2018年8月現在ではテロリストハントモードと対戦モードのみ。Rainbow SixやGhost Reconを手掛けたリードアーティストによる次世代のタクティカルシューターという触れ込みとは程遠い内容だがアーリーアクセス(EA)が終わっている頃には唯一無二のタクティカルシューターに仕上がっていることを期待したい。10年後くらい?
タクティカルってなに?
そもそもタクティカルシューターのタクティカルとはなんなのだろう。GROUND BRANCH(GB)がRainbow SixやGhost Reconを例に挙げているのでそれが教科書だとすれば計画、作戦、編成がタクティカルな要素の一つだと言えるだろう。Rainbow SixやGhost Reconであればブリーフィング画面に当たる。ここでマップを見ながら経路を決め、どう行動し、目的を達成するかを思考する。タクティカルシューターにおいて、この第一段階は極めて重要であるがそれらの要素はGBには存在しない。
全体マップは開始時に確認でき、開始地点も二、三点用意されているがマップに指示や情報を書き込むことはできない。そして、目的が「敵を倒せ」しかないのも問題だろう。例えば目的が爆弾を解除するだとか、人質を救出するというものであれば目的地は自ずと限られ、経路を立案しやすい。野良プレイだとしてもそういった目的や誘導があれば身を寄せ合って協力しやすくなるだろう。しかし、現時点ではテロリストハントしかなく、敵の配置もランダムで協力を誘うような要素に乏しい。キャンペーン的なミッションは2024年くらいにはできていることを期待したい。ちなみにGBの開発が始まったのが2012年頃だ。
また、応急的な戦術要素にも欠ける。例えばRainbow Sixではスティックカメラやハートビートセンサー、Ghost Reconでは倍率の高い双眼鏡にドローンやタクティカルマップというガジェットによりプレイヤー側に利があった。敵情をいかに発見し、それに対してどう展開し、反撃される前に制圧するかというのがこれらのタクティカルシューターのゲームデザインであり、オリジナリティであった。
しかし、現在のGROUND BRANCHの兵士の装備は武器のカスタマイズ性は高いものの、それが独自のゲームデザインや面白みに繋がっているかというと疑わしい。ダメージがシビアなだけで西部劇のようなBOTの早撃ちに終始している。Call of Dutyにしたいのか、Insurgencyにしたいのか、Takedown: Red Sabreにしたいのか、ゲームデザインの方向性が見えないのだ。
唯一、希望が見えるところは「物音がかなり聞こえる点」だ。このゲームにはスティックカメラやハートビートセンサーは無い。だが、敵の物音がきちんと聞こえる。定位はPUBGほどではないが「隣の部屋に誰かいるなぁ…下?に誰かいるかなぁ…?」程度には聞こえる(定位は今後改善予定らしい)。実際の物音で索敵させる点は初代のRainbow SixやGhost Reconには無かった点であり、室内戦が主になるのなら音を索敵の主軸にするのも面白いかもしれない。すでにR6:Siegeも音を活かした作りになっているがあれは対戦ツールなのでGROUND BRANCHの方向性とはかち合わないだろう。
まとめ
現在はEAなので人はほとんどいない。実質遊べるのはマップ内のテロリストを殲滅するテロリストハントモードのみ。オフラインモードは用意されているが仲間AIは存在しない為、誰かと協力して遊ぶならオンラインCOOPをやるしかない。簡単なラジオチャット機能しか用意されていないので野良で遊ぶのは厳しい。ボイスチャットを使って仲間内で遊ぶのが基本だがマップは4つしかなく、淡白なBOT撃ちは何度もやりたくなるような面白みには欠ける。購入するのは正式なミッションが導入されてからでも遅くはない。今のペースで行けば5年、10年後くらいには完成しているだろう。
※オフラインモード15人でマップ1つクリア、オンラインでマップ2つクリア済み。