ダウンロード販売によって過去の名作が手軽に入手できるようになった現代。いまさらだけど歴史を知る上で重要な作品を紹介しようのコーナー。なお、今回紹介するのはダウンロード販売で入手できる作品のみ。歴史的に重要だとしても入手できないもの、マイナーなものは紹介していない。
- DOOM (1993) 元祖FPS
- System Shock (1994) RPG+FPS
- QUAKE (1996) フル3D
- Quake II (1997) 元祖現行FPS
- Half-Life (1998) 演出と体験
- Unreal (1998) 惑星探検
- Thief (1998) ステルスFPS
- Tom Clancy’s Rainbow Six (1998) タクティカルFPS
- SWAT 3 (2001) 敵を殺さないFPS
- Operation Flashpoint (ARMA: Cold War Assault) (2001) 大規模戦闘シミュレーション
- Tom Clancy’s Ghost Recon (2001) 索敵と分隊
- Serious Sam (2001) すべてが過剰
- Medal of Honor: Allied Assault (2002) 戦争FPSの決定版
DOOM (1993) 元祖FPS
FPSを代表する作品。敵の攻撃をかわして弾を撃ち込む、アクション性の高いゲームデザインが特徴。敵の行動パターンやアイテムの配置など丁寧に作り込まれている。歴史を知る上でも真っ先に押えておきたい。ただし、当時の流行だった「複雑なマップ構造」は今の感覚で遊ぶと厳しい部分があり、エピソード後半は意地が悪い。隠しアイテムを見つけ出すような探索が要求される。とりあえずエピソード前半だけ遊んでみよう。
Ultimate DOOM – GOG.com
Ultimate Doom – Steam
System Shock (1994) RPG+FPS
遺留品からストーリーを追っていくADVの要素、様々なアイテムや能力を駆使して戦うRPGの要素など、単純に銃を撃つだけではないゲームデザインが特徴。Deus Ex、Bioshock、Preyの源流である。様々な要素が取り入れられ、革新的ではあるものの、その分独特で取っつきづらい。日本語版を入手しづらいのも難点。
System Shock: Enhanced Edition – GOG.com
System Shock: Enhanced Edition – Steam
QUAKE (1996) フル3D
DOOMはキャラクターが2Dだったのに対し、本作はすべて3Dで表現。フル3DFPSの代表作。基本的にDOOMを下敷きにしているが攻撃方法やマップ構造など、3D空間を活かした表現が足されている。DOOMよりも探索が簡単。ただし、世界観が陰鬱としており、敵キャラクターがDOOMに比べるとキャッチーさに欠け、パッとしない。
Quake II (1997) 元祖現行FPS
2と銘打っているものの、世界観は前作とガラッと変わっている。現代のFPSの形に近いのは本作だが、今から見るとこれといった特徴に欠けており、現代のプレイヤーが楽しめるかは疑問。レイトレーシングに対応した体験版がリリースされているのでRTXシリーズのグラボを持っている人は試しに遊んでみてはどうだろうか。
QUAKE II – GOG.com
QUAKE II – Steam
Quake II RTX – Steam
Half-Life (1998) 演出と体験
主観視点の演出や舞台の臨場感に凝った作品。実際にその場で体験しているような感覚を重視している。今までムービー(動画)で表現されていた部分を自分の視点ですべて見られるのが特徴。敵のAIも賢く、撃ち合いも楽しい。ただし、ジャンプアスレチックが多用され、滑っているような独特な移動感覚も相まって、ストレスが溜まる場面も多い。
Unreal (1998) 惑星探検
Half-Lifeは現代が舞台だったのに対し、本作は未来の他の惑星が舞台。技術的な問題から閉鎖的な空間が多かった当時、開けた広い空間を実現しているのが特徴。見せ方がうまい。独特な生態系や生物、美しい風景など、今プレイしてもビジュアルのインパクトが強い。全体的に敵が固く、一回の戦闘が長引きがちなのが評価が分かれるところ。
Unreal Gold – Steam
Unreal Gold – GOG.com
