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08/21/2008

GRAW2 - マゾであることを誇りに思う

 Nvidia Physxの真価を問うべく、GRAW2をプレイ。木が風に揺れたり、ゴミのような破片が飛び散る効果を薄く実感できたが、ゲームプレイ自体にはなんの変化も齎さず、ただいたずらにフレームレートを消費する結果に終わった。Physx Islandの木は衝撃を加えると幹が折れて、逃げ場を失うような面白さが稀にあったのだが(逆も然り)、本編の木はPhysx ONでも折れない。

  GPUで物理演算を行うことにより、処理が軽くなるというよりも、ゴミのような破片処理が追加されることで逆に重くなっているという印象。どうせやるならゲームに支障が出るくらい派手な効果を起こし、視覚的に訴えかけてもよかったのではと個人的には思う。



  GRAW2は細かな調整が加えられ、フラストレーションの軽減が成されていたがミッションのスケールが小ぶりだったのが残念であった。GRAW1は理不尽、歪なバランス、詰め将棋的なプレイを余儀なくされるなど色々と難点はあるのだが個人的にはこちらの方が好みだったりする。振り返ってみると、理不尽で歪なバランスで詰め将棋的なプレイは私にとってはむしろプラスに働いていたと言えるのかもしれない。

  Vip2 Downの戦車ラッシュは未だに鮮烈に記憶に残っている。倒壊した建物に張り付けにされ、砲弾や銃弾が雨のように降り注ぐ、あの瞬間の光景を忘れはしない。例えあそこから逃れたとしても、気を抜いてしまうと屋上のヘリにたどり着くまでにやられてしまう。注意一秒、怪我一生、命の儚さをGRAWは教えてくれた。

  絶対絶命に追い詰められた逆境だからこそ、クリアできた時にカタルシスが生まれる。我々は簡単に爽快感や達成感を求めてしまいがちであるが、本物の爽快感や達成感はこれまで積み重ねた努力の果てにあるものなのだ。見せ掛けの底の浅い快楽に身を委ねてばかりではいずれ飽和がやってくる。その点、GRAWは心を鬼にしながらプレイヤーに鞭を振るい、容易に飴を与えず、努力することで見える“何か”を伝えようとした数少ないFPSである。GRAWをクリアしたキミにも、きっとその気持ちが伝わり、メッセージを感じとれたはずだ。

  無論、伝わらない人も居たかもしれない。それは仕方のないことなのだ。万人に気持ちを伝えるというのは容易ではない。恋はいつでも両想いとは限らないのだから。だから、これだけは心に留めておいてほしい。

The only good Masochist is a dead Masochist!!