2024年9月26日にバージョン1.0の正式版となったロストインファンタランド。デッキ構築型RPGとSRPG(タクティカルRPG)を組み合わせており、定番のデッキ構築型のカードRPGとはまた一味違った内容となっている。
森・砂漠・雪の3つの章のボスを倒すとゲームクリアとなる。マップには戦闘・カード屋・アイテム屋・イベント・焚火(回復)などのマスがある。全マス攻略していなくてもボスのマスをクリアすれば次のマップへ移行する。
戦闘は8×8の平面で行われる。移動はMOVP、カードの使用はAP(MP)を消費する。敵の次の攻撃や範囲は参照できるようになっているので、ここに移動すれば攻撃されないなとか、次は攻撃してこないからアーマーを貼る必要はないなといった戦術を考えることが可能。手札のカードを吟味しながら戦術を練るデッキ構築ゲームの楽しさがある。
主人公の職業は戦士(3)、ウィザード(2)、トリックスター(1)で6種類のサブクラスが用意されている。
職業毎にデッキのカード内容と始めから所持している秘宝が異なる。カードの内容はプレイを重ねて覚えていくしかないが、初期の秘宝についてはどういう効果があるのかを理解した方が良い。
例えば、戦士のサブクラスである勇者は、3つの攻撃カードを同時に出すと追加ダメージ、4つ同時ならさらに上乗せという秘宝を所持している。重いコストのカードを一枚使うよりも小さいコストのカードを3枚重ねた方が合計ダメージが上がる。勇者デッキに出てくる刺突(2マス攻撃)と重ねるとさらに強力。
勇者:攻撃カードを同時に3枚以上出すことを心掛ける。この仕様を理解していなかったので初めは弱いと感じてしまった。
星盾戦士:このゲームでは防御カードを使って、得たアーマーは次回のターンで消失する。しかし、スターライトの効果によって、次ターンも残せるようになるのでスターライトを維持し続ければアーマーをずっと貼った状態を保てる。時間はかかるがアーマー重視で戦えばダメージをくらうことがない。デッキの方向性が分かりやすく、初めにクリアできた職業。
狂戦士:追加ダメージ強化のレイジによる爆発的な破壊力を秘めたクラス。攻撃によってHP回復するカードがあるので、ダメージをある程度くらうことを前提にした身を切らせて骨を断つ戦法が有効。このクラスも分かりやすく、初見でクリアできた。
炎ウィザード:発火の状態異常を重ねてダメージを稼ぐ。直線方向にしか攻撃できないスペルモードと障害物を無視できる範囲攻撃モードが用意されており、モードチェンジのカードを使用することで切り替える。MPカードを使ってMP回復しないとカードが使用できない。戦士クラスと違って、デッキ圧縮が重要で難しいクラスに感じた。
雷ウィザード:自動で敵を攻撃する雷のオーブや全マス攻撃の電撃などがあり、炎ウィザードよりもマス目を無視した戦い方ができる。工具によってMP回復量を制御できるので炎ウィザードよりも使いやすかった。
風水師:環境を利用した攻撃、毒攻撃、ヴォイドスパイクと色々な攻撃手段を持っている。環境カードをアップグレードすると全マスの環境を編集できる。敵からなるべく距離を取って、環境とヴォイドスパイクを配置した戦法が強かった。
敵を倒すとソウルオーブを入手し、これで永続的な強化が可能で次回の冒険が楽になる。
世界設定は、現代の主人公が異世界のファンタランドにやってきて、魔物と戦うという物語。システムの説明やチュートリアルが異世界転移物の冒頭のようなメタいやりとりとなっており、ネットスラング染みた悪乗り会話が頻発する。
戦闘時の敵の攻撃パターンはすべて参照できて対策を思考できるSlay the Spire式のデッキ構築型カードゲームの良さをしっかり継承している。普通のSRPGでは攻撃の命中率のランダム性に振り回され、攻撃ミスの不快感がある部分がこのゲームにはない。デッキ構築でランダム性を演出しており、SRPG+デッキ構築の二つが上手く組み合わさったゲームデザインに仕上がっている。
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