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05/08/2008

Test Drive Unlimited - だけど僕は太陽を描いた

エキスパートランクになり、そろそろレースの内容が難しくなってきた。今まではぶっつけ本番でもなんとかなったが、ここからはそうは問屋が卸さない。あともう少しのところで苦渋を飲む場面が少しずつ増えてきた。レースゲーとして、ようやくエンジンが掛かり始めた頃合だ。だからこそ燃える。

直球のレースゲームと比べるとカジュアルな部類に当たり、必死過ぎないバランスが個人的には良い塩梅だ。レース場が公道ゆえに色々とショートカットが可能な点、対戦車両を一般車両にぶつけて(レースに関係ない一般車両が走っているレースもある)大きく差を開けるなんて無茶な戦法が展開できるのはTDUだけの面白み。ドライブしている公道がそのままレース場に変化するのも新鮮味がある。

ハワイへは行ったことはないが環境描写は大変素晴らしい。それなりに走ってきて、箱庭の尋常ではない作りこみを実感。ここまで舞台が広大な場合は大抵コピーペーストに頼った既視感の強い箱庭に陥ってしまうが、TDUはそれを見事に覆している。どこへ行ってもデジャブを感じさせない巧妙な工夫を凝らした風景が広がっており、それが舞台の説得力、そして没入感に繋がっているのは間違いない。

車から降りれないようにしたのは正解だと思う。無駄に散策が出来ると粗を見つけて興醒めし、遊べる要素が少ないと不満を挙げていただろう。歩行が出来てしまうと、どうしてもアレもしたいコレもしたいと欲望が生まれてくる。TDUの場合は「タイトルに付いているようにあくまで“ドライブゲーム”なのだから、別に歩く必要なんてないじゃん」と、説得の仕方が上手い。もしくはハッタリが上手いとでも言おうか。

出来ることが少なかったとしても、要はそれを感じさせなければいい。ユーザーを巧みに騙してしまえばいい。ハッタリや努力一つでなんとでもなる。無駄にボリュームを増やしたり、自由度を無理に広げたりするのは危ない思考だ。逆に、それによって肝心のゲームプレイは薄くなり、方向性が定まらない危険性を孕んでいる。物事において大事なのはルール決め。どこまで出来るかを決めるのは大切。ルールでゲームの面白みは決定する。ルールがしっかり決定していないゲームは面白みもきっちり成立しない。

オセロは黒と白の公平な戦いと明確なルールが成立しているから面白いのであって、4色のオセロと1色のオセロが戦うゴセロなんて面白いだろうか?いや、ルールの立て方次第では面白いかもしれない。つまり、そういうこと。



TDUはドライブアシストの加減が調整できるものの、基本的にアーケード寄りの挙動だ。しかし、チャンピオンクラスになるとハードコアモードなるリアリズムに即した操作モードが解禁されるらしく、ちょっと楽しみ。

ハードコアとはどのぐらいハードコアなのだろう。願わくばびんかんサラリーマンソーセージハードコア並にハードコアで敏感一郎並に敏感な操作を必要とするモードだと燃える。生まれたての小鹿のような挙動が今から目に浮かぶぜ。ハードコアモード解禁が楽しみだ。