆れるような仕様なら、リーダーが詳細に命令しながら部隊をマネージメントした方が気が楽である。


・サボタージュしている人が一人

そして、命令できないもどかしさに拍車を掛けるのが、Kamikazeのように猛進して爆発する敵。近付かれる前に倒さないと爆死してしまう危険性は、戦闘をスリリングなものにして面白くさせるように見えるが、このゲームのシステムには合っていない。

先程も言ったように、一度戦闘に入るといくら「進め・戻れ」をしようとも、彼らは命令は受け付けないため、近付かれるとどうしようもないのだ。ここがとても歯がゆい。まぁ、それだけならば、対処できなかったプレイヤーに過失があると言えよう。一番の問題は、爆発に自ら進んで巻き込まれてしまうことである。この敵は、倒した後に数秒してから爆発するのだが、バカな隊員は死体に勝手に近付いて爆死してしまう。せっかくKamikazeされる前に敵を倒しても、これでは全く意味がない。

いくら死のうとも何度でも蘇生が可能なので、それほど苦にはならない。ただ、命を軽薄なものに感じさせる、このシステムは爽快感や緊張感を失わせる。ゲームはリセットできるから、別に死んでもいいや。そんな軽薄さ。


・命ってこんなに軽薄なものだったの

隊員はそれぞれ特殊能力を持っており、能力の仕様は一つずつプレイヤーに理解させる作りになっている。一見親切に感じられるが、用意された障害がことごとくわざとらしく、うんざりしてくる。「この能力を使って障害を排除せよ」と序盤はこればかりが続き、長ったらしい会話シーンと相まって説明的な印象を受けてしまう。

別に、これと同じ過ちを犯しているのはJerichoだけではないが(例:HL2)、それらのゲーム同様に“やらされている感”を生んでしまっている。また、普段の戦闘で、使える能力と使えない能力がはっきりしていて、一人全く使えない人が居るのは困り者。誰とは言わないが、彼は存在価値に乏しい。


・スローモーションや動きを止める能力は有用

キャラをシームレスに切り替えるのは面白いが、部隊行動はお世辞にもうまくいっているとは言い難い。Star Wars:Republic Commandoくらいの命令が下せればストレスは減っただろうし、まともなAIルーチンが作れないのなら、キラー7のように多重人格の設定にした方が良かったのではないかと思われる。一人で複数の人格を操って、ペインキラーばりに蹂躙した方が楽しそう…ってゲームが根本から変わっているか。

上記の戯言は、プレイ途中のものであり、クリア後には変わっていることもあるので誤解なきよう。