Take On Helicopters – 風のみぞ知る行き先(1)

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フライトシミュレータでは戦闘機が人気だが、敢えてヘリコプターを主役にしたヘリコプターシミュ。OFP/ARMAシリーズのBohemia Interactiveが開発しており、ARMAと操作やUIなどが似通っていて、FPSプレイヤーにも馴染みやすい。ゲームモードはフリーフライト、キャリア、チャレンジ、タイムアタック、マルチと用意されており、ARMAライクなミッションエディターも同梱されていて、自作ミッションやMODで遊ぶことも可能。島はシアトルと南アジアの二種類が存在する。ちなみにフリーフライト中はヘリコプター以外に乗用車やボートなどにも乗れたりする。

キャリアモードは航空会社を営むラーキン兄弟を主人公にしたストーリー仕立てになっている。ラーキン兄弟は父の航空会社を受け継いでシアトルで生活しようとしたが、現地に着いて早々ジョセフが事故を起こし、代わりに経験の浅いトムが実務をこなさなければならなくなる。ミッションの内容は空撮・運送・救助・案内などから、民間軍事会社(ARMA2:PMCに登場したION)のお手伝いまでと幅広い。ヘリコプターでできることを片っ端からやってみましたと言わんばかりにバリエーションに富んでいる。

また、ジョセフの兵隊時代の回想シーンもある。ここでは平和的な航空ミッションと異なり、戦闘系のミッションが行える。歩兵を守るために軍用機で敵軍を迎え撃ったり、墜落したヘリから脱出してM4一丁で敵地から逃げ延びるという「それなんてARMA?」なミッションも用意されている。もはやヘリコプターシミュというより、ヘリコプターパイロットシミュと呼んだ方が適切かもしれない。

そのため他のフライトシミュとは違ってゲーム的な盛り上がりがきちんとあり、ミッションにメリハリがついているのでシムファンのみならずゲーマーにも楽しめる作りになっている。「フライトシミュは単純な目標をクリアして終わりでゲーム的にあまり楽しめないからちょっと・・・」という人にもオススメだ。

キャリアモードのミッションをクリアしていくと報酬がもらえ、これで機体をアップグレードしたり、カラーを変更したりできる。アップグレード項目は見栄えを変えるのが主で性能には影響がなく、自己満の分類。ミッション中にラフな運転をしていると機体が傷付き、性能に影響を与える。傷は費用がかかるものの修復可能だ。お金の要素は大きな影響を及ぼさず、ミッションのモチベーションを僅かに高める範囲に収まっている。あまり利用価値がないとは言え、報酬がもらえると嬉しい。個人的にはもっと機体が用意されていたり、従業員を雇えたり、経営要素があったりするとさらに面白くなりそうだと思う。

ゲームの難易度は3種類用意されており、それによって制御方法がカジュアル寄りかリアル寄りかを選べる。エンジン始動にはいくつかの作業が必要だが、それを自動で行うボタンがあるのでフライトに集中したい人でも問題はない。もちろん、各工程のチュートリアルは用意されているので、ヘリのイロハもしっかり覚えられるようになっている。

ただし、ヘリは微細な操作が必要なのでマウスキーボードよりもジョイスティックでプレイすることを推奨する。私はSaitek Cyborg Evoでプレイしているが、2時間ほどプレイしてようやく思い通りに飛ばせるようになってきた。Saitek Cyborg Evoは元々スペースコンバットシミュ向けに購入したのだが、肝心の宇宙戦ではマウスの方が操作しやすくて、積んだままになっていたのだが、ようやく本作で利用価値が見い出せた気がする。しかし、Saitek Cyborg Evoはスティックとスロットルが一体型で操作しづらいので別々のものが欲しい。Saitek X52かT-Flight Hotas Xが欲しくなってきた。


ヘリコプターの操作自体は本格志向なのだが、キャリアモードのストーリーなどゲーム的な要素も盛り込まれており、ゲーマーにもとっつきやすい内容となっている。フライトシミュへの取っ掛かりには最適なタイトルだ。デモ版の内容は最近のゲームに比べるとかなり充実していて長く遊べるので、興味を持ったらまずはこちらを試すのが無難。ただし、前述したようにジョイスティック操作を薦める。

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