PCの画面で本を読む気なんて到底起こらなかったので利用しないままでいた電子書籍。やっぱり本はベッドに横になって読むに限る。しかし、最近は電子書籍専用端末だとかスマートフォンでも様々なリーダーソフトやサービスが開始されており、手軽に楽しめるようになってきた。バックライトがあるので電灯も点ける必要がなく、暗闇でも読めるし、なかでもスマートフォンなら手のひらサイズで本よりも軽く、横になって読みやすい。
今回利用したのはBook Live!。他にもebookjapanやhontoやkinoppyなどなどがあるが、ebookjapanはサイトが楽天みたいにダサくてうさんくさいデザインで利用する気にならない。hontoは使用端末登録やDL期間制限などの仕様があり得ない。kinoppyは紀伊国屋書店自体は好きなんだけどリーダーソフトのページ送りのレスポンスがXperia Acroだともたつきがあって操作が鈍く感じる。
●立ち読み
大抵のタイトルは立ち読みに対応しており、冒頭30ページくらいはタダで読める。それだけ読めれば文章のクセや自分向きかは判別できるし、長時間の移動などで暇な時に立ち読みして時間が潰せて、それによって本との意外な出会いがあることも。実物と違ってかさばらないのでとりあえずキープしておいて時間のある時に読めるのも便利。
●本棚
購入した本や立ち読みする本は専用の本棚に飾れる(本棚以外にリスト表示もある)。ゲーマーにはGood Old Gamesみたいな仮想本棚と言えば分かりやすいだろう。電子書籍は仮想のものであるものの、本棚があると実際に所有しているような所有欲を満たしてくれる。
ただ、Book Live!の本棚はちょっと安っぽいし、一つしか種類がないのでバリエーションを増やして欲しい。
●対応端末
PC、iOS、Androidに対応しており、一冊買えば他の端末でも自由に読める。たまにDL期限を設けてあるクソサイトがあったりするが、Book Live!ではそのような制限は今のところなし。しかし、何十サイトも電子書籍サイトがあるわけで、いずれサービスを停止するようなところも出てくるだろう。サービス停止になった場合、ユーザーの資産はどうなってしまうのか。ユーザーはその辺も考慮してサイト選びをしないとマズイだろう。
今はどのサイトも五十歩百歩な状態で、どこもサイト独自のサービスや特色が見られない。電子書籍に絡んだ付加価値をどう産み出していくかが勝者と敗者の分かれ目になるのではないかと思う。ユーザー同士のコミュニティを促進させるような場を設けるとか、サイト独自のマガジンを刊行して昔の作品を丁寧に紹介したり、それに絡んだセールを実施したり・・・と動画やゲームのDLサイトから学ぶべきところがたくさんあるだろう。
●リーダーソフト
スマホではBooklive!Readerというソフトで本が読める。しおり機能や輝度調整、ページ送り効果、文字色/背景色変更、縦書き/横書き、文字サイズ調整、行間調整など、本では不可能な電子機器ならではの機能を備えており、自分の好きなスタイルで本を楽しめる。
ページめくりはフリック(指をスライドさせる)で行う。指を完全に離すまではページは完全にめくれず、実際に本をめくっているようなアナクロな微妙なめくり加減を再現していて、この操作がとても気持ちいい。いくつか触った中で私にはBooklive!Readerのページ送りが一番しっくりきた。ページ送りは本を読む時に一番使用する機能なのでここが気持ち良くないとダメだ。また、スライダーを表示させて、任意のページに飛ぶことも可能で、本を読む際に何の支障もない。
●価格、品揃え
出版社によって異なるが新刊だと30%、古いものだと大体60%引きといったところか。ゲームが異常なだけかもしれないがその値引き率に比べるとやはり高く感じる。
新刊は紙と電子で同時リリースということが多く、新しいものほど充実しているが、古典SFの品揃えは悪い。東京創元社や電子書籍の老舗グーテンベルク21の出版本がほんのちょっとあるだけで名作中の名作がほとんどない。というか、ハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかがやる気を出すべき。
ブラッドベリ爺さんが電子書籍クソ食らえなんてニュースもあったし、ハヤカワといえば小松左京問題もあったりしたし、私は日本の出版業界のことはてんで分からないが、そんなに権利関係が面倒くさいのか。確かに古典SFなんて今出しても売れないし、採算的に厳しいかもしれないが、頼むからハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとかハヤカワとか頑張ってよと言わざるを得ない。電子書籍でディックやバラードやコードウェイナー・スミスやギブスンやティプトリイを読みたいんですよ。
当たり前ではあるが実物を並べたら大変なことになるグイン・サーガだろうとペリー・ローダン(ほとんど電子書籍化されてないが)だろうと、スマホ一本で持ち運べるのは強力。紙書籍の時は部屋を掃除する際に泣く泣く処分した本は数えきれず、後になって読みたくなっても読めなくて悶々としたりしたが、電子書籍ならばその心配はない。読みたい時に読めないのと場所をとるからというのが理由で私は本を読まなくなったが、そういう問題から解放され、久々に本を読みたくなった。
