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04/24/2008
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 - 命は目覚めて時を紡ぎ出す
DVDが発売されるのを首を長くして待っていた。映画館へ見に行った友人の伝聞では「見た目が綺麗になった再編集版」との話だったが、再編集版などでは決してなかった。ヱヴァはエヴァとは似て非なるもの。焼き直しではない、完全なる新作であり、彼の目の節穴さ加減がよく分かる。1800円も払って、なにを見てきたんだか理解に苦しむ。
「ヱヴァだけ見ても問題ない」というのも間違いだ。ヱヴァを見る前に、アニメ版エヴァ及び劇場版EOEは見ておいた方がいい。というよりも必ず見ておくべきだ。ヱヴァ序を先に見て、面白いと感じられたのなら、ヱヴァ破の前に旧作シリーズに目を通しておくこと。
そうでなければヱヴァの意図するところを汲み取れない。これでは楽しみは半減、いや激減してしまわざるを得ない。
ヱヴァ序ではアニメ版第壱話から第六話までが描かれており、基本的にエヴァのプロットを強襲している。しかし、細かな差異がたくさん含まれていることによって、鑑賞後の印象は全く異なるものとなる。
まず、第一に「登場人物たちの心の補完」が行われているということ。エヴァのキャラクターと言えば辛辣極まりない人達ばかりで、まるで「自分が良ければ他人なんてどうでもいい」とでも言いたいような人格を疑う思考をしていた。しかし、今回のヱヴァのキャラクターは現代的な思考は持ちつつも、人の心を考慮してあげられるような理想的な“ゆとり”を併せ持っている。
無理難題をシンジに無理矢理押し付けて解決していくのがエヴァだとすれば、問題に対してゆっくりとシンジを向き合わせていく余裕のある方法がヱヴァ。ミサトさんの気配り、早い段階からトウジやケンスケのフォローが入り、シンジの心がケアされている。また、メインキャラ以外のモブのカットが増えており、“戦っているのはシンジだけではない。決して一人ではない。”と強く意識させる。ヱヴァ序のサブタイトル「You
Are (Not) Alone」はそういうことなのだろう。
これによりヱヴァは、エヴァ特有の“息の詰まる緊迫感”は残しつつ、少し未来が明るくなったエヴァの世界が描かれている。最後のカットから考えて、ヱヴァはエヴァとは別の世界。心の補完が成された世界なのではないかと思う。
旧エヴァを見ていても間違いなく楽しめるであろう新生ヱヴァ。むしろ昔のエヴァを知っている者こそ、その違いに気付けて楽しめるようになっている。決してブランドにすがった低俗な焼き直しや再編集版ではない。これまでガイナはそういった低俗な商品を濫造していたが、今回ばかりは断じて違う。絶対にガッカリさせない新エヴァ作品に仕上がっている。
さて、次回作のヱヴァ破ではようやくアスカ様が登場。そして、めがねっ子(!)及び5号機、6号機が新たに登場するのだから目が離せない。庵野監督、期待してます。