Homesickクリア。2時間弱。無人のビルを徘徊するウォーキングシミュレーター。物語のテーマはThe Vanishing of Ethan Carterが近いかもしれない。
エンジンはUDKを採用しており、たまにフレームレートが落ち込むことがあるがバグやクラッシュすることは無かった。年月の経過した廃墟ビルの描写がとにかく美しく、壁が剥がれたテクスチャなど作りこみが素晴らしい。UE3(UDK)は光の調整が難しく、AAAタイトルでも白飛びがよく見られるのだが本作では淡い光とやわらかい影をうまく表現できていて、繊細な空間を構築できている。光と闇はこのゲームの核であり、テーマに沿った雰囲気作りが臨場感を高めている。
細かなオブジェクトに触れることができ、それがパズルを解くためのキーにもなっている。スイッチを押すとカチッ、カチッとちゃんと動作するのがスイッチフェチにはたまらない。だが、どっちがON/OFFかが分かりづらい。パズルはよく観察すれば解き方が分かるようになっているのだが見落としやすく、導線も曖昧で迷いやすい。発想の飛躍を求められる部分もある。
主人公が喋ったり、メッセージでヒントが出たりもせず、意図的に雰囲気を壊すようなヒントを出さないようにしているのは理解できるし、探索して自分の手で謎を解き明かして欲しいという想いも伝わってくるがややヒント不足な印象を個人的には感じた。行ったり来たりする面倒くさいパズルが多く、パズルを解いた時の快感はあまり得られなかった。パズルを解いたり、物語の真相を知る為にはきちんとメッセージを読み解く必要性があり、言語依存(英語)が高いゲームである。ただ、解読のシステムは面白い仕掛けだと思う。そのせいで英語に特化したゲームになってしまっているが。
時間的なボリュームは少なく、パズルは不親切な部分がある。退廃的な雰囲気や廃墟が好きだったり、物語のテーマが琴線に触れるかどうかが評価の分かれ目というところか。話としては綺麗にまとまっているし、オチも美しい。The Vanishing of Ethan Carterよりも早く出ていれば絶賛できたかもしれない。
以下ネタバレ。
台風の絵や水没した写真があることから台風か水害によって発電所が爆発し、近隣が環境汚染された。避難勧告や転居の手紙があるので住人は安全な場所へと移転したと思われるが主人公はここに残った。昼間は日光に触れる場所を歩けないようになっているがそれは環境汚染による人体被害の影響と考えていいだろう。廃墟、原発からロシアやウクライナの開発かと思ったがカリフォルニアの人が作ったようだ。スリーマイルかサンタスザーナがインスピレーション元なのかもしれない。
主人公は眠ると闇の世界を徘徊できる。闇の世界では昼間とは逆に光の部分しか歩けない。闇は事故によって変貌した主人公の心、光は今まで過ごしてきた当たり前の日常への渇望(ホームシック)や生への執着なのかもしれない。現実世界ではすでに他界しており、魂がビルの中を彷徨っていると見るのが正解か。
最後の展開は鏡を見たことで自分のことを察し、魂が昇華された比喩表現だろうか。廃墟に留まっていた魂が光へと還っていく。この繊細な描写が琴線に触れるかどうかが本作の評価の分かれ目となるだろう。
コメント
はぇ^~すっごいおもしろそう…
廃墟探索ゲーの事が好きだったんだよ!
んにゃっぴ、このジャンルはさっぱり出なくて悲しいなぁ…
出たとしても欧米ばっかで親しみがないですね、これはない
日ペを舞台にした作品もFRAGILEぐらいなんだよなぁ…
誰か作らにゃいかんのとちゃうか!(イニ義)
廃墟の作りこみがすごいから見とけよ見とけよー。哀愁漂うビルがセクシー、エロイッ!
んにゃぴ、パズルは見落としやすいので賛否両論かもしれないですねぇクォレハ…。
外国人が日本家屋を作ると畳やふすまがガバガバになるので、ちゃんとした日本家屋徘徊ゲーは需要があるかもしれないですねぇ…。
ふすまごしに影が見えたり、キィキィと音を立てて縁側を歩くのは怖そう。厠に行こうとしたらあ^~もうおしっこ出ちゃいそう!