Disciples: Sacred Lands – 続・ゲーマーの為のUIデザイン(4)

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寝食を忘れるほどに没頭。Disciplesのために長期休暇を取りたいくらいだ。

今日は敵の本拠地を攻め落とせるか挑戦してみた。本拠地はヒーローユニットと雑魚ユニットのパーティが防衛している。雑魚敵は弱いのだが、ヒーローユニットがとにかく強い。ヒーローユニットの性能はHPが900、攻撃力は全体ダメージ200。必ず先制攻撃してくるため、HPの低いキャラは即死し、戦士系のクラスも瀕死に陥る。

そこで対策を練る。まず、周りの雑魚ユニットが邪魔。こいつらが前線にいるせいで、近接職はヒーローユニットに攻撃できない。雑魚ユニットを片付け、ヒーローユニットだけの状態にするのが理想的だ。相手のターンに移ると、雑魚ユニットが補充されてしまうので勝負は一ターンのみ。

そこで雑魚ユニットはシーフの毒攻撃で瀕死にする(ただし、毒攻撃はヒーローユニットには効かない)。シーフの毒攻撃成功率は30%。失敗すると死んでしまう。成功率が低いので大量のシーフで勝負を賭ける必要がある。保険はたくさんあった方がいい。

シーフを増産したら、毒攻撃ラッシュ開始。雑魚ユニットが瀕死状態になったら、次は主力パーティの順番だ。魔法とアイテムで防御力強化、命中率強化、攻撃力強化を行い、装備品でさらに底上げする。

だが、現実は甘くない。これだけ強化してもヒーローユニットは強かった。 防御力強化のお陰で「全体ダメージ200」の威力は和らぐのだが、それでも3ターン目を持ちこたえるので精一杯。また、こちらの攻撃は相手に30ダメージ程度しか与えられず、お話にならなかった。

だが、システム的には倒せそうな気がする。主力級パーティを30チームほど量産し、それで一気に勝負を賭けてみたら勝機があるかもしれない。時間と余裕があれば、今度試してみたい。

量攻め

とことで、前回のエントリーに続いて、今日もゲームとUIデザインのお話。前回、言葉足らずな部分があったので、その補完を行いたい。Disciplesとは無関係の話なので読まなくていいよ。各ゲームタイトルについての具体的なUIデザインの話はまた今度にでも。

●二種類の「理解」の使い分け

人間に意味を理解させるには、二種類の理解を併用すると効果的だ。二種類の理解とは、直感的理解と説明的理解のこと。ボタンに例えると、直感的理解はアイコン、説明的理解は文字(+注釈)に該当する。

なぜ、二種類の理解を併用する必要があるのか。一つで十分ではないか?

確かに一つで十分かもしれない。しかし、二種類の理解を用いると理解率は格段に上昇する。もし、アイコンが抽象的なデザインだったとしても、文字でボタンの意味が分かるかもしれない。逆に、文字(単語)を知らなくても、アイコンでボタンの意味を分からせることが可能かもしれないからだ。

それに加え、ボタンの上にカーソルを置いた時にポップアップで注釈が表示されたりすると、さらに説明的理解力は増す。ポップアップの注釈がユーザーの理解を助け、ヘルプや取扱説明書を見る手間を省いてくれるのだ。親切なUIほど、ユーザーのシステムの習熟は早まる。難解と呼ばれるゲームは得てして不親切な場合が多く、その場合システムの習熟は遅くなり、不用意に難易度を高めてしまう。
直感的理解と説明的理解の応用

●UIは万能な翻訳家

ボタンは変化に満ちていなければならない。カーソルをボタンに合わせたらボタンの色が変わったり、カーソルの形状が変化したりすると分かり易い。そうすることで「ボタンを押せること」「ボタンを押したら何が起こるか」を予知させられる。

アフォーダンスな行動予知

ボタンを押した際、ボタンが窪んだり、音がなったりすると「ボタンを押したこと」が分かり易い。もし、ボタンを押しても変化がなければ 、本当にボタンを押したのかが分からない。ボタンの窪み、カチッという音が「あなたはボタンを押しましたよ」と伝えてくれる。ユーザーとシステムの中間に立ち、両者の対話を努めるのがUIの役目だ。

UIはユーザーとシステムの仲介を行う

打鍵が動作に軽快なテンポを生む。余談だが、SFやサイバーパンクに登場する空間動作型インターフェイス(映画版マイノリティリポートでトムさんが使っていたやつ)に似た技術がすでに実用段階まで進んでいるが、公に製品化されないのは反応や感触(フォースフィードバック)に問題を抱えているからだ。

数年前にバーチャルキーボードというSF映画に出てきそうなキーボードが登場した。とある界隈では結構盛り上がったのだが、実用面では実際のキーボードが勝っており、一瞬で盛り上がりが沈静化してしまった経緯がある。実際のキーボードは打鍵の感触が計算されており、打鍵した時に人間が気持ちよさを感じるように作られている(家電メーカーにはドアの開閉音やスイッチの感触を研究するチームが用意されている)。

一方、バーチャルキーボードは平らな場所ならどこにでもキーボードを用意できる利点があるが、打鍵の感触が考慮されていないため、キーを押した反応が感じられず、タイピングに疑問を抱かせてしまう。こうした理由からバーチャルキーボードは普及しなかったのではないかと想像する。

これはSFに登場する空間動作型インターフェイスにも同じことがいえる。マイノリティリポートみたいに空中で操作するようなタイプは、ボタンを押した感触がないため、実際に使うとなると操作しづらく、無駄に移動量が多いので非効率的である。あれならマウスでカチカチやった方が動作は気持ち良いだろうし、効率的だろう。空間動作型インターフェイスは従来の操作をそのままバーチャル化するのではなく、その特性に応じたインターフェイスに作り変える必要がある。そうしなければ実際のキーボードやマウスには勝てない。

virtual_keyboard

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