ゾンビが蔓延した街で生存者の力を借りながら物資を集めて砦を築き、2週間を生き延びるサバイバルアクションRPG。ロメロ映画のようなサバイバル体験が楽しめる待望のゾンビゲームだ。
主人公はベン・ライリーという顔色の悪いお兄さん。名前の変更や容姿の変更はできない。ただし、アトリビュートやスキル、職業はプレイヤーが選択できるようになっている。アトリビュートは5つ、職業は9種類、スキルは18種類が用意されている。
アトリビュート
Smarts:知性や習熟。影響スキル:Carpentry, Electrical, First Aid, Mechanical, Medicine, Metal-Working, Scout, Spot
Power:意志と気力。腐敗への耐性。影響スキル:Interaction
Speed:足の速さ。影響スキル:なし
Finesse:器用さ。影響スキル:Assault Weapons, Blades, Clubs, Hand to Hand, Pistol, Rifle, Lock Pick, Sneak
Toughness:力強さ。防御力とスタミナに影響。影響スキル:なし
職業は医者,救命士,兵士,警官,工事作業者,受刑者,トラック運転手,レポーター,学生と幅広く、職業によってアトリビュートや習得スキルが異なる。アトリビュートやスキル値の調整は可能だが、習得しているスキルは-10までしか減らすことができず、新規に追加できるスキルは2~3つまでととなっており、完全に自由な振り分けはできないようになっている。スキルは使用頻度に応じて一晩寝た後に上昇していく。
探索は主人公が行うことになるので戦闘系のスキルは必須。近接戦闘はいくらでも攻撃できるのがメリットだが、ダメージを受ける可能性が高いので上級者向け。探索量にもよるが銃弾は豊富に手に入るため、銃スキルを二種類くらい覚えておいた方が心強い。生産はNPCに任せればいいので二の次でいいだろう。
初回プレイ時は・・・
●覚えておいた方がいいんじゃない?
Assault Weapons, Pistol, Rifle, Submachine Guns,
Scout, Interaction, Sneak, Spot, First Aid
●NPCに任せればいいんじゃない?
Carpentry, Electrical, Medicine, Metal-Working, Mechanical
●余裕があれば・・・
Blades, Clubs, Hand to Hand, Lock Pick
スキル
Assault Weapons :M-16, M-4, AK-47, Tommy Gun – ベースアトリビュート:Finesse
Blades : Katana, Axe, Broadsword – ベースアトリビュート:Finesse
Clubs : shovels, baseball bats, crowbars – ベースアトリビュート:Finesse
Hand to Hand : Fists – ベースアトリビュート:Finesse
Pistol : .38 Detective, .38 Service, Python, Desert Eagle, 9mm Beretta SA – ベースアトリビュート:Finesse
Rifle : Lee-Enfield, M1 Garand Rifles – ベースアトリビュート:Finesse
Submachine Guns : Thompson, Mac-10, Uzi – ベースアトリビュート:Finesse
Carpentry : 木材に関連したバリケードとトラップの製作に影響 – ベースアトリビュート:Smarts
Electrical :電気に関連したトラップの製作と発電機の維持に影響 – ベースアトリビュート:Smarts
Interaction : 生存者を説得し、仲間に加える能力 – ベースアトリビュート:Power
First Aid : 応急処置。一時的な傷の回復。 – ベースアトリビュート:Smarts
Lock Pick : 解錠 – ベースアトリビュート:Finesse
Mechanical : 機械仕掛けのトラップと発電機の維持に影響 – ベースアトリビュート:Smarts
Medicine : 一晩寝た時の回復に影響 – ベースアトリビュート:Smarts
Metal-Working : 重いバリケードとトラップの製作に影響 – ベースアトリビュート:Smarts
Scout : 移動時間の短縮とゾンビエンカウントに影響 – ベースアトリビュート:Smarts
Sneak : 隠密行動。高いほどゾンビに気付かれにくくなる – ベースアトリビュート:Finesse
Spot : アイテムの発見に影響 – ベースアトリビュート:Smarts
銃のスキルは細分化されており、Assault Weapons(アンブレラスキル)の中にはM-16,M-4,AK-47,Tommy Gun(スタンダードスキル)がある。生産スキルはスタンダードスキルしかない。行動の正確さはアトリビュートとスキル値の合計で算出される。
●生産の場合
スタンダードスキル + アトリビュート = 正確さ
MetalWorking 35 + Smarts 20 = 55 %
●銃撃の場合
スタンダードスキル + アンブレラスキル + アトリビュート = 正確さ
Tommy Gun 12 + Assault Weapon 25 + Finesse 20 = 57 %
●近接攻撃の場合
近接攻撃だけは例外で、たとえばBladeスキルが32だった場合、35%が命中率となり(この計算がよくわからない)、スキル値の半分の16%が回避率となる。
左クリックで攻撃、右クリックが視点移動となっており、移動しながら視点をクルクルと回転することができ、周りの状況がいつでも見渡せるようになっている。なお、客観視点のみで主観視点にはできない。
