STRAFE: Millennium Edition – ローグライク要素いる?

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Quake2世代のFPSにローグライク(ローグライト)要素を足したFPS。描き込まれたドット絵が美しい。レトロな雰囲気はあるのだが今風という感じのインディーらしいグラフィックスタイルが特徴。主人公の挙動が軽快で昔のFPSのようなスピードでマップを駆け回れるのが気持ちいい。

サウンドは少し重みが足りないが銃撃感や敵にヒットした感覚は悪くない。敵が死ぬと見事にバラバラになるので爽快感も高い。血しぶきが時間経過と共に広がったり、壁にかかった血しぶきが垂れているような表現が施されていたりとゴア周りの作り込みは手間がかかっている。ただし、Quake2のような敵のやられアニメーションはなく、死ぬと同時に物理シミュレートが始まる為、瀕死の敵にとどめを刺すことはできないのが残念。ここは再現して欲しかった。

挙動、シューターとしての土台となる部分は良い。しかし、ローグライク要素が加わったことにより、オールドスクール感が台無しになってしまっているのが残念。もちろん、オールドスクール+ローグライクが本作の特徴なのだがどうもここの相性は良くない。というよりFPSとローグライクを足したものは大概アレだと感じる。

そもそもローグライクの良さとはなんなのだろう。ランダムなダンジョンを探索して、アイテムを手に入れて強くなって、拾ったアイテムをやりくりしながら敵と戦って一歩一歩と将棋のように進んでいく。どこまでいけるかのサバイバルが楽しい。だが、オールドスクールなFPSの醍醐味はいかに敵の攻撃を華麗に避けて、至近距離から弾をぶち込むかであって、それらのローグライク要素とは交わらないのではないか。ランダムなダンジョンを攻略したり、ランダムなアイテムをやりくりする…それはオールドスクールの良さを引き立てるものなのか。

マップはランダムジェネレートと題されているがニ、三回プレイすれば部屋のパターンは大体見たものになり、敵やアイテムの配置はいい加減でバランスや演出は考えられていない。ランダムなのだから当然だ。だけど、我々がDoom、Quake、Unrealをプレイした時、なにが印象に残っているだろう? なにが面白かったのだろう? レベルデザイナーが「こうしたらプレイヤーがビックリするぜ」とか言いながら作り上げた仕掛けに驚いたり、バランス良く配置された敵とアイテムから緊張と緩和を覚えたり、物語を感じたりしたのが良かったのではないか。

しかし、STRAFEには気持ち良くドンパチさせてクリアさせるという考えはなく、ランダムに任せられていて、死んだら同じことを始めからしなければならない。セーブはないし(中断はできる)、死んだマップからリスタートもできない。オールドスクールというのはどこでもセーブ可能なDoom以後のFPSを指すのではなく、もしかしたらファミコン世代のアクションゲームのことを指しているのかもしれない。シューターとしての土台は良い。一定の面白さというかFPSとしての爽快感は確保していると思う。だけど変わり映えのしない平坦なマップを二回、三回プレイするのは辛い。感触は良いので全クリするまでやると思うけどこれがステージクリアだったら…とは思う。

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