とことで、今年の総括です。
FPS部門 – NecroVisioN
オーセンティックなFPSを今風に再現したFPS。DukeキックやDoomGuyパンチを彷彿とさせるメレー攻撃を組み合わせたコンボ攻撃が小気味良い爽快感を味わわせてくれた。このゲームで特に印象的だったのはバイオレンス要素。銃剣で敵を抉(えぐ)ったり、キックで蹴り殺したりする生々しい描写は他のWWI&II FPSでは体験できない。ゴア表現は大して派手ではないものの、精神的な部分で残虐性を強く感じた。
残念だったのは中盤以降のバランス。シャドウハンドを入手してからはバランスが大味になり、レベルデザインもやっつけ感がある。中盤までの勢いで最後まで突っ走ってくれていれば・・・。
– FPS部門候補
・Grappling Hook
・Zeno Clash
ADV部門 – 無限航路
RPGやSLGの要素を多分に含んでいるゲームなのだが、ADV色が一番強いと感じたのでADV部門に挙げることにした。豊富な艦船と多彩なカスタマイズ、こじんまりとしているが艦隊戦の雰囲気を味わえる戦闘、SF小説からのオマージュと作り込まれた世界観など、強い個性を持っている。二番煎じやリメイク作が氾濫しているDSゲームの中では非常に健闘していた。
シナリオはジュブナイル的ではあるがブラックな部分もあり(女性キャラに対しての扱いが酷過ぎる)、スペースオペラのツボはきっちり押さえられている。かなりニッチな作りゆえ大衆受けはしないだろうし、UIが使いにくい&フラグ立てが面倒&ミッション管理画面がないので進行が分からなくなる&ゲーム中での説明不備などの不満点はあるが、好きな人はとことんハマる作品だ。かくいう私も60時間(二周)を費やした。
– ADV部門候補
・The Void
・Scribblenauts
RPG部門 – 該当なし
残念ながら該当する作品はありませんでした。
– RPG部門候補
・A Farewell to Dragons
・Fighting Fantasy
・女神転生 STRANGE JOURNEY
・Torchlight
版権ゲーム部門 – Batman: Arkham Asylum
バットマンらしいアクションと洗練されたゲームプレイ、バットマンの雰囲気を見事に再現した世界観。版権ゲームのお手本というべき内容。ゲームプレイだけを見ると過去の作品のリファインという感じなのだが、そこにバットマンの要素を活かし、強烈な個性を持つことに成功している。最近のハイディフニッション(HD)ゲームのゲームプレイは洗練されているものの世界観やキャラクター性が弱く、没個性的なものが多い。Batman: Arkham Asylumはそれらの凡百なゲームとは一線を画した位置にいる。
– 版権ゲーム部門候補
・The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena
コミュニケーション部門 – ラブプラス
こういうタイプのゲームは昔から存在していたが(ルームメイト ~井上涼子~、NOeLなど)、恋人になってからのコミュニケーションをテーマにしたことと携帯ゲーム機でリリースした点がその他のギャルゲーとは異なる。彼女と一緒にいつでもどこでも行ける・・・これは据え置き機では難しい芸当で携帯ゲーム機ならでは。そして、約二年分にも及ぶリアルタイム日付イベントが彼女の存在性を高め、一緒に生活しているような錯覚を生み出している。起床してラブプラス、仕事中もラブプラス、帰ってきてからラブプラス、寝る前にラブプラス。ただいまを言う相手もいないあなたもラブプラスがあれば問題解決。メタコミュニティの盛り上がりも含めて色々と楽しめた作品だった。
– コミュニケーション部門候補
・トモダチコレクション
インディーズ部門 – Grappling Hook
プレイヤーの習熟に応じて、ドンドン爽快感を増していくグラップリングアクション。パズルの解法はいくつもあり、マップ数もたくさん用意されていて、やりこみ甲斐が十分にある。最近、こういったやりこみを競うようなゲームが少なくなっているので新鮮味を感じずにはいられない。Quakeで延々とタイムアタックに挑戦していた、あの頃を思い出させてくれた。
– インディーズ部門候補
・Torchlight
・naev
・jClassicRPG
・Killing Floor
今年を振り返って
ダウンロード販売の躍進を強く感じた年だった。最新ゲームのセール合戦を見ていると時代は変わったのだなぁとつくづく思う。もはや定価で買うのに抵抗がある。一方、GOG.comなどによって古い作品の再販が活発に行われるようになったのは嬉しい限りだ。
HDゲームは見てくれは素晴らしく、内容も洗練されていて、そこそこ遊べる作品が多かったものの記憶に残るようなものは皆無だった。これは大衆ゲームの宿命なのかもしれない。それに比べてインディーズ市場はカジュアルゲームからコアゲームまで幅広くリリースされ、一癖あるニッチな作品を見ることができた。ダウンロード販売によって流通基盤が確保されたことでニッチな作品をリリースしやすくなったのも影響しているのだろう。
今年のベストは無限航路にしておくとしようか。日本のゲーム開発者もまだまだ捨てたものではないなと実感させてくれた。安全牌を狙わず、自分たちのオリジナル作品を作ろうとした心意気も含めて評価したい。
コメント
30年程気が早いような?
間違ってたら失礼しました。
ちょっと未来に行ってました。ネタを盛り込もうとして失敗してたらダメですね。あはは。
660年でしょw
おっと、同時に書き込んでしまいましたねw
ネタでしたか・・・
スミマセンw
もっと無限航路のような挑戦的なゲームが、据え置き機とかでドーンと出てほしいものです。
このままだと国産ゲーが死滅してしまうような気もします。
どうなんでしょ、死滅はしないと思いますが・・・
まぁ有名ブランドの続編ゲーしかつくれないような硬化したゲームメーカーばかりなら死滅するもまたよし
ゲームは産業ではないので、欧米と同じ方向性で無理に進化させようとして進化するものでもないですしね
インディーゲームや携帯機で意欲的なことをやろうとしている人たちにきちんとリターンがあるような成熟した市場になっていないのも、日本のゲーム業界が閉塞的な雰囲気になっている一因でしょうか
当たり前のことですが少人数で開発できるから金銭的リスクが少ないので挑戦できるのだと思います。
据え置き機でドーンと出すとなると、万人受けを狙った無難な内容や人気作の二番煎じじゃないと費用回収は難しいでしょうね。
独特なゲームを作るとなるとパイは小さくなる。パイが小さいと少ししかペイできないから作り込みの部分でどうしても甘くなる。
ゲームの値段は投げ銭のようなスタイルがベストなのかなと思ったりもします。
俺はこのゲームを30時間分満足に遊べたから1万円を支払うよ、的なね。仕事の内容に見合った対価を支払うのは当然だと思うんですよ。なんでもかんでも価値が一律なのはおかしい。
ただ、World of Gooの試みを見た限りでは厳しいですかね。マジコンやワレズの問題も深刻ですし。冗談だとしても購入厨なんて言葉が使用されているのには憤りを覚えます。
昨今のダウンロード販売の動きを見ていると、今後ゲームの価値に変化があるのではないかと感じたりもしますね。
ウェブマネーとかで海外のゲームを買えるようになればいいのになぁ