・The Endless Forest – TALE OF TALES
ゲームという媒体を利用して前衛的な表現を続けているTale of Talesの作品。鹿になって森の中を散歩したり、時には他の鹿(プレイヤー)と身振り手振りで意思の疎通を図りながら、まったりとした時間の共有を楽しめる無料のMMO兼スクリーンセーバー。他のMMOやソーシャルゲームのように敵を倒してレベルをあげるとか、物を売ってお金を貯めるとか、友人を増やして優越感に浸るような明確な指標はなく、できることと言えばちょっとしたジェスチャーと魔法に限定されている。
鹿に名前を付けることもできなければ、外見も好きなように変えることもできない(魔法をかければ一時的に角が生えたり、毛色が変わる)。個を特定できるのはアカウント登録するともらえるピクトグラム(アイコン)だけ。ただし、アカウント登録せずにゲストとして遊ぶことも可能だ。
ゲームを開始するとプレイヤーは鹿として森に現れる。あとは森の中を散歩したり、他の鹿と戯れたり・・・好きなようにすればいいし、何もしなくてもいい。鹿という制約の中で自由に振舞えばいいのだ。それを咎めるものはいない。そして、このゲームにはチャット機能がなく、コミュニケーションはジェスチャーのみとなっている。言語の壁や人種の垣根、わずらわしいしがらみから解放され、ありのままを自然に表現できるというわけ。ノルマに追われる毎日、俗物的な社交性やくだらない協調性を求められる日常に疲れた時にこそ、うってつけのゲームだ。
ちょっとした息抜きのつもりで始めたが、気付いたら三時間ほど遊んでいた。ゲームをプレイしていてこんなに時間が短く感じられたこと、心の底から笑えたこと、楽しい気分になれたのは久々のことかもしれない。The Endless Forestはやさしくて、ぽかぽかした気分にさせてくれる。
コメント
このゲーム、妙にクセになるんですよね。
何がある訳でもないのに、他の鹿とウロウロしてしまう。
MorrowindをMMOにするとこんな感じだったのかな、とふと思いました。
ついつい長時間遊んでしまいますね。
レベル上げとか、横殴りとか、ギルドとか、パーティーとか、そんなくだらないことを考えずに、鹿ロールプレイを興じられるのがとてもいいです。
チャットがないのも素晴らしい判断。できることが少ないのを逆手にとっていて、うまいと思います。