アマゾンプライムで配信中のフィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ 第九話の地図にない町を見た。
駅員のエドの元へ若い女性がやってくる。メイコンハイツ行きの切符を下さい。メイコンハイツなんて存在しないと言うと女性はふっと消える。エドの息子は精神障害を抱えていて、傷害事件を起こした。悪化する家庭環境に頭を悩ませるエド。そこへまたあの女性がやってくる。エドは女性の言った通りに電車に乗ってみると存在しない町メイコンハイツに到着してしまう。
住み慣れた街から知らない街へと行った時の異世界のような感覚を思い起こさせる作品。原作は徐々に浸食されていく不気味さがあったのだが映像化に当たって、それが消え去っており、奇妙さが薄くなった。オチも家族愛へと書き換えられている。
ディックというよりもテッドチャンだ。たとえ悪い未来が待っていたとしても現実を受け止め、無かったことにしないか。それとも都合良く書き換えてしまうかという題材。息子との掛け合いが不足しており、個人的に感情移入はあまりできなかった。