Divinity 2: Ego Draconis – 建前と本音のRPG(1)

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ドラゴンに変化できるところまで進んで記事を書こうと思っていたが、なかなか変化しやがらないので、とりあえずファーストインプレッションを書いておく。

Divinity 2: Ego DraconisはDivine DivinityやBeyond Divinityの雰囲気を継承したアクションRPG。2010年11月販売のDivinity 2: Flames of Vengeanceは拡張パックにあたり、Divinity 2 : The Dragon Knight Sagaは本編と拡張をセットにしたパッケージになっている。

・Divine Divinity
Ultimaにハック&スラッシュを足したようなRPG。癖の強いNPCが多数存在し、世界観や会話はブラックユーモアに溢れ、クエストの一つ一つが凝っている。Diabloのような修飾語の付いたランダムアイテムが登場する。
・Beyond Divinity
Baldur’s Gateにハック&スラッシュを足したようなRPG。ヒーローとデスナイトの二人を操作する。ブラックユーモアに充ち溢れた世界観は健在。プレイヤーはヒーローに感情移入する形で進めていくことになるが、デスナイトが茶々やツッコミを入れることで物事の見方を多元的に表現しているのが特徴。
・Divinity 2: Ego Draconis
今回紹介するやつ。
・Divinity 2: Flames of Vengeance
Ego Draconisの拡張パック的な内容。15時間ほどのボリュームがあるトカ。
・Divinity 2 : The Dragon Knight Saga
Ego DraconisとFlames of Vengeanceをセットにしたパッケージ。

Divinity 2: Ego Draconisのストーリーは、プレイヤーがドラゴンスレイヤー見習いとしてドラゴン討伐に参加するが、旅の途中でドラゴンナイトに目を付けられ、ドラゴンメシアになってしまうというもの。

マップはエリア毎に区切られている。一つのエリアが結構広く、サブクエストや隠しアイテム、メインクエストに関係のないダンジョンがたくさん存在する。マップは高低差や起伏に富んでおり、レベルデザイナーの手作り感を感じられる多面的な作りになっていて、探索するのが楽しい。

なぜかは分からないが主人公はどんな高所から飛び降りても一切ダメージを受けないため(ドラゴン関係の戦士は足腰が強いの?)、高所からI Can Flyしても大丈夫なのでダイブも楽しめるようになっている。ラクにショートカットできるので移動も便利だ。

メインとなるクエストを放置して、マップ探索やサブクエストをやっていくことも可能で、オープンワールド系ほどではないが自由度は高め(一本道感は薄い)。メインクエストだけを追っていくとボリュームが少なく感じそうだ。ただし、メインクエストだけをやっていくと、いずれ力不足になりそうな感じで、サブをやってレベルを上げる必要が出てくるだろう。レベル補正の影響は強く、5レベル以上の敵には勝てそうにない。

登場キャラは相変わらずクセの強い人物が多い。一人一人が特徴的で、会話内容も面白く、選択肢が多いのも嬉しい。それと今回はマインドリーディングという能力を使うことでNPCの本音を聞くことができる。表ではご高説を垂れているエライ人も、裏ではエロイことや打算的なことを考えていることも・・・。マインドリーディングのお陰でBeyond Divinityのデス様のような多面的な物の見方ができるようになっている。

おまけにマインドリーディングでクエストを解決に導いたり、物の価格を下げることも可能なので有効活用したい。ただし、マインドリーディングを使用するのには経験値を消費する必要があるため、乱用は禁物。便利な能力にはそれ相応の対価が必要というわけだ。

ダンジョンにはたくさんのトラップが仕掛けられており、謎解き要素もある。クエストの内容も凝っていて、一つ一つが丁寧に作られている印象がある。先の選択が後々に影響してくる場面もあって、物語にプレイヤーが介入している感じが味わえて良い。

主人公のジャンプ力は高く、移動速度も早めでアクション性はなかなか高い。敵の魔法をローリングやジャンプでかわしながら、攻撃を叩き込むといった戦法も可能だ。

しかし、当たり判定が微妙。外見的には命中しているであろう攻撃が当たっていないとか、逆に敵の攻撃も命中しているはずなのに当たっていないということがある。おまけに弓による遠距離攻撃は敵の頭上にマーカーが表示されない限り、絶対に当たらない。逆にマーカーが表示されていたら照準がどんなにズレていてもオートエイムで命中してしまう。また、敵の弓矢は高速でホーミングするため、高確率で命中し、回避のしようがない。

戦闘はRPG的な処理判定が重視され、アクションゲームとして見ると微妙な作りとなっている。プレイする前、私はアクション性の強そうなイメージを持っていたが、期待とは違う方向性で落胆してしまった。Divinity 2はGothicやTESよりも、MMORPGとかハック&スラッシュの系統に近く、とにかく数値(レベルやステータス)が物をいう。プレイヤーのアクションスキルではどうにもできない部分が多く、そういうのを期待すると落胆してしまう可能性が高いので注意願いたい。

装備品はDiabloのような修飾語の付いたアイテムになっており、宝箱やツボの中身はランダムになっているようだ。武器は強さを実感できるのだが、防具の方は性能を実感しにくい。

というのも、防具には近接防御・遠距離防御・魔法防御と三つの防御力が設定されており、一つが高くても後の二つが低かったり、逆に三つまんべんなく揃っているものは飛び抜けて強くないという欠点がある。また、それぞれの防御力が少しくらい上昇したところでダメージが大きく減るわけでもなく、体力の影響の方が強い。装備毎にグラフィックが細かく変化するのは嬉しいが、防具の性能を見てもニヤニヤしにくいのは残念なところだ。

レベルが上がるとステータスとスキルのポイントを獲得する。ステータスの腕力・敏捷・魔法の効果はこれまた実感しにくく、装備品のステータス制限(腕力20必要とか)に応じて上げていった方が無難。

スキルはプリースト、ウィザード、ドラゴンスレイヤー、ウォリアー、レンジャーなどの系統に分かれており、好きにスキルポイントを振り分けることが可能。どれかに特化させてもいいし、オールマイティーに育ててもいい(バランス的にはオールマイティーに育てた方が無難)。序盤でどういうクラスにするかを選択できるが、これはステータスとスキルのボーナスが貰えるだけなのであまり悩む必要はない。スキル数は多く、バラエティに富んでいるように見えるが、利用価値の低いゴミスキルが結構あったりするので、最適解を狙うと同じような構成になりそうだ。

序盤は脳筋戦士タイプで進める予定だったのだが、敵の集中砲火に遭うことが多かった為、弓中心で進めていくことになった。敵は魔法や弓を使うものが多いので近接で戦うと集中砲火を浴びる。こちらも遠くからチマチマと弓を射っていた方が安全に倒せるし、なにより矢は無制限で弓の攻撃力は近接武器に匹敵するほど高い。欠点といえば近接武器に比べて、攻撃速度が少し遅いくらいだ。

戦闘システムは期待とは異なり、肩透かしを受けたが、会話やクエスト内容は独特なユーモアに溢れていて面白い。さてさて、ドラゴンになれるのはいつの日か。

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