シリーズ全部入りのX SuperBoxがGamers Gate(6.79$)やSteam(9.99$)でセールを行なっているのでX信者を増やすべく紹介記事を書いてみようと思う。
・Xはどんなゲームなの
Space Combat Simulation(SCS)というジャンルに属する。いわゆる宇宙船を操作して宇宙で戦うゲームだ。SCSは大まかに分けて二つのジャンルが存在し、リニアタイプとオープンワールドタイプに別れる。前者のリニアタイプは決められたシチュエーションで定めれた船に乗って戦う。FPSに例えるならCall of Duty。後者のオープンワールドタイプとは戦闘の他に交易や採掘や経営などの宇宙生活を楽しめるものを言う。シングルでMMORPGをやるようなイメージを想像すると分かりやすいだろう。Xは後者のオープンワールドタイプであり、100以上の星域(エリア)に何千ものAIが暮らし、貿易競争や抗争を繰り広げている。プレイヤーはその中の一人として、宇宙で生活していくことになる。
・Xシリーズはいくつあるの
・X: Beyond the Frontier 1999年発売 – 処女作。カイル・ブレナンが主人公
・X: Tension 2000年発売 – Beyond the Frontierの続編、カイル・ブレナンが主人公
・X2: The Threat 2003年発売 – カイルの息子ジュリアンが主人公
・X3: Reunion 2005年発売 – X2の続編、ジュリアンが主人公
・X3: Terran Conflict 2008年発売 – Reunion後の物語
・X3: Albion Prelude 2011年発売 – Terran ConflictのDLC。Terran ConflictとRebirthの間の物語
・X Rebirth 2012年発売予定
Reunionまではしっかりとした物語が用意されており、ブレナン親子の活躍が描かれている。このシリーズは物語が続いているので全体像を把握して楽しもうとするなら、Beyond the Frontierからプレイした方が良い。ただし、Beyond the FrontierやTensionはバランス面で難がある為、物語を楽しむ以外でのプレイ価値は低い。
X2: The Threatはメインミッションがチュートリアルを兼ねていて、それ以後の作品とシステム的には大きな変わりはないので初見でプレイするならオススメ。しかし、グラフィックはやや古めであり、最新のビジュアルを求めている人には厳しい。
Reunionのメインミッションは演出が重視されているが、ゲームのチュートリアルとしての役目を全く果たしていない為、一見さんには薦めづらい。Terran Conflictではミッションマーカーが搭載され、どこへ行けばいいのか一目瞭然で、UIも改善されていてプレイしやすいが、主人公がブレナン親子ではなくなり、物語性は薄くなっている。Albion PreludeではTerranとArgon勢力による大規模な戦争が日夜繰り広げられており、戦闘で資金稼ぎができるバランスになっているので戦闘狂にはオススメ。
X SuperBoxにはRebirthを除くすべての作品が収録されており、とりあえずこれを買えば良い。Gamers Gateで購入したシリアルキーはSteamで認証できる。
・Xではなにができるの
・宇宙船の購入。装備の付け替え
・戦闘
・交易
・艦隊編成。艦隊指揮
・海賊行為。海賊退治
・工場建設。工場による経営
・採掘。鉱石売買
・星域の防衛
・派閥戦争
・ミッション(メインストーリーミッション。護衛や運送のサブミッションなど)
・宝くじ
上記のような色々なことが可能だが、お金がなければ何もできず、無力である。戦うにも船を買うにも工場を建てるのにもまずはお金が必要だ。ゲーム中には様々な種族が登場するが、Yaki海賊やエイリアンKha’akやテラフォーミングマシンXenon以外は基本的に争いあわず、中立となっている。プレイヤーがAIに喧嘩を売り、船を強奪してそれを売り払ってお金を稼ぐ方法もあるが、戦闘は難易度が高い。
それゆえ効率よく稼ぐには貿易が無難であり、資金調達の基盤となる。貿易には貨物船が向いており、初めは貨物船を操作して品物を売買してお金を稼ぐ。X-Universeでは経済システムがきちんと働いており、需要と供給で価格が変動する。余っている品物は安く、逆に少ない品物は高い値がつけられるのだ。安い品物を購入し、仕入れ値以上で買い取ってくれるステーションへ行って売りさばくのがベターなのだが、他のAI商船も同じ事を考えていて、「レーダーで見るとあそこのお野菜安いから買いに行こう」と向かっていると、途中で足の早いおばちゃんが買い占めていくということもありえる。そのおばちゃんを襲って、品物を奪うかはもちろんプレイヤーの自由だ。
そうは言っても難しいんでしょ?
このゲーム独自の要素が多く、自力で覚えなければならないことが他のゲームに比べて多い。できることはたくさんあるのだが、それをどうしてやるかが分からない。慣れるまで辛いのは確かだ。ゲーム中での説明が不十分すぎるのがとっつきづらさを増長させている。
また、宇宙を移動する時間が長く、大半はこれで潰されると言っていい(Albion Preludeでは戦闘の頻度が大きく増しているが)。星域の数は多く、星域毎に雰囲気が異なり、音楽もそれぞれ違う。未知の星域を冒険するのもこのゲームの醍醐味と言えるが、宇宙を眺めながらボケーッとする時間が長いので宇宙に興味のない人は苦痛にしかならないだろう。
自動貿易を整えるまで数時間かかる。強力な船を買うにはかなりの忍耐が必要だ(Albion Preludeではプロットを進めると強力なのが支給される)。それまでには根気がいるので、最近の接待ゲームに慣れている人には辛い道のりだ。ゲーム世界ではいざしらず、現実世界では何事も始めは辛く、厳しい。すなわちXは現実なのである。それは冗談だが、堪え性のない人は初めでギブアップしてしまう可能性が高い。
Kingdom EndのBGMは泣ける。
それで結局どうなのよ?
好みが激しく別れるのは事実であり、万人向けとは言い難い。合わない人には全然合わないが、ハマる人はとことんハマるタイプのゲームである。いずれにせよ楽しい部分を味わうまでにはそれなりの時間を費やさないとならず、とっつきは悪い。だが、戦闘、貿易、経営、戦略など、幅広い要素を融合させたゲームプレイはこのゲーム特有のものであり、宇宙生活に興味がある人はチャレンジする価値のある作品だと言っておこう。日本の都市を宇宙船の名前につけているのはXだけ!