Serious Sam 4 – 火力を増して帰ってきたサム

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Jewel of the NileLegend of the Beastから数えて、約8年ぶりとなるシリアスサムの新作。時系列は一番初めの物語なので新規プレイヤーにも入りやすい。結論から言うと、Serious Sam 3: BFEをベースにして、評判の悪かった敵・パズル・環境を抜き、重火器二丁持ちで火力を上げた内容となっている。クリアまで8時間。

良かったところ

火力マシマシの二丁装備

スキルの選択で二丁装備ができるようになるとオートショットガン+デバステーターとか、キャノン+ミニガンといった凶悪な組み合わせで同時に攻撃ができる。今作では一度に登場する敵が多い為、いかに素早くさばくかが重要。そんな局面で二丁装備が活きる。

今までの作品では基本的に一つしか装備できなかった為、敵に詰められると爆発系の武器が使用しづらく、敵に合わせて武器を切り替えるのが面倒な部分もあった。それが二丁装備により解消されている。敵に詰められた時は連射武器、遠い敵は爆発武器など、遠近の攻撃を同時に行えるようになったのも良い。

同じ武器を装備することもできるのでミニガン二丁持ちでカミカゼの大群をなぎ倒すとか、デバステーター二丁をぶち込みまくるといった豪快なプレイを可能にしている。二丁装備はこのゲームのデザインに適しており、改善といっていいだろう。

飛び散る肉片

敵を倒した時の肉片の飛び散り方はシリーズトップクラス。重火器で敵をなぎ倒すのがとにかく爽快。

キリが良い波状攻撃

冒頭から今までにない量の敵が登場し、新世代のテクノロジーで圧倒してくる。さすがに敵が多すぎてはゲームが成立しないので演出的な使い方になっているものの、盛り上げ方はうまい。今までのシリーズに負けず劣らずの大群と戦うことになるが、2やBFEのラストのようなだらだらとした波状攻撃がなく、スパッと戦闘が終わるのでテンポが良い。

過去作のウザい敵がカット

どの作品にもゲームデザインに適さない敵が存在し、プレイヤーから評判が悪かった。具体的には即着弾のショットガンゾンビやショットガンクローン、拘束してくるウィッチブライド、テンポが悪いスペースモンキーなどだ。ショットガン系の敵は評判が悪い癖に複数の作品に登場してきたものの、ようやく抹消された。

豊富なロケーション

過去作は似たようなロケーションで延々と戦い、代わり映えがしなかった。2はバリエーションは多いものの、狭くてぶつ切り。今作は様々なロケーションが舞台となり、新しいステージ毎に気分を一新させてくれる。おまけに過去作で不評だったウザいパズルや真っ暗闇やアスレチックがない。

個性豊かなキャラクターとB級ムービー(褒め言葉)

地球防衛軍との掛け合いが多く、シリアスなギャグ満載。各地を転々として戦う様はロードムービーのようで各登場人物のキャラがしっかりと立っていて、ムービーを飛ばさずに楽しめた。ムービー中のアニメーションや日本語翻訳の品質は怪しい部分が目につくがそれもB級的な雰囲気を醸し出すのに貢献している。

イマイチなところ

迷彩する敵

フォトリアル寄りのアートデザインなのだが一部の敵が背景や影に紛れ、視認性が悪い。過去作はだだっ広い砂漠やシンプルな構造の遺跡ステージで敵を発見しやすかったが今回はオブジェクトが多く、敵を見落としやすい。雰囲気よりも戦闘重視のゲームなのでここはマイナス。

テンポが悪い敵

素早く移動して狙いづらいドローン、無敵状態のあるバンパイアは戦闘のテンポを落としている。ウィッチブライド並のウザい敵が登場しなかったのが救いだ。

アモパックが存在しない

過去作には全ての弾薬を増やすアモパックというアイテムが存在した。要するに全部の弾をやるから好きな武器で遊べというアイテムだった。それが今作には無く、しかもマップに応じてここはこの武器で戦えと強制させるような弾薬の配置となっている。せっかく二丁装備で火力を増したにもかかわらず、好きな組み合わせでは戦えない場面がある。

COOPで武器がリセットされる

サブミッションをクリアすると強力な武器や装備が手に入るのだがCOOPでは毎回リセットされ、引き継ぎができない。後半で普通に拾えるならばいいのだが一部の武器は拾えないのが残念。

武器が多すぎて選択が混雑

武器の種類は今までで一番多い。色んなおもちゃが増えているのは良いのだが選択するのが大変。二丁装備でより混乱する。サークルメニューで武器選択をできるようになっているものの、戦闘中に選択するのは難しく、根本的な解決にはなっていない。

二丁装備の集弾性が悪い

二丁装備中は一部の連射武器の集弾性が著しく下がる。二丁持てる代わりに狙いづらくするというゲームデザインは分かるものの、弾薬数にめちゃくちゃ余裕のあるゲームではない為、一丁と二丁を持ち替える手間や武器選択の混雑さを増している。

だだっ広いだけで戦闘密度の薄いマップ

一部のマップはものすごく広いが敵の密度が薄く、マラソンゲームと化す。乗り物があればいいものの、登場しないところもあり、無駄に移動に時間を費やされる。

これは間違いなくシリアスサムだ

このシリーズはここは良いけどここは……という賛否両論を常に孕んだ作品であり、今作にも当てはまる。敵の量の多さを二丁装備で解決しようとする脳筋的な方向性は支持したい。バカみたいな大群に向かって弾を撃ち込み、肉片に変えていく光景はまさにシリアスサム。伝統を守りつつも新たな要素も取り入れていくCroteamを私は応援したい。しかし、BFEから4が出るまで余りにも長かった。2の後の話はいつ出るんですかね……。

コメント

  1. 一生過去の話をやることで毎回新規が入りやすいから一生最新エピソードがやれなくなってそう

  2. 未来のサム(パラレルワールド?)の話はDLCでやりそうな感じもしますね。
    途中でVR版を作っていたのもあったんでしょうがBFEから間隔が空きすぎたので、次はもうちょっと短い間隔で出してくれることを期待してます。

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