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11/26/2008

Left 4 Dead - ゾンビにだけはモテモテ

  これまでおまけ扱いだったCoopを中心に据えたスタンスは新鮮味があり、なおかつゲームバランスも上手く調整されている。Coopの基準を定義したFPSという形容がLeft 4 Deadには相応しいのではないだろうか。

  これまでのアクション系Coopにはいくつかの問題点があった。

  • 一人だけ特攻してもゲームが進行する
  • プレイヤーが散り散りになりやすい
  • プレイ人数が定まっていないため、バランス調整が難しい

  シングルプレイを中心に据えたゲームの場合、シングルの内容をCoopできるとしてもバランスはちぐはぐになりがちである。いつでも適正人数が全員揃うことは難しく、人数が多すぎても少なすぎてもサーバー側で難易度を調整してやらなければならない。また、基本は一人で遊べるようになっているため、協力を促す仕掛けに欠け、プレイヤー間の繋がりが希薄であった。

  Half - LifeのCoopではしゃがんだ仲間の背中に乗って、もう一人がスイッチを押して扉を開くようなギミックが用意されていたが、これはプレイヤーが仕組みを知っていないと進行が中断し、テンポの悪さに繋がる。また、必要な人数が揃っていないと先に進めなくなる可能性がある。

  Serious Samでは裁ききれないほどの大量の敵を登場させることでプレイヤー同士を協力させようとしているが、敵の出現にインフレが起こり大味になりがち。マップが広すぎてプレイヤー同士を集合させるのが難しく、点々とした争いが起こりやすい。

 その点、Left 4 Deadはプレイヤー人数が4人と定められていることでバランスの上下が発生しにくい。このゲームにはプレイヤーの進行具合によって、敵の数を可変するシステムが搭載されており、適正な難易度へゲーム側が調整を行う。ゲームバランスは4人で集まって進まないとすぐにゾンボ狩りがゾンビに変貌する難易度で、意識せずとも協力し合って、勝手な特攻プレイを防いでいる。

  プレイヤーはヘルスがなくなると瀕死状態に陥るが、制限時間内に他のプレイヤーが蘇生を行えば復帰が可能になっており、これも協力させるための仕掛けとして働いている。他のプレイヤーにとっては一人でも失うと戦力は大きく減退してしまうため、蘇生を促される。この即ゲームオーバーにならないシステムのお陰でゲームのテンポが中断されず、他のマルチのゲームオーバー時のような定点カメラをじっと見つめて待ち、合流するまでに時間を要することが減少している。

  また、瀕死→死亡の二段階を用意し、いずれも他者に救出してもらわないとならないシステムは自暴自棄なプレイを抑えているように感じた。ヘルスがなくなると死亡してしまうゲームの場合、「またリロードしてやりなおせばいいや」的なスタンスが生じやすいが、このゲームでは瀕死時も復活時も誰かに助けてもらわないと生き返れないため、プレイヤーに勝手な行動を自重させやすいのではないだろうか。

  このようにプレイヤーにそれぞれの役割を理解させつつ、他者に依存しあわなければならないバランスによってCoopゲームとして大切な協力プレイをLeft 4 Deadは形成している。 

  一般的なゾンビは普通は突っ立っている状態で、こちらに気付くと突進してくる。普通のゾンビ以外にタンク、ウィッチ、ハンターなどの独自の攻撃方法を持つゾンビが存在し、ゲーム中に程好く登場してくる。

  状況はスローな展開から、いきなりスピーディな展開へと切り替わることがしばしばでゲーム進行に波があり、平板な印象を与えない。展開に起伏があることで一定の緊張感を持たせ、単調さを感じさせないことに繋がっている。人間は緊張と緩和が交互に訪れることによって、快感を得る動物である。緊張させすぎても、緩和させすぎてもダメなのだ。すぐに慣れと飽きが同時に訪れる。

  能書きはこのへんにしといて、明日からプレイ日記。