Scott Pilgrim VS The World The Game – 友達と喧嘩しながらリア充爆ぜろと部屋の中心で怨嗟を叫ぶ(1)

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同名コミックをベースにして作られたダブルドラゴンやくにおくん風のベルトスクロールアクション。ゲームボーイ音源を彷彿とさせるサウンドと滑らかに動く緻密なドット絵で構成された世界観は懐かしくもあり、今風のキャラクターデザインや空気感と合わさることで新鮮味も感じられる。

物語はナードだけど喧嘩はめっぽう強いスコットがラモーナと付き合うために元カレ7人衆と戦うというもの。ストーリー展開が突拍子もないが、これは原作を読めば分かるかもしれないし、もしくは原作自体もゲームを参考にして作られているそうなので元々こういうものなのかもしれない。映画の予告ムービーを見ると、演出がゲーム中でしっかり再現されていることが分かる。

一応、主人公はスコットだが、それ以外にも3人のプレイキャラが用意されている。それぞれステータスやストライカーが異なるようだ。4人までの協力プレイが可能だが、残念ながらローカルプレイのみでオンラインプレイには対応していない。

開発的にはリア友と肩を並べてフレンドリーファイアオン(同士討ち。設定で切り替え可能)でプレイし、「お前いま狙って殴っただろ!謝れッ!」とか「ワザとじゃないし。言いがかりつけんなや!」とか言いつつ、最終的にリアルファイトへ発展して欲しいということなのかもしれないが、くにおくんをリアルタイムでプレイしていた世代が良い歳こいて友達と未だに一緒にゲームをするのが難しいということを開発には理解してもらいたいというか、リアルではローンウルフで孤高の存在を演じているけど実は寂しがり屋さんな人たちの為にもオンラインには対応して欲しかったところだ。

攻撃方法は弱攻撃、強攻撃、ストライカーの三種類で単純明快。レベルが上がる毎に新しい技を覚え、掴み投げや斜め落下蹴りなどができるようになり、簡単な操作で多彩な技を繰り出せる。ストライカーは仲間による援護攻撃で、ガッツポイントを消費することで広範囲に攻撃できる。ガッツポイントはくにおくんで言うところの気力のようなもので、体力が無くなったとしても気力が残っていれば、それが体力に自動的に変換されて耐えられる。体力もガッツもゼロになると一機失い、機数がなくなればゲームオーバーとなるようだ。機数は購入するか、それとも特定のボスを倒すことで増やすことが可能。

道端に落ちている物は拾って武器として扱え、投げることも可能。物を壁に向かって投げると跳ね返ってきて、それで敵にダメージを与えることもできるし、自分に当たればもちろんその時もダメージを受けてしまう。物と物がぶつかると力が伝わって弾き合い、それにぶつかってダメージを受けることもある。これはくにおくんを想像してもらうと分かりやすいだろう。

敵の攻撃を受けると一瞬怯むため、一度攻撃されると連続で立て続けにコンボをくらい、途中で回避するのは不可能。これはくにおくんやゴールデンアックスでお馴染みのシステムだが、先にCastle Crashersをプレイしているともどかしさを感じるかもしれない。実際、私がそうだった。

また、序盤はステータスが低く、技も少ない為、動作がもっさりとしていて、主人公が弱い印象を受けるかもしれない。しかし、お店でアイテムを購入したり、本を買って読み、攻撃力や速度を上がることでサクサク動けるようになっていく。

一度クリアしたステージは何度でも挑戦可能なので、お金や経験値稼ぎをいくらでも行える為、強化は簡単。きちんと強化すれば戦闘の難易度は低い。少なくともくにお君ほど難しくはない。ステージは基本的に一本道だが、たまにボーナスステージが画面奥に隠されている場合がある。ボーナスステージはマリオ、マザーへのオマージュが感じられる作りで懐かしい。

全体マップはスーパーマリオブラザーズ3風のようになっている。全体マップで見る限り、ステージ数は7つしかなく、ボスも元カレ7人だと思われるのでボリューム自体はそれほどないかもしれない。

ドット絵は滑らかに動き、動かしていて気持ち良い。ボス戦の合間の演出も凝っていて、よく作ったものだと感心してしまう。2DCGと3DCGの関係と同じように、ドット絵には出来ても3Dには難しいことはあるわけで(その逆もしかり)、ドット絵の良さを改めて再認識させてもらった。中割やデフォルメアニメーションを駆使した躍動感の高い動きはドット絵ならではだ。

至る所にアニメやゲームのパロディーが散りばめられていて、ある意味挑戦的ですらある。どこまで元ネタを把握できるか、試されているのかもしれない。

コメント

  1. お久しぶりです。最後にコメントして以降色々と忙しかったため、デモンズソウルからここまで一気読みしてました。
    ところでこのゲーム、以前海外サイトで配布されていた「PirateBabysCabanaBattleStreetFight2006.mpg」という動画の雰囲気と余りにソックリなのでググってみたところ、作者(ポール・ロバートソン)が同じ方だったようで、我が意を得たりとニヤニヤしてしまいました。
    「PirateBabysCabanaBattleStreetFight2006.mpg」は架空のゲームのリプレイ動画ですが、あの雰囲気をリアルに味わえるのであれば楽しそう。
    「比翼連理のだーりん」もやりたいし、XBOX360買おうかなあ……。

  2. ゲーム的な制約があるのでPirateBabysCabanaBattleStreetFight2006ほど見た目は滑らかではないですが、可愛らしいキャラクターがボコスカバトルを行う雰囲気は再現されていますね。
    ゾンビが延々湧いてくるモードなんかもありますが、ゴア要素はありません。
    http://www.youtube.com/watch?v=j7z6bfzHmp4
    ボリュームはやや短めなのが残念ですが、ベルトスクロールアクションが好きな人ならきっと楽しめます。

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