なんらかの理由で日本円の価値がなくなるとヤバいので政府の借金を増やしましょう

この記事は約5分で読めます。

すごく曖昧な内容。経済アナリストという仕事は虚業なんだと思った。

日本など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられないのか(久保田博幸) - エキスパート - Yahoo!ニュース
財務省は2002年5月23日に格付会社のムーディーズとフィッチに対して、意見書を送っており、その内容は財務省のサイトにもアップされている。「外国格付け会社宛意見書要旨について」

現在の日本政府はコインは除いて通貨発行権は有していない。このため中央銀行は通貨価値を安定させるための金融政策を行っている。

少なくとも現在の先進国の政府は通貨発行権は有していない。そして、自国通貨建ての債務ならば本当に問題はないのかという問題も残る。

一行目と二行目で矛盾している。現在の先進国とはどの国を指しているのか。永遠に借り換え可能な自国国債の発行、信用創造(英: money creation)は事実上の通貨発行では?

しかし、何かのきっかけで日本国の信用が毀損した場合、日本国民や日本企業の国内に有する金融資産が海外に逃げてしまうというようなリスクは想定されていないのであろうか。

根幹にあるのは、かろうじて国債への信認が維持されているからである。

この信認が日銀引き受けなどによって毀損された場合には、江戸時代のような事例が起きかねない。通貨への信認毀損の立て直しにはかなりの労力が求められるし、経済にも大きな打撃を与えうる。

「何かのきっかけで日本国の信用が毀損した場合」
「かろうじて国債への信認が維持されている」
「通貨への信認毀損の立て直し」

恐怖を煽るだけで曖昧な言葉である。これらは如何なる事態を想定しているのか? 金融アナリストという肩書はよく分からないが何らかのプロだったら素人にも分かりやすく、具体的に事例を上げてみてどうか?

日本円は日本政府が日本円での納税義務を日本国民に課すことによって自国通貨として流通している。つまり、我々が真面目に納税義務を果たすことによって日本円の価値は保たれている。

仮に日本政府が「明日から税金はドルで支払え。日本円では税金は払えない」と言えば日本円は流通しなくなり、代わりにドルが流通することになるだろう。労働者は会社に「ドルで給料を支払え」と訴え、お店は「ドルでしか買い物できません」と言い出す。

分かりやすい例え話にウォーレン・モズラーの名刺というのがある。

モズラーさんは子どもたちにお手伝いをしてほしい。
「お手伝いをしてくれたらパパの名刺をあげるよ」と言う。
しかし、子どもたちは「パパの名刺なんてなんの価値もないからいらないよ」と断る。

そこでモズラーさんは「月末にパパの名刺を30枚提出しなさい。できなかった子は出ていきなさい」と言う。
すると、子どもたちは家を追い出されるのは嫌だからお手伝いをするようになり、名刺を集めだす。

次第に子どもたちの間で名刺の受け渡しが行われるようになる。

「今月、名刺集めきつくてさー。お前の宿題手伝うから名刺5枚くれよ」
「おもちゃを貸してあげるから名刺3枚ちょうだい」

月30枚ノルマを課すことでなんの価値もなかった名刺が物やサービスを交換する媒体に変化した。

ここで例えられるモズラーさん(パパ)とは政府のことであり、月30枚ノルマは納税、家から追放は行政処分や刑罰、名刺はお金、子どもは国民のことである。


「通貨への信認毀損」とやらの具体例を挙げてみよう。

・通貨偽造や脱税の横行
・政府がデフレ下で増税や緊縮財政を推し進め、生活が不安定な貧困層が拡大し、自殺者が増加する
・政府が国民の財や命を軽視した結果、国民が反政府化し、納税を拒否する
・企業法や派遣法の改正によって中小企業が弱体化する
・政府が観光産業やIR(カジノ)ばかりを優遇し、農業や製造業を支援せず、一次産業や二次産業が衰退する
・外国産業の規制を緩和し、国内産業が破壊される
・低賃金で働く外国人労働者をあの手この手で受け入れる
・自国でものづくりができなくなり、輸入に頼る
・ダムや治水などの防災を怠り、災害によって産業が破壊される
・道州制の導入により格差が拡大する
・地方インフラ整備を怠り、東京一極集中を進め、首都直下型地震が発生する
・他国に土地を占領される

自国ですべて賄い、災害が来てもびくともせず、他国が羨むようなものづくりをできる国こそが強国である。自分は自分で守る。供給力が膨大にある。そんな国の「通貨の信認」とやらはきっと高いだろう。外国や外国人様に依存しているような国は経済封鎖されればひとたまりもなく、外国に振り回されることになる。

日本に存在しない原油やレアメタルは輸入に頼るしかない。しかし、それ以外の自分でできることは自分でできるようにするだけだ。

昭和の時代を思い出せばいい。道路や鉄道を整備して流通を向上させ、ダムや耐震強化で災害へ備えた。政府が国債を発行して、自国を強化する仕事を用意したから国民は正規で安定した生活を送ることができ、消費税も0%だったから消費も活発だった。国債は国債で借り換えし続ければ問題はない。

大震災やコロナでやるべきことは明確になった。いつまで間違い続けた平成を引きずるつもりか。

国債を財源として、国民全体への給付を継続的に行うことが日本経済の建て直しにつながるとの意見を耳にしたが、そもそも国民への給付をそれなりの費用もかけて行って、どれだけの効果があるというのか。

国民へ現金給付を行えば通貨量は増え、経済が活性化する。物を作っても売れない状態が物が売れる状態になり、継続的に売れ続ければ経営者は設備投資や人材育成を行い、会社の規模を大きくするだろう。これが経済発展である。

そもそも定額給付ができれば生活苦が原因の自殺率だって低下する。コロナ禍で女性の自殺率が8割上昇したのは貧困が原因だからだ。コロナは本人の責任ではない。国難でも政府がきちんと舵取りを行い、すべての国民を見捨てず、生存させることが通貨の信認とやらに繋がる。自国通貨を発行できる日本政府にはそれができる。

タイトルとURLをコピーしました