三時間でクリア。バンドルで買って積んだままにしてあったが、横スクロールアクションがやりたくなったのでプレイ。操作はジャンプと物を引っ張るだけで非常にシンプル。画面がモノクロの為、どのオブジェクトを動かせるのかもわかりづらい面があるがそういうのも含めてパズルになっている。シンプルな操作ながら物理演算を取り入れることで複雑なパズルを実現している。
パズルに失敗すると死が待ち受けており、多種多様な死に様もこのゲームの特徴。一つ目のトラップを解いたとしても、二つ目・三つ目のトラップがピタゴラ装置のように襲い掛かってくる。悔しいというよりも「そういう殺し方もありますか」と感心してしまうほどだ。
チェックポイントは細かく設定されているので失敗は苦にならない。何度も死んで答えを見つけるタイプのゲームだ。序盤は頭を使うパズルが中心なのだが、後半はシビアなタイミングやアクションを要求されるものが多くなり、反射神経ゲーになってしまうのが残念である。
物語は「少年が妹を探してリンボに入った」ということらしいが恐らくダンテの神曲が元ネタなんだろう。インテリが好きなアレである。少年は煉獄と地獄を彷徨い、大蜘蛛のアラクネに襲われ、冥府の川を越え、最終的に妹=久遠の君ベアトリーチェにたどり着き、救済されるといった所だろう。
ゲーム中では説明は一切なく、プレイヤーに想像を委ねている。人によっていかようにも想像できるともいえるし、作者の原風景や描きたいシーンだけを繋いだ放り投げともいえる。
画面はモノクロで統一されており、少年にピントを合わせた深度の浅い絵作りとなっている。横スクロールのゲームだがボケを効果的に利用し、奥行きを感じさせ、ボケ特有の柔らかい表現が幻想的な雰囲気を作り出している。モノクロにしたのはグラフィッカーの労力を軽減する為でもあると思うが、それを上手く利用して印象的な風景を描いている。映像表現や光学系の知識がある人がきちんと考えて設計したと思われ、絵作りにポリシーが感じられる。
またBGMは特定の場所しか鳴らさず、基本的に環境音や足音のみで構成されている。それによりまるで森のなかにいるような、主観視点のゲームのような臨場感や没入感が得られる。モノクロの画面で情報量が少なく、少年の動きに集中できるというのもあるのだろう。
物語や世界観はもう少し捻りが欲しい。最後まで頭を使うパズルだったら最高だった。最後の方のアクションパズルは辟易としたものの、クリアするまでやらせる力がありました。
コメント
ダンテを引用していた、文学青年なアノウン兄貴が好きでした!(過去完了形