Thief (1998) ステルスFPS
暗闇でのステルスを重視した作品。敵を倒すのが目的ではなく、財宝を盗むのが目的。主観視点のパルクールアクションの走りでもある。ステルスFPSの歴史を知る上で欠かせない作品。この作品の一部はDishonoredに受け継がれている。
Thief Gold – Steam
Thief Gold – GOG.com
Tom Clancy’s Rainbow Six (1998) タクティカルFPS
複数の隊員を指示し、テロリストを制圧していく作品。プランニング(計画立案)、分隊指示など、銃撃よりも戦術に重点が置かれている。操作面は続編の方が洗練されていてプレイしやすいが、本作にはごちゃごちゃした要素がないシンプルな良さもある。
Tom Clancy’s Rainbow Six – GOG.com
SWAT 3 (2001) 敵を殺さないFPS
Rainbow Sixはテロリストを殺害していたが本作では犯罪者を殺さず、捕まえるのが基本。非殺傷武器や交渉で敵を捕らえるという一風変わった作風である。西部劇のガンマンのごとく早撃ちで解決するFPSではなく、外道に対して人道的に物事を解決していく斬新な切り口は現代でも色褪せない。ちなみに1と2はシミュレーションゲームだったり、ストラテジーゲームだったりで、FPSになったのは3から。売上的になかなか厳しいテーマなのか、4以降は類似の作品はあまり出てこない。
SWAT 3 – GOG.com
SWAT 3 – Steam
Operation Flashpoint (ARMA: Cold War Assault) (2001) 大規模戦闘シミュレーション
Rainbow SixやSWAT 3が室内戦だったのに対して、野外での大規模な戦闘を実現した作品。戦車やヘリコプターを操れたり、負傷すると動作が制限されたり、キャラクターの動作が現実的で重々しかったりとFPSというよりはシミュレーションといった方が相応しい。豆粒のように小さい遠くの敵をアイアンサイトで狙ったり、逆にヘッドショットで瞬殺されたりなど、泥臭い戦闘が特徴。
このシリーズは版権の問題でARMAに名称変更して引き継がれていく。操作や機能面は最新作の方が洗練されているものの、本作のキャンペーンはそれ以降のシリーズにはない良さもあるので遊ぶ価値はある。
ARMA: Cold War Assault – Steam
Tom Clancy’s Ghost Recon (2001) 索敵と分隊
Rainbow SixとOperation Flashpointのとっつきづらい部分を無くして、遊びやすくした作品。当時はカジュアルと言われたが現代の基準からいうとこれでも硬派な内容である。野外の雰囲気がとても良い。双眼鏡で索敵し、安全な位置を陣取り、隊員全員の一斉掃射で敵を片付けていく。タクティカルな部分をうまくゲームに落としこんでいて、現代のプレイヤーでも楽しめる内容。Ghost Reconシリーズはこれ以降も色々と出ているが名前が同じだけで全然違ったものにされている。
Tom Clancy’s Ghost Recon – Steam
Tom Clancy’s Ghost Recon – Ubisoft
Serious Sam (2001) すべてが過剰
DOOMを現代風にリメイクした作品という位置づけだが独特のゲームデザインであまり似ていない。だだっ広いマップにこれでもかと大量の敵を登場させ、それを強力な銃でなぎ倒していく。キャッチーなキャラクターに分かりやすいゲームデザインでとっつきやすい。このシリーズは長く、今も続いているが作品それぞれに良さもあれば悪さもあり、甲乙を付け難い。やるなら一作目からを勧める。
Serious Sam – Steam
Serious Sam – GOG.com
Medal of Honor: Allied Assault (2002) 戦争FPSの決定版
第二次世界大戦やベトナム戦争をテーマにしたFPSは数あるが戦争FPSの方向性を決定付けたのは本作だと言える。過剰で派手な演出、雰囲気重視でヒロイックなゲーム進行はCall of Duty、Battlefieldに受け継がれ、現代まで続いている。わざわざ本作をいまさら遊ぶ必要はないが歴史を知る上ではプレイしておきたい作品だ。
コメント
ええやん なんぼなん?
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