攻撃は上記の計算で判定され、外見的に当たっていたとしてもミスになることがあり、銃のスキルが低いとあさっての方向に弾が飛んでいく。しかし、スキルが高ければ一撃必中で仕留めることができ、スキルが活きてくる。最新パッチでは銃の射程距離がS,M,Lで示され、分かりやすくなった。もちろん、距離が短いほうが命中率は高くなる。
移動は歩き、小走り、全速力の三種類がある。小走りと全速力はスタミナを消費し、スタミナがゼロになると半分あたりまで回復するまで走ることができなくなり、残量には注意しなければならない。なお、スタミナは立ち止まるか、歩きの状態なら回復していく。Toughnessの高さにもよるがスタミナは減りやすく、気が付いたら底をついていたということもしばしば。全速力で走りながらジャンプすると飛び込み前転になり、窓を突き破って建物の中に入る時に役立つ。窓割リストとして、この窓の割り方を評価したい。
敵の種類は大まかに分類すると、歩きゾンビ、ランニングゾンビ、アメフトゾンビ、銃ゾンビの4つ。ランニングゾンビは小走りと同じ速さで移動し、厄介な存在。アメフトゾンビはタックルをかましてくるが、溜め時間が長いので避けやすい。銃ゾンビは移動は遅いものの一撃のダメージが非常に高く、ゴッソリと体力を失う可能性があり、見かけたらなるべく避けるようにした方が無難だ。
ゾンビは人間を見つけると障害物を乗り越え、窓や扉は破壊しながら一心不乱に追いかける。しかし、見失うと「アレレ?」と言いながら持ち場へと戻る習性があり、これを利用して障害物や曲がり角でまくことも可能。前述したようにスタミナが減りやすい仕様のため、隠れることが重要な戦術となっている。また、ゾンビを倒しても何も得られないので、隠れることで無駄な弾や体力の消費が抑えられる。
大量のゾンビに追われながら、ちょっとした障害物に身を潜めて難を逃れる様はまさにゾンビ映画さながら。このゲームのゾンビは脅威であり、ゾンビゲームに不足しがちな追い詰められていく恐怖感や緊迫感が保たれている。ただし、最新パッチが当たってからゾンビの数が全体的に減っているような感じで、初期の厳しいバランスは和らいでいる。ゲームオプションに難易度設定が用意されていないのが残念なところだ。怖いのが苦手な人向けにデカアタマモードやキャプテン翼モードなんかはあるのだが(余計コワイ?)。
デカアタマ
キャプテン翼
基本的にアイテムは棚や冷蔵庫などのオブジェクトの中に隠されている。Fキーを押すと周囲をサーチでき、何か見つかるとそのオブジェクトに「!マーク」が点灯して、インベントリを開けるようになっている。サーチには数秒が要するため、周囲に敵がいる時は非常に焦る。だが、「!マーク」が出た時はファンタジーゲームで宝箱を発見したような嬉しさがある。このサーチシステムは探索者の心境を味わえる、いいアイデアだ。
砦は警察署、刑務所、学校の中から選ぶことができる。初めに砦はゾンビに占領されている為、ゾンビを殲滅するところから始まり、以降は拠点として暮らす。砦にはトラップやバリケードを仕掛けることができ、二週間後のゾンビウェーブに備えなければならない。
一日毎にマップに物資・弾薬・生存者のミッションがランダムで表示される。遠距離のミッションに行く為には相応の時間が必要で、あまりにも遠いとそれだけで一日が終わってしまうこともある(時間が遅いので他のミッションへは行けないというメッセージが出る)。近距離のミッションを複数こなすか、それとも遠距離ミッションをこなすかを選択しなければならないのだ。また、移動中にゾンビエンカウントという逃走イベントが発生し、邪魔をされる時がある。Scoutのスキルが高いと移動時間を短縮でき、ゾンビエンカウントの発生率が減少するため、意外に重要なスキルといえるだろう。
生存者を発見し、出口まで一緒に行くと砦に住むようになる。生前者が増えると食事量も増えるため、生前者を助けるのは食料と相談する必要があるだろう。生存者には護衛として一緒に付いて来てもらったり、バリケードの製作をしてもらったり、回復を頼んだりできる。それぞれ得意なスキルが異なるので、兵士は護衛、作業者は工事、看護師は回復という風に適役を与えるといいだろう。
護衛として連れて行くと「付いて来い」や「逃げろ」などの簡単なな命令は下せるものの、ゾンビを見かけると無我夢中で戦うものが多く、扱いに困ることもしばしば。ただし、銃撃が得意な者はゾンビを簡単に仕留めるほどの能力があり、プレイヤーよりも殲滅力が高かったりする。要は物も人も使いようだ。
街並みはミッション毎にランダム生成される。建物のバリエーションはあまり多くないため、外見は代わり映えしない。ほとんどの建物には侵入でき、探索欲をくすぐる。ただ、リアルタイムに時間が経過していくため、ゆっくりとはしていられない。
グラフィックのクオリティが低いのは開発が小さな会社だから仕方ないとしても、パフォーマンスが悪いのは難点だ。何の変哲もない場所で30fpsぐらいまで下がることがある。描画範囲を狭めると明らかにパフォーマンスが向上するため、不可視化がうまくいっていないような感じがする。
ミッションのほどよい緊張感、仲間との共闘、自分だけの砦の製作。こんなの待っていた!と言いたくなるような内容だ。いままでゾンビゲームは数多くプレイしてきたが、ようやく理想とするゾンビゲームに近いものが現れた。キャラクターのビルドやミッション選択の自由度は高く、リプレイ性も高そうだ。
コメント
自分なりの砦の製作を夢見て、ハラハラドキドキしながらゲームをするわけですが、
どう頑張っても、夢の砦になりません。
せいぜい、時間稼ぎの中途半端なバリケードが出来るくらい。トラップも作れたことありませんし。
他の方は、夢の砦作れているのでしょうか。
このゲーム、出来はすごく悪いのに、何故か心奪われたので、気になります。
アマゾンで購入余裕でしたw
>>一読者さん
うちもバリケードの進捗率は低めです。
技術的に未熟な部分はありますが、ゾンビのことをよく分かっているゲームだと思います。
>>カントさん
楽しめるといいですね。