5時間プレイしての印象。COOPは最大4人、フレンドを招待する機能がある。マルチプレイヤーの設定を「誰でも」にしていると野良プレイヤーともマッチングする。ゲームの進行はホスト依存。文章は日本語化されており、翻訳の質も問題ない。
キャラクター(セーブスロット)は4人まで作成可能。変更できるのは性別と見た目。服装はゲーム中に入手したものをいつでも変更できる。ガスマスクを装着するとガスへの耐性が上がり、ガスによるダメージが減少する。
レベルが上がるとスキルポイントを1つ入手する。スキルツリーは大きく分けて4種類。キャラの性能を上げるパッシブスキルが中心。スキルツリーの最後は機械獣をハッキングするなどのアクティブスキル習得になる模様。
持ち物が多いゲームなので始めの方にインベントリ枠拡張スキルは取っておいた方がいいだろう。武器毎に弾の口径が異なり、スタックできる量も定められているので消費アイテムがインベントリを圧迫する。アイテムを捨てるとその場に落とし、落とした物は他のプレイヤーも拾うことが可能。
箱やバッグの中身はプレイヤー別なので奪い合いは起こらない。固定配置の武器もあるが基本的に箱の中身はランダムドロップのようだ。
装備品には「壊れかけ」や「使用可」などの状態があり、性能が少し異なる。トレハンゲームのような際立ったランダム性能はなく、トレハン要素はそこまで高くなさそうだ。武器にはスコープ、拡張弾倉、サイレンサー、コンペンセイターなどのアタッチメントパーツを付与できる。
新規入手の銃はインベントリから弾を装填する作業が必要なのが面倒。アイテムベルトに設定した消費アイテムのスタック分が無くなるとインベントリの中に同じアイテムがあったとしても自動で補充してくれないのも困る。
機械獣は走り回って銃撃する犬タイプ、小さい蜘蛛タイプ、プレイヤーを発見して仲間を呼び集めるスキャナー、砲台を使用する二足歩行タイプなどがいる。敵の弱点は腰の位置に付いているボンベ。ここを撃てば1~2発で沈む。
敵の発見能力は低めで近距離まで近付いても意外にバレない。マップが広いので敵をスルーして進むのは難しくないだろう。敵のAIはプレイヤーを発見すると追跡、怪しそうな場所を探索し、距離が開くと見失う、フェアな作りになっている。
体力が無くなるとその場に倒れ、アドレナリン注射を消費して蘇生するか、死ぬかを選べる。死ぬと拠点にスポーンするシステム。デスペナルティは特に無い。結構、死にやすいバランスの為、 アドレナリン注射は大量に手に入る仕様になっている。
マップ上で発見した拠点のアイコンをクリックすると「高速移動」が選べる。これでファストトラベルが可能。動かせる乗り物は登場しない。
ラジオを使って敵を呼び寄せ、ガスボンベを爆発させるなどの戦術も効果的。基本的に敵は家屋に入ってこないので危ない時は家に入って戦った方がベターだろう。銃撃で窓は破壊できるが建物自体を破壊することはできなさそう。
マップ内の建物にはほとんど入れる。家は同じ作りのものが多く、探索が単調。重要なアイテムもそっと置いてあることが多く、きちんと探さないと見落としやすい。バンカーも同じような風景が続き、見取り図もないので迷いやすい。
ミッションは目的物を探す、周囲の敵を殲滅するなど。NPCは存在せず、プレイヤーが単独で探索して戦うことになる。進行はオープンワールドタイトルの中でも地味な方だ。Avalanche Studioの子会社が制作しているthe Hunter: Call of the Wildのイメージがあったので想像通りという印象。AAAタイトルによくある演出過多の派手なオープンワールドではない。
グラフィックはthe Hunter: Call of the Wildに比べると精細さに欠け、作り込みが劣るという印象。遠景のぼやけが強く、はっきりしない映像が不満。FXAAの調整が甘いのか、被写界深度が強めにかかっているせいなのか分からないがもう少しシャープさが欲しい。
ロード時間は非常に短い。the Hunter: Call of the Wildもそうだったがストリーミングロードが優秀ですぐに始められるのはいい。
パフォーマンスはグラボがRTX2060でフルHD最高設定で70~80fps、町で乱戦しても60fpsを維持できる軽さだった。GTX1070Ti以上ならフルHD最高設定でも問題はなさそうだ。
音は定位がはっきりとしており、銃声の位置もきちんと分かる。銃声は低音もしっかりと出ていて迫力があり、銃撃感も良い。
5時間プレイした印象
私はthe Hunter: Call of the Wildをそこそこやりこんでいて、あれに機械獣を足したものと想像していたので良くも悪くも予想通りという印象だった。逆に言えば期待を大きく超えるような内容や驚きがないのが残念。
グラフィックや雰囲気はthe Hunter: Call of the Wildに劣り、映像面では不満が残る。ゲームデザインが異なり、親会社と子会社という違いはあるとはいえ、あれを超える映像美を楽しみたかった。the Hunter: Call of the Wildは環境の作り込みが素晴らしく、ただ歩いているだけでも満足感が高かった。それを超えるような体験を期待していただけに落胆が大きい。
ゲームデザインは似た建物を探索しながら機械獣と戦う地味なスタイル。建物は使い回しが多く、ランドマーク的な特徴的なロケーションがあまり無いのも単調さに拍車をかけている。インディーのオープンワールド系サバイバルのゲームデザインに近く、敵の動きや音響をリッチにしたものと例えるのがいいだろうか。AAAタイトルの派手な演出やスクリプトが苦手な人の方が合うだろう。
私はフレンドとだらだらと会話しながらやっていたので十分楽しめている。シングルプレイで黙々とやるのは少し辛いかなという印象だった。システムはシンプルで分かりやすいものの、やればやるほど出てくるような深みは無さそうである。
マップはかなり広いので本土の方に行けば雰囲気がガラッと変わることを期待したい。S.T.A.L.K.E.R.:SoCの発電所や遊園地のような特別なロケーションがたくさんあれば探索するのも面白そうなのだが……。定価が3,600円と大作に比べると安いのであまり深望みするのもどうかとは思う。
※ちなみに環境によって起動すると即クラッシュする問題がある。Microsoft IMEを英語設定やGoogle IMEに変更する。exeファイルのプロパティからWin7互換などに変えると改善される模様。