The Forever Winter – 重厚なアートワークが魅力的なゴミ拾いシミュレーター(早期アクセス)

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PvE専用のルートシューター。背景やメカニックのデザイン、作りこみが素晴らしく、探索心をくすぐられ、没入感が高い。その反面、ゲームデザインは方向性がまだ定まっていない印象を持った。2025年11月現在、早期アクセス中で日々調整が行われ、環境が激変しているようだ。この記事も早期アクセス中の感想として読んでもらいたい。

敵とは戦えるがマップ内の敵を掃除するゲームではない

主人公は戦士ではなく、ゴミ収集人。敵をバンバン撃って倒していくゲームではなく、隠れながら隙を狙ってゴミを拾い集め、脱出するゲームとなっている。敵はグループで行動しており、普通に撃ち合おうとすると力負けする。

敵が上ってこれないような場所からなら一方的に倒せることもあるが、あまり得策ではない。基本的にはしゃがみながら移動して見つからないようにスルーすることが推奨される。

特にサイレンサーを付けていないと銃声が響き渡り、他の敵グループにも追われる羽目になる。敵は無限湧きなので敵グループを一掃したとしても少し時間が経つと敵がどこからともなく補充されてしまい、終わりがない。

広いマップでは巨大メックや戦車、戦闘ヘリが交戦している姿が見られ、戦場の臨場感が高い。手間をかけてレールガンを用意すれば巨大メックも倒せるようだが、基本的に主人公はもろく弱い存在として描かれているのが印象的だ。

マップ移動のコストが高い

拠点のインナードで装備を整え、各マップに出撃することになる。トンネルAはコスト無しで行けるが、トンネルBは水2個、他のマップは水+ドローンが必要という感じにリソースを要求される。

水はトンネルAでも簡単に拾えるがドローンの方は入手が限られており、気軽に遠出はできない。以前はリアルタイムに水が消費されていく代わりに気軽にどこへでも出撃できる形式だったようだが、現在はこの形式に変更されており、今後変わる可能性はある。

ちなみにトンネルAからトンネルBは直接繋がっておらず、トンネルAから「焦土の包領」か「灰被りの台地」に移動した後にトンネルBへと移動する必要がある。

プラットフォームアクションが厳しい

トンネルのマップは閉鎖的な空間、それ以外のマップは開けた場所となっており、差別化されている。トンネルには問題点があり、プラットフォームアクションが要求される。見通しの悪い場所を通ったり、細いパイプや管の上を通ったり、まるで隠しアイテムを探っているようなプレイ感覚だ。

マップのデザインや雰囲気は素晴らしいが、クセのあるジャンプアクションをやらされ、ミスして足を踏み外すと即死なのはどうなんだろうと思ってしまう。チュートリアルでもプラットフォームアクションがあり、死んだらチュートリアルが終わって、本編に移行したり、首を傾げるような作りになっている。

入り組んだ巨大構造物を旅する構図は映像作品やコンセプトアートとしては映える作りだと思うし、本作のアートデザイナーは本当に良い仕事をしていると思うが、ゲームデザインとしてはまだまだ試行錯誤の途中という印象を受けた。現時点ではOnly Up!とルートシューターと戦場シミュレーターが歪に組み合わさったような作りだ。

プレステージが面倒

プレイキャラクターは6人用意されており、それぞれ性能が異なり、差別化されているのは良い。

ただ、キャラクタースキルの取得やレベルアップの仕様がややこしい。経験値の取得上限が決まっており、取得上限を上げるにはプレステージが必要。プレステージすると今まで取得した経験値がゼロになるが、取得上限が上がり、上位スキルを取れるようになるという仕様。取得上限になったらプレステージし、また経験値とスキルはゼロからスタートという感じでいたずらに時間を費やされる。

問題点は多いが不思議な魅力がある

色々とやりたい方向性は分かるのだが、ごった煮の状態で調整はまだまだという印象。しかし、アートデザインや世界観は独創的で、アドベンチャーゲームとしては非常に魅力的な作品だと感じた。

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