【序】
旅の途中で巨大な石壁を発見したドヴァキン。石壁には大きな門が一つだけあるが固く閉ざされており、中には入れそうにない。その時、上空からドラゴンが現れ、石壁の中へと侵入する。中からは悲鳴が聞こえてきた。数秒後、扉が開かれ、人が飛び出してくる。ドヴァキンは中へと入り、ドラゴンをやっつける。その様子を見ていた村人から賞賛され、暖かく村へと迎え入れられた。村長はドヴァキンに村で活躍した者に与えられる功労者の称号を与え、「ここでこれからも暮らさないか?」と提案する。
【破】
ドラゴンの襲来によって、村人の間には不安が広がっていた。そこで村長はドヴァキンを村へと迎え入れることで、不安を拭い去ろうと考えた。ドヴァキンは村長の突然の申し出に戸惑いを隠せない。勝手の知らない村で暮らすのは誰だって不安だ。
そこで村長はこの村の生い立ちを話し始めた。この村は見ての通り、外の世界から隔絶されており、例外を除いて外の人間は中へ入ることは許されず、また村人が外へ出ることも許されない。村の生計は、この村でしか生産できない嗜好品の収益によって成り立っており、食べ物は自分たちで作っている。定期的に嗜好品を外へと出荷する馬車が村へと訪れるが、それ以外の時は門は閉まったままである。
ドヴァキンは「なぜそこまで頑なに外の世界との交流を絶っているのか」と尋ねる。村長は「村人の幸せを維持するためなのだ」と言い、幸せについて語り始めた。
人の心の中には幸せの器があり、それは視野を広げることで肥大化し、次第に大きな幸せを得なければ満足ができなくなる。美味しい物を食べればさらに美味しい物、面白い娯楽を見つければさらに面白い物を求めてしまう。幸せの水準が一度上がれば、それ以下の幸せでは満足ができなくなる。そこでこの村は外との交流を絶ち、幸せの水準を一定に保つことで幸せを維持することに決めた。この村に居れば衣食住は確実に支給され、仕事がしたい人には嗜好品の生産という選択肢も用意されており、不自由のない生活が保証されている。皆が同じ物を着て、同じ物を食べ、同じような家で暮らす為、格差も生じない。不自由は自由を知ることで生じるが、自由を知らない村人たちは今の生活を不自由だとは感じず、生まれてから死ぬまで満足して暮らすのだと村長は語った。
ドヴァキンは村人にもこの村について話を聞いてみた。村人の大半はこの村の生活に満足しているが、中には外の世界を渇望しているものも存在した。その人はドヴァキンに外の世界の話を聞き、さらに外の世界への思いを強める。
【選択肢】
・この村で暮らす ・この村の生活に飽きたので外へ出る
【急】
村で数日間暮らしたドヴァキンだったが、外の世界が恋しくなり、村長へその旨を伝えに行く。村長はドヴァキンの願いに渋々ながらも承知し、送り出そうとした時、再びドラゴンがやってきた。ドラゴンは村を焼き尽くし、村長はその被害に巻き込まれ死亡。大きな被害を出しながらも、ドヴァキンはなんとかドラゴンを仕留めるが、村は再起不能なほどに壊滅的な打撃を受けていた。村を修復するのには時間がかかる為、ひとまず残った村人はどこかへ避難しなければならない。外の世界は危険に満ちており、衣食住も約束されていない。外の世界を渇望していた人物も、今までの生活がいかに幸せだったのかと肌で実感するのであった。
ブータン関連のニュースを見ていて思いついたシナリオ。物語性の強いクエストより、単純にダンジョンを増やすMODの方が歓迎されそうな感じもしますが、MODを作るなら何か考えさせるようなメッセージ性のあるものがいいなと思います。Construction Setが出たからといって作る予定はありませんが、こういうどうでもいいような物語を考えるのもTESの一つの楽しみなのかもしれません。
コメント
ドゥヴァキン君可哀想ですね・・・