西部劇FPSの「Call of Juarez: Bound in Blood」を始めるよ。今回は二人の主人公による協力プレイが特徴。銃撃戦は前作よりも洗練されている。
南北戦争に参加していたMcCall兄弟。戦いの最中、家族に危機が迫っていることを知り、戦争を放棄して急いで帰郷する二人。しかし、すでに家は襲撃された後だった。親族は惨殺され、唯一弟だけが生き残った。三兄弟は家族の再建を目標に渡り鳥として生活していくことになる。
まさに「ビバ伊太利亜西部劇!」というか、ベタをベタで行くような展開。だが、むしろそれが良い!伊太利亜西部劇のシナリオはベタでナンボ。演出さえ凝っていればオールオーケー。真打は遅れて現れるのがメキシコ式。それがマカロニウエスタンである。
長兄のRayはこの時点では聖職に目覚めておらず、素行はよろしくない。頑固で乱暴者だ。街の偉いさんの娘とちょめちょめしたせいで決闘に巻き込まれたり、有力者の女に一目惚れするなど、トラブルを巻き起こす。
次兄のThomasは普段はクールを装っており、存在感が薄い。だが、顔は整っているし(もう少し骨ばってたらイーストウッドぽい気がする。高速ファニングが特技だしね)、ライフルを得意としているのでプレイキャラクターとしては使いやすい。
三男のWilliamは聖職者(?)であり、非戦闘キャラ。ゲーム中で一番話す量が多いかもしれない。ロード中は彼の心中が独白によって明かされる。家族再建のためとはいえ、汚い仕事に手を染めていく兄達の行いに胸を痛め、聖職者らしく正しい方向に導こうとするがなかなかうまくいかない。
基本的なゲームシステムについてはデモ版の日記―Call of Juarez: Bound in Blood – アウトローたちの決斗を参照願いたい。
進行は一本道で道を外れ過ぎるとゲームオーバーになることもある。演出には力が入っており、某Call ofなんとか(1、2)の西部劇版と表現すると分かりやすいだろうか。
今回はRayとThomasの共闘が特徴。チャプター開始時にプレイキャラクターを選ぶことになり、片方はAIが操作する。パートナーはサポート役に徹し、多少は戦闘の役に立つというバランス。あんまり強すぎるとプレイヤーの活躍する場面がなくなるので、これぐらいがちょうどいいと感じる。基本的に一本道だからAIがバカな行動をしたり、お荷物になることはなく、共闘している気分は味わえるだろう。
前作のマップは構造が単純でオブジェクトの量が少なかった。そのせいで銃撃戦の駆け引きが単調な感が否めなかったのだが、今回は高低差を活かした場所やオブジェクトが豊富に配置されているお陰で立ち回りに工夫ができるようになっている。また、ヘルスは自動回復方式に変更されたので回復アイテムを気にせずに戦えるようになり、気兼ねなく無茶なアクションを行える。前作はヘルスが数値方式で有限だったため、ケチケチとした戦いをせざるを得なかった。アクションシューターとしては今作の方が楽しめるだろう。
しかし、どちらのキャラも同じ場所(同視点)での戦いになるため、変わり映えしないという問題がある。前作は逃走する側と追跡する側で明確にゲーム性が分けられており、チャプター毎に新鮮な体験が出来た。ただ、そのゲーム性自体に欠陥があったのも事実。新鮮な体験をするためにわざわざ出来の悪いチャプターを遊ばなければならない前作、変わり映えはしないが出来がマシな銃撃戦だけを遊べる今作。難しい選択だ。
たまにチャプターの途中に武器ショップがあり、ここで武器や弾を購入できる。新品の銃や性能の高い銃はここにしか置いていない。お金を稼ぐ方法は敵の落とす金袋を拾うか、フリーローミング時のサイドミッションをクリアすればいい。
一部のチャプター(チャプターVIで確認)にはフリーローミングシーンが用意されており、メインの進行と関係のないサイドミッションで遊ぶことができる(別にやる必要はない)。
サイドミッションは張り紙から依頼を請け負い、賞金首を倒したり、家畜を助けたりすると報酬がもらえるという仕組み。フリーローミングシーンでのフィールドはそこそこ広く、馬に乗って自由に駆け回れる。マップ内には野党がいるので注意が必要だ。
ここは規模の小さいFar Cry 2を思い浮かべてもらえると分かりやすいだろう。メインミッションではマップを眺めている時間がなかったので、ここでじっくりと西部劇の世界を堪能できる。西部劇が好きな人は、馬を駆ってパカラパカラしてるだけで幸せになるだろう。
どうせならこの形式(フリーローミング)で西部劇のFPSを作って欲しいな。GUNみたいなの。イーストウッドとか、ネロとか、リーヴァン・クリーフ的な用心棒(賞金稼ぎ)プレイがしたいわけで。まぁ別に男じゃなくて、ビッチの方のジャンゴでもいいですけれど。名無しもよかったけど、やっぱりリリィだよね。
【雑感】
銃撃戦は改善が見られる。アクションシューターとしての出来は前作よりも上。ただ、ストーリー展開がスロースターター気味で牽引力が前作に比べて弱い。前作はハラハラドキドキの連続であったが、今回は西部劇的なゆったりとした流れで渡り鳥たちの旅が描かれている。
もともと私は演出過多で自分のペースで進められないゲームが嫌いなのでメインの進行はやらされている感を感じてしまって、あまり良い印象は持っていなかった。しかし、小規模ながらフリーローミングシーンが用意されていることで評価が変わってきた。夕陽に照らされながら馬に乗って荒野を駆け抜ける・・・これぞ幼少の頃から夢に描いていた西部劇ごっこ!チャプターVIのサブミッションは三つしか用意されていなかったが、他のチャプターではもっと用意されていることを願おう。しょーじき、メインストーリーはどーでもいいから、もっとフリーローミングがしたい件について。
コメント
おお!!!このゲームをはじめられましたか。
エンディングまぢかの盛り上がりと「ベッタベッタながら感動できてしまう展開」には正直CODシリーズのよりも私はシナリオにおいて高い評価をあたえています。前作の「FPSとしてつまんねぇーよ」から「FPSとしては普通に遊べてシナリオの演出は向上」した「前作の不満点」を綺麗に解消した良作だとおもいます。
まぁ続編で前作の不満点を解消するのは当たり前ながらその当たり前ができていない続編がいかに多いやら。
なるほど。後半から盛り上がってくるのですね。期待しときます。