Mutant Year Zero: Road to Eden 感想 – 雰囲気は良いが小さくまとまりすぎ(クリア)

TRPGのMutantを題材にした戦術RPG。病や争いによって文明が崩壊した世界、ミュータントたちが力を合わせ、幻のエデンを目指すという設定。ストーカーやゾーンなどの呼称が普通に登場し、ストルガツキィの「路傍のピクニック」や「願望機」の影響も感じさせる。緑豊かな退廃世界で言葉を話すケモノが銃撃戦を繰り広げる世界観が素敵だ。

プレイキャラクターはイノシシのボーミン、アヒルのダックス、キツネのファロー、女性のセルマ、男性のマグナスの計5人のミュータント。初めはボーミンとダックスしか使えないが物語を進めるに連れて仲間が増えていく。

ただし、行動できるのは3人のみ。あとの2人はお留守番。メンバー画面で入れ替えは手軽にできるが5人揃って戦闘に出撃させることはできない。3人に合わせて敵の強さや配置はバランス調整されているし、キャラが多くなると操作が複雑になりすぎる為だと思うが少し残念なところだ。

それぞれのキャラは使用できるスキルが異なる。マグナスはマインドコントロールでグールを操れるがファローやダックスはロボットをショートさせられる。敵の種類に応じて、メンバーは頻繁に入れ替えることになるだろう。

ゲームの流れはリアルタイムにマップを探索して、敵を見つけたら物陰に隠れ、戦闘モードに入り、ターン制の戦闘が始まるという形式。昔のFalloutJagged Allianceに近く、それを今風にコンパクトにまとめたものと考えてもらっていい。

まず歩き回って地形や敵の戦力を把握し、最適なところにキャラを配置し、敵を一匹ずつちまちまと削っていく。一つのエリアには十数体の敵が配置されている。見回りで孤立している敵をサイレンサー付の銃やクロスボウで一ターン内に仕留めれば他にバレることはなく、ステルス状態が維持される。

しかし、仮に一ターン内に仕留められないと敵は仲間に知らせ、エリア内の敵がワラワラと寄ってくる。いかに気付かれずに敵戦力を削れるだけ削れるかが重要になってくる。まるで将棋崩しや山崩しをしているような気分だ。

敵の体力は20~30あるのに対して、こちらの一回の攻撃は5~10程度のダメージしか与えられない。3人で攻撃してギリ仕留められるか否かというバランスが最後まで続く。

通常攻撃で仕留められない場合は高所に陣取ってクリティカル率を高めて、高ダメージを期待するか、EMPで感電させてターンを稼ぐ、タックルで気絶させる、発火で追加ダメージを与えるという形でなんとかバレずに仕留める方法を模索していく形になる。

敵はリスポーンしないし、装備やアイテムは定められたものしか登場しない。ランダムに湧く敵を倒したり、トレハンするような要素はなく、あらかじめ定められた物資でやりくりすることになる。そもそもレベルが上っても攻撃力は変化せず、使えるスキルが増えるだけである。

難易度にもよるが体力は自動で全回復しない為、メディキットのやりくりも重要。こまめにセーブして、ダメージを受けたらロードして戦術を練り直すくらいしないと厳しい。

戦術ゲームとは得てしてそうなのだがちまちまとした戦いが最初から最後までずっと続く為、この流れを受け入れられるかどうかがポイントになるだろう。FalloutやJagged Allianceの影響は強く感じるがあれほど自由なプレイは用意されておらず、良く言えばコンパクト、悪く言えばこぢんまりとしている。

戦術ゲームの面白さは確かにあるのだが一番の魅力となるのはやはり主人公のミュータント、文明が崩壊した世界観にある。ビジュアルや雰囲気は丁寧に作られているので、ケモナーの諸君はきっと楽しめると思う。クリアまで17時間。

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