5時間でクリア。凡庸なシューターという印象は変わらず、最後までずっと代わり映えしない戦闘が続く。窓ガラスを撃って土砂に敵を巻き込む、グレネードで砂を巻きあげてスタン効果など、砂は局所的な使い方に留まり、新しいゲームプレイを与えるところまでは至っていない。凡庸だがものすごく出来が悪くてプレイするのもウンザリというレベルではないのが救い。クリア時間も短めでダレる前には終わる。
ただ、物語自体は良く出来ていて、ゲームをクリアさせる動力になっていた。米国万歳の脳筋物語ではなく、どちらかというと反戦寄りでプレイヤーに思慮を促す。仲間や一般市民を救う為の行いが結果的にすべて裏目に出て、救いも何もないやるせない展開は好みが別れるところだがストーリーテリングや伏線の張り方がしっかりしていて、合理的で納得のいくものに仕上がっている。倫理を問う選択シーンはいずれも重く、選択するのを戸惑わせるほど。トリガーハッピーの私でさえ、引き金を引くのをためらうところもあった。
Call of Duty 4のAC130による爆撃ミッションは当時話題になったが、今作ではそれを超える表現が行われていて、一見の価値あり。また、「殺せ、ロシア人だ」をオマージュしたようなシーンもある。
シューターとしては平凡な出来だが、プレイヤーに戦争の不条理さを体験させるアドベンチャーゲームとしては良質な仕上がり。一風変わった戦争ゲームや考えさせる物語が好きな人にはオススメ。映画代くらいの価値は十分あった。