しかしながら、古典SFはほとんど電子書籍化されていないのが問題。このまま埋もれて行ってしまうのか。電子書籍化されたら読みたい本、処分したが再度読み返したい本だってたくさんある。すべての本が電子化されて、読みたい時にいつでも触れられるようなSF世界になってくれることを望む。あれはディックの短編小説だったか、星に取り残された一人の男とロボット、男はロボットに声を吹きこみ、特定の問いかけに対して返事させるようにプログラムし、いつしか男が年を経って頭がボケ、ロボットを長年のパートナーと思いながら老衰で死に、ロボットが最後を看取る、あの話がもう一度読みたいな。タイトルが全然思い出せないが。
コメント
半年ほど前にラヴクラフト全集を買ってみたのですが、全然読み進められませんでした
昨日寝つけなかったおかげで久しぶりにこの本を手に取り、やっとインスマウスを読み終わりました
久しぶりのフィクションだったためか分からないのですが、物凄く文章が読みづらく情景をイメージするのに手こずりました
ちょうどキャプチャーされてる場面である、老人の話は凄い面白かったのですが、どうやら私にラヴクラフトは無理だったようで・・・残念
おとなしくクトゥルフもののゲームを探しておきます
確かに文章の修飾が過剰ではありますがこれがないと味気ないものになりそうな感じもします。
私は佐野史郎版インスマスを覆う影やCall of Cthulhu: Dark Corner of the Earthをプレイしていたので景色を想像する余地もなく、それらのイメージが頭に浮かんでしまいました。
そのせいかインスマウスの影はB級ホラーぽい印象が拭えなかったです。展開には興味を惹かれましたし、なんだかんだ言って一気に読んでしまいましたけど。
電子書籍は紙と違って存在感がないので、キリのいいところまで読むと存在を忘れちゃいますね。
紙だと目に入る度に「まだ最後まで読んでないな。さぁ読むか」と気軽に手を出せるんですが。
本当にハヤカワ頑張って欲しいですよね、昔はどこの本屋にも有った、まだ見ぬワンダーがぎっしりと押し込まれたかの
早川文庫のコーナー、隣は創元でこちらもぎっしり。ラヴクラフトはこっちの方が多かったか。一時はサンリオSF文庫なんてのもあって
今は全くみかけない、自分の中だけの宝物、お気に入り、本棚に並べて幸せだった。
たとえ電子の中と言おうとも、あの喜び取り戻してくれるのを心の底から望みますね
ジャック・ヴァンスって読んだ事ありますか?日本での彼の知名度、評価(そんなものすらないか)は低いが、
僕は正直ディックより好き、衝撃受けた位です。一見ありふれたスペースオペラの体裁とった内奥には、共感不可能な真の異国、異世界
が存在して色鮮やかさに眩暈がする。彼の描くエイリアン(例えヒューマンであっても)との意思の断絶、相互理解不能さは徹底的で
まあMassEffect3なんか作ってる連中もちょっとは読んで欲しい。
それから自分は良い本、好きな本との思い出が、素晴らしかったカバーイラストや挿絵と一体になってますね
これを電子書籍でも味あわせてくれる工夫は欲しい。
深井国画伯の階層宇宙シリーズなど、本当にもう一度手に取りたい。この頃のお気に入りは文春のキング作品全部やってる藤田新策さん
彼ほどキングの心分かったイラストレイターは世界にいないでしょう。
ジャック・ヴァンスは知らないです。今だと絶版が多いんでしょうか。
思い出深い本の表紙はパッと思い出せますね。表紙買いするのもありました。
復刊するのは嬉しいですが表紙が変わってしまって、コレジャナイ感を味わったり、ラノベみたいな表紙で「えー」ということもあったり。
いずれにせよハヤカワさんにはもう少し頑張って頂きたいものです。
初めまして。
いつも楽しく読ませて頂いております
>星に取り残された一人の男とロボット、男はロボットに声を吹きこみ、特定の問いかけに対して返>事させるようにプログラムし、いつしか男が年を経って頭がボケ、ロボットを長年のパートナーと>思いながら老衰で死に、ロボットが最後を看取る、あの話がもう一度読みたいな。タイトルが全然>思い出せないが。
おそらくは、ロバート・シェクリイの
「静かなる水のほとり」
(ハヤカワ文庫「人間の手がまだ触れない」収録)ではないでしょうか?
>「たいした詩人だ」
>「ヘボ詩人ですよ」
>「女性は?」
>「かつて、マ-サという名の少女を夢に見たことがあります。よく探していたら- 」
>「女性をどう思うね?星々をどう思うね?地球をどう思うね?」
>そして眠る時間になるのだった。いま、永遠の眠りにつく時間がきた。
>チャ-ルズは友の遺骸のそばに立ち、一度、脈をさぐってみた。そして、痩せおと ろえた手を下>におろした。彼は小屋の隅に歩いていき、疲れはてた空気ポンプを止め た。
>マ-クが用意したテ-プはひび割れ、あと数インチしか残っていなかった。
>「マ-クがマ-サを見つけることができますように」
>ロボットはしわがれ声で言った。
>そして、テ-プは切れた。
>錆びついた四肢を曲げることもできず、チャ-ルズは凍りついたように立ちつくし むきだしの >星々をじっと見つめた。やがて、彼はこうべを垂れた。
>「主はわが羊飼いにて」と、チャ-ルズは言った。「われは足らぬものとて何もな し。主はわれ
>を緑の牧場に伏せ給う。主はわれを導き・・・」
シニカルな作風のシェクリイにしては、めずらしくメランコリックなお話で、印象に残っておりました。
情報ありがとうございます。まさにそれですね。
ディックと勘違いしてました。
短編の中でも特に短い話でしたが、絵が頭に浮かぶほど強烈に印象に残